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赤ちゃんのお誕生おめでとうございます。夜間も授乳が必要と聞いて、大変だと思っている方も多いのではないでしょうか。夜の授乳を楽にする方法として、赤ちゃんとお母さんが一緒に寝て、添え乳をする方法があります。起き上がる必要もなく、お母さんの睡眠が保たれます。一緒に寝て母乳をあげることは乳幼児突然死症候群の予防にもよいとされています。安全に行うための注意点がいくつかあり、下記の1,2,3にまとまっているので参考にしてくださいね。

お母さんの睡眠という観点では様々な研究が出ています。実は、ミルク栄養よりも母乳栄養の方がお母さんの睡眠時間がより長く、一緒に寝ている方が睡眠の質が良いと分かっています。準備や片付けの手間がなく、上記のような工夫をして寝たまま授乳できるという理由もあるかもしれません。ご家族には掃除や洗濯、ご飯の準備(ひいては母乳を通じて赤ちゃんの栄養になります)などをしていただけるとお母さんの負担をさらに減らせますね。

次に赤ちゃんの睡眠に関してですが、生まれてすぐの赤ちゃんは体内時計はまだしっかりしていません。成長とともに昼夜のリズムを作っていきます。リズムを作るためには、昼間は明るくして活動、夜間は授乳などで覚醒した時を含めて目に光が入らないように暗くしておくということが大切です。さらに、メラトニンという夜に体を休めて新陳代謝を促すホルモンが夜間の母乳には多く含まれており、昼夜のリズムを作るお手伝いをします。

夜にも授乳をすることで母乳の分泌が促され、赤ちゃんの成長の助けになります。産後すぐはホルモンの関係で、頻繁に飲ませる方が母乳が作られます。産後しばらくすると乳房は飲まれた母乳の量を作るようになり、母乳が乳房内に残っている時間や量が多いと母乳を作る量が減ってしまいます。夜も授乳をすることで母乳量が増加・維持され、母乳をこまめに飲むことで哺乳量の合計も増えます。工夫をして夜間も授乳をしてみませんか?

 

【参考文献】

  1. LLL ラ・レーチェ・リーグ 「授乳のヒント 睡眠―・夜間の授乳」https://llljapan.org/safesleep/
  2. ABM parent handout ベッドの共有と母乳育児https://abm.memberclicks.net/assets/PatientHandouts/Japanese_ABM%20Bedsharing%20Breastfeeding_Handout_Protected.pdf
  3. ABM parent handout 親子に優しい夜間/日中の過ごし方:母乳育児・睡眠・すこやかな生活のためにhttps://abm.memberclicks.net/assets/PatientHandouts/Japanese_PhysiologicCareABMHandout-Secured.pdf
  4. 母乳育児支援スタンダード第2版 NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編集 2015年 医学書院 p.112-115 
  5. Zimmerman D, Bartick M, Feldman-Winter L et al.; Academy of Breastfeeding Medicine. ABM Clinical Protocol #37: Physiological Infant Care-Managing Nighttime Breastfeeding in Young Infants. Breastfeed Med. 2023 Mar;18(3):159-168.

 

【文責】早田茉莉 川口市立医療センター新生児集中治療科 (新生児科医・IBCLC)

【ピアレビューアー】
石黒利佳 千葉市立海浜病院新生児科 
新藤潤 東京都立小児総合医療センター新生児科 

【完成年月日】2024年11月16日

【免責】この情報は医療従事者と話し合うための一般的な手引きです。各々のご家庭や状況に応じて使用してください。