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非営利活動法人 日本ラクテーション・コンサルタント協会の公式ホームページです。母乳育児支援にかかわる専門家のための非営利団体です。

母乳育児Q&AQ AND A

2.母乳不足?

1ヶ月健診で体重の増えが悪いと言われました。母乳不足でしょうか。
1ヶ月健診で体重の増えが悪いと言われ、母乳が十分ではないように思えて不安なのですね。
母乳育ちの赤ちゃんは個人差が大きいものですが、一般に、赤ちゃんが元気でおっ ぱいをゴクゴク飲んでいる音が聞こえていれば、十分な量の母乳が飲めていることが多いのです。お母さんが自分で確かめるには、母乳だけを飲んでいる場合、1日に布なら6枚、紙なら5枚以上おむつがびっしょり濡れていて(オムツに30-60mlの水をかけてみるとおよその1回量がわかります)、色が薄く臭いも強くないことが目安になります。生後6週間までならうんちが24時間に少なくとも2−5回出ていることも確認しましょう)。 

生後1カ月までの体重の増え方は直線的なものではなく、生後2週間かかって出生体重に戻ったり、生後3週間くらいから急に体重が増えだしたりすることがあります。WHO/ユニセフの文献2)によれば、母乳が足りていれば、体重が増えだしてから1週間に125g以上、1ヵ月で500g以上増加すると述べられています。もし、体重の増え方がこれより少ない場合は、赤ちゃんの健康状態のチェックも必要ですので、母乳だけで育つ赤ちゃんの生理に十分な理解のある医師に相談してみましょう。

赤ちゃんの体重増加がおもわしくないというケースの中には、赤ちゃんが欲しがる度に飲ませないで授乳と授乳の間隔をあけたり、赤ちゃんが満足するまで長く飲ませていない場合があります。この時期の赤ちゃんは昼も夜も頻繁に(1日8回から12回以上)おっぱいを飲み、授乳時間も両方の乳房をそれぞれ10−15分くらいかけて飲むことが多いものです3)。もっと頻繁に飲む赤ちゃんもいますし、もっと長く飲む赤ちゃんもいます。また、抱き方に注意して深くおっぱいをふくませて飲ませることも大事です。効果的に吸われていないと、長く頻繁に吸わせていても十分母乳が飲めていないことがあります。もう一度抱き方とふくませ方をチェックし直してみるのもよいでしょう。


【参照文献】

1.The breastfeeding answer book, LLLI
2.Breastfeeding management and promotion in a baby-friendly hospital an 18-hour course for maternity staff UNICEF WHO 1993
3.American Academy of Pediatrics. Work Group on Breastfeeding: Breastfeeding and the use of human milk. Pediatr 1997; 100: 1035-39.
翻訳:母乳と母乳育児に関する方針宣言-アメリカ小児科学会の勧告 周産期医学2001;31:555-62.
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