ご自身では授乳がうまくできていないように思えて、不安なのですね。
赤ちゃんに授乳するのは、当たり前のことのように見えて実は初めは難しく感じたりするものです。お母さんがちょっとしたコツをつかんで、そして赤ちゃんもおっぱいに吸いつく回数を重ねて慣れていくことで、お互いに少しずつ“楽に”抱っこできたり、“効果的に”飲みとれたりすることができるようになります。
授乳のポイントは
- お母さんが「ラク」な姿勢であること
⇒赤ちゃんと過ごす時間のうち、授乳にかかる時間や回数(頻度)は意外と多いですよね。授乳の時に無理な姿勢をしていたり、がんばって赤ちゃんを支えたりすることで、お母さんのからだにも負担がかかり、疲労や痛みの原因になります。例えば背もたれに寄りかかるなど、座っていても、横になっていても、ご自身が楽な姿勢で授乳することはとても重要なポイントです。
- 赤ちゃんの姿勢は「まっすぐねじれず・向き合って・密着し・支えられている」こと
⇒おっぱいからしっかりと母乳を飲むには、赤ちゃんにとって「飲みとりやすい」体勢であることも重要です。赤ちゃんの耳・肩・腰がねじれずまっすぐに、おっぱいと向き合ってぴったりと密着し、しかも体がしっかりと支えられていることで、赤ちゃんは哺乳に必要な動き(大きくお口を開けたり、吸着したり、口や舌を動かしたりして乳汁を飲みとる)を発揮できますよ。
- 赤ちゃんが大きなお口を開けた時に乳頭~乳輪を深くお口に含ませること
⇒母乳を飲むときは、赤ちゃんは大きなお口を開けて乳首をとらえようとします。その時におっぱいを赤ちゃんの鼻先からお口の中の方へ、舌の上に乗せるように含ませるといいでしょう。(まるでハンバーガーにかぶりつくように!) 赤ちゃんの顔は少し上向きでおっぱいに向かい、下の顎がおっぱいにくっついていると、お鼻が埋もれないので、赤ちゃんは快適です。このように「深く」吸いつくことで、効果的に母乳を飲みとることだけでなく、乳首の痛みや傷も起こりにくくなります。
(イラストはこちら https://llljapan.org/wp-content/uploads/deep_latch.pdf)
抱っこでの授乳にはいくつかのバリエーションがありますし、添い寝での授乳も楽で快適な方法です。どの方法でも①~③のポイントは共通しています。
赤ちゃんとお母さんが、一緒に授乳の時間を重ねるうちに、少しずつ慣れていき、スムーズに授乳ができるようになるでしょう。きっと母乳育児をより楽しめそうですね。
もっとお知りになりたい場合には、以下に掲載したサイトや動画資料が参考になるかもしれません。
【参考文献】
- ラ・レーチェ・リーグ日本公式サイト「授乳のヒント」産後すぐ(12.20確認) https://llljapan.org/postpartum/
- グローバル・ヘルス・メディアプロジェクト「母乳をあげるときの抱き方」(動画) https://www.youtube.com/watch?v=X-UkUzO2_1s
- グローバル・ヘルス・メディアプロジェクト「赤ちゃんがおっぱいに吸い付くには」(動画) https://www.youtube.com/watch?v=zJDHhx4iudk
- NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会 母乳育児支援スタンダード 第2版
【文責】鈴木佳奈子 助産院ゆるり (助産師・IBCLC)
【ピアレビューアー】三浦孝子 戸田千
【完成年月日】2024年12月20日
【免責】この情報は医学的な診断や治療の代替となるものではありません。詳しくはかかりつけ医とご相談ください。