===== 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)情報 =====
2020年7月28日改定


米国小児科学会:
COVID-19が疑われるあるいは確定した母親の取り扱いに関するFAQ 2020年7月22日改定
AAP: FAQs: Management of Infants Born to Mothers with Suspected or Confirmed COVID-19
https://services.aap.org/en/pages/2019-novel-coronavirus-covid-19-infections/faqs-management-of-infants-born-to-covid-19-mothers/

現在知られている限定的な根拠に基づき、以下の「よくある質問」は、COVID-19が確認された、または、疑われる母親から生まれた新生児の管理に関する初期のガイダンスを提供する。

このアップデートで何が新しくなったのか?
最初のAAP新生児ガイダンスは2020年4月2日に出された。それは、世界的なパンデミックの始まったころで、SARS-CoV-2が非常に伝染性であり、感染した人が重篤になる率や死亡率が高くなる可能性が明らかになったときであった。それ以来、公開されたエビデンスおよび「周産期COVID-19感染のサーベイランスと疫学のための国内登録」に提供されたデータにより、周産期疾患のリスクについて、さらなる情報がわかってきた。
このアップデートでは、病院職員向けの感染防止対策に関するガイダンスはほとんど変わっていない。 現在のエビデンスの理解に基づいて、感染している母親とその児の分娩施設入院中の管理に関するガイダンスと、NICUの面会に関するガイダンスを更新した。新生児の管理については、さらなるエビデンスが得られるにつれて、このガイダンスに改定が加えられることを期待している。

(以下一部を翻訳)
母親と状態のよい新生児は同室できるか?

最初のAAPガイダンスでは、新生児が感染するのを防ぐための最も安全な手段として、感染した母親から新生児を一時的に隔離することを推奨した。周産期および出産後の新生児感染のリスクが不明だったため、この慎重なガイダンスが提供された。パンデミックの初期には、入手可能な唯一のデータは中国からのものであり、中国では普遍的なアプローチは感染した母親からすべての新生児を即座に分離して、14日間隔離することだった。
SARS-CoV-2の検査で陽性となった母親から生まれた新生児に関する数ヶ月にわたる国内および国際的な経験の後、SARS-CoV-2感染の直接的な結果として、出生時の分娩施設入院中に死亡した新生児の報告はなかった。周産期COVID-19の国内登録にある1,500を超える母子の中で、新生児がSARS-CoV-2のPCR検査で陽性となる割合は、母親から分離されている新生児と、感染予防対策を行いつつ母親と同室している新生児で同じであった。
今では家族に対して、母親の感染性呼吸器分泌物から新生児を保護するための予防策を講じれば、分娩施設入院中に新生児が感染するリスクは低いことを示唆する証拠があると知らせることができる。このリスクは、感染防止対策を実施しながら母親と新生児が同室する場合、新生児と母親とが同じ部屋にいて、物理的に距離を取る場合と比べて、大きくないと思われる。
COVID-19で重症の母親は、安全な方法で新生児のケアができない場合がある。そのような場合には、母親と新生児を一時的に分離するか、または母親の部屋で感染していない養育者が新生児のケアをすることが適切かもしれない。
現在、COVID-19が確認されているか疑われる母親とその新生児のケアについて、次のことを推奨する。
  • 母親と新生児は、施設の通常の実践に従って同室することができる。
  • 分娩施設入院中には、母親は可能な限り新生児から適切な距離を保つ必要がある。母親が新生児に触れるケアを行う場合には、マスクを着用して手指衛生を行う必要がある。閉鎖式保育器を使用すれば距離を置くことができ、児を呼吸器の飛沫から保護する手段を講じることができる。閉鎖式保育器を使用する場合は、新生児の転落を防ぐために保育器の窓を正しくロックするよう注意する必要がある。
  • 医療従事者は、健康な新生児をケアする場合は、ガウン、手袋、サージカルマスク、および眼の保護具(フェイスシールドまたはゴーグル)を使用する必要がある。このケアがCOVID-19の母親がいる部屋で行われる場合、医療従事者は、可能ならば、サージカルマスクの代わりにN95マスクを使用することを選択できる。
  • 分娩施設入院中、感染していないパートナーや他の家族がいる場合は、新生児に触れるケアを行う場合には、マスクと手指衛生を行う必要がある。
新生児に直接授乳することはできるか?

AAPは、乳児栄養の最も優れた選択肢として母乳育児を強く支援している。いくつかの発表された研究では、母乳からSARS-CoV-2の核酸が検出されている。生存能力のある感染性ウイルスが母乳に分泌されるかどうかはまだわかっておらず、防御抗体が母乳にあるかどうかもまだ確定的ではない。これらの不確実性を考えても、現時点では直接授乳は禁忌ではない。
  • 母親は直接授乳前に手指衛生を行い、授乳中はマスクを着用する必要がある。
  • 感染した母親が新生児に直接授乳しないことを選択した場合、適切な手指衛生後に搾乳し、これを感染していない他の養育者が新生児に与えることができる。
NICUに入院中の児の母親は、自分自身の感染状態によってNICUへの出入りが禁止されている場合でも、いつでも子どものために搾乳できる。施設は、母親がNICUに入ることができるようになるまでは、母親からこの母乳を受け取るように手配する必要がある。

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米国産婦人科学会:
妊娠中の女性と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する一般的な情報 2020年7月1日改定
ACOG: General Information Regarding Pregnant Individuals and COVID-19
https://www.acog.org/clinical/clinical-guidance/practice-advisory/articles/2020/03/novel-coronavirus-2019
(実践的勧告:新型コロナウイルス感染症の改訂版、部分訳)

母子の滞在場所
COVID-19が疑われるか確定した母親と新生児を母子分離するかどうかは、難しい課題である。 いくつかの機関は、母親がCOVID−19が疑わしいか確認されていても、予防措置を徹底した上で、母子を一緒にすることを許可すると勧告している。それらの機関は、母親と新生児を一緒にしておくこと、母乳育児、肌と肌との触れ合いに関するよく知られた利点を強調している。 (WHO, SOGC, Canadian Paediatric Society, RCOG, Royal Australian and New Zealand College of Obstetricians and Gynaecologists). しかしながら、CDCとAAPは、COVID−19が疑わしいか、確認された母親から新生児を一時的に隔離することを強く推奨している。(CDC).こちらは、稀ではあるが、新生児重症COVID-19感染症のリスクの重大さを強調している。

この問題についての限られたエビデンスを考慮した上で、COVID-19に感染しているか疑わしい患者と新生児を出産後一緒にするか母子分離するかは、ケースバイケースで、患者と医療チームがよく話し合った上で協働意思決定(シェアード・ディシジョン・メイキング)するべきである。カウンセリングの過程で、母親と新生児が一緒にいることの利点や、よくあることではないにしろ潜在的に重症感染のリスクがあることなどの、リスクと利点を話し合うことなどが重要である。入院中の母子分離は、一時的に新生児への感染リスクを下げるかもしれないが、母親の不当なストレスや母乳育児の中断のみならず、その他のリスクとも関連する可能性がある。加えて、取りうる感染管理の方策と滞在場所の選択肢(入院中や退院後の状況の両方で実現可能であるかなど)も議論されるべきである。

滞在場所に関する選択肢の例
Co-isolation(同室内隔離)もしくは母子同室
この状況は母親の希望や施設の空間的制限により避けられない場合に起こる。この方法が取られる場合、以下のような感染リスクを最小限にするための安全方策safety measures to minimize the risk of transmissionを用いる。
  • 母親は、新生児との全ての接触においてマスクや顔を覆う布を用い、手指衛生hand hygieneを行う。マスクや顔を覆う布は新生児や2歳未満の幼児には用いない。
  • 物理的な障壁(児を温度管理された閉鎖式保育器に収容するなど)といった工学的な管理を利用し、新生児をできるだけ頻繁に6フィート(訳注:約1.8m)以上離す。
一時的な母子分離(部屋を分ける)
一時的な母子分離の決定は母親の希望に沿って行われるべきである。
追加の検討事項
  • 母親と新生児の臨床的な状況
    • 児に重症化のリスクがある場合(早産や医学的合併症など)や母親が重症である場合は母子分離が必要となる可能性がある
  • 保健医療施設での検査、スタッフ配置、空間、PPE(個人防御具)の利用可能状況
  • 新生児の検査結果
    • 新生児の検査結果がSARS-CoV-2陽性であったなら、母子分離は不要である
  • 妊娠中の女性の自宅の状況および退院後に物理的距離を取ることと衛生を守ることができるかどうか。
一時的な母子分離がなされ、母親に母乳育児の希望があれば、母乳分泌の確立と維持のために搾乳の支援と奨励を行う。可能であれば、専用の搾乳器を提供する。

母乳による乳児栄養
母乳は多くの疾病に対する防御因子を提供し、母乳育児の禁忌はほとんどない。(Committee Opinion 756, CDC's Pregnancy and Breastfeeding). COVID-19が母乳を通して感染するかどうか、あるいは、ウイルスの破片が移行した場合感染性があるのかはわかっていない。最近の症例報告でSARS-CoV-2 RNAが母乳中に検出されたが(Lancet Groß 2020)、その報告の主要なデータでは、母乳中のSARS-CoV-2のウイルスの存在は示されていない。つまり、COVID-19感染が疑わしいか確認された母親は、現時点では、母乳を児に与えることが禁忌であるとはみなされない。

しかしながら、COVID-19が疑わしいか確認された母親は、直接授乳中など児と密接に接触する間に飛沫を通じてウイルスを感染させる可能性がある。このため、産婦人科医や母親に関わる他の医師は、母乳で子どもを育てる希望があるCOVID-19が疑わしいか確認された母親に以下のように感染リスクを最低限にする方法をカウンセリングする。
  • 搾乳には手動や電動の搾乳器を用いる。搾乳器や部品に触れる前の適切な手指衛生の重要性と、使用毎に搾乳器の適切な洗浄に関する勧告に従うこと。可能であれば、COVID-19の感染が疑わしくも確認されてもいない健康な人に搾母乳を児に与えてもらうことを考慮する。加えて、施設が専用の搾乳器を貸与できるかどうかを話し合う。
  • 安全に直接授乳する方法。児への直接授乳を希望するCOVID-19が疑わしいか確認された母親は、ウイルスの児への感染を避けるため、直接授乳中、手指衛生、マスクか顔を覆う布などの可能な限りの予防措置を全て行う。
COVID-19パンデミック下においても、産婦人科医や母親に関わる他の医師はそれぞれの女性の、母乳育児を始めるかどうか続けるかどうかに対する、情報を与えられた上での決定を支援し、その女性が、栄養法が母乳だけか、混合か、人工乳かのどれが自分と自分の子どもに最適かを決定する資格のある唯一の人間であることを認識する必要がある。(Committee Opinion 756).

米国産婦人科学会はこのトピックにおける新たな文献の検討を続けている。

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CDC:
妊娠と母乳育児―妊娠中、母乳育児中、小さいお子さんを育児中の方へ
自分自身と家族を新型コロナウイルス感染症から守るために 2020年6月25日
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/pregnancy-breastfeeding.html

(母乳育児の部分を紹介)
新型コロナウイルス感染症が疑わしい、もしくは確認されたお母さんから生まれた新生児への対応

新型コロナウイルス感染症の新生児に対するリスクについては、未だ多くのことがわからないままです。
  • 新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスに感染している人と密接に接触すると、新生児はこのウイルスに感染します。
  • 出生直後にこのウイルスの検査が陽性となった赤ちゃんがいますが、感染したのが、生まれる前か、分娩中か、出生後かはわかっていません。
  • 新型コロナウイルスの検査陽性となった新生児のほとんどは、症状が軽いか、無症状で、完全に回復しています。しかし、新生児で重症になった例も少数報告されています。
  • 早産や妊娠・分娩中の異常といった感染症以外の問題が、新型コロナウイルス検査陽性のお母さんから生まれた赤ちゃんで、少数報告されています。これらの問題がこのウイルスに関連しているかどうかはわかりません。
出産後入院中の健康な正期産新生児の理想的な居場所は母親の部屋だということをCDCは認識しています。新型コロナウイルス感染症が疑わしいか確認された母親から、新生児を一時的に分離することを、新生児にこのウイルスが感染するリスクを減らすために考慮しましょう。一時的な母子分離のリスクと利点を医療チームとお母さんで話し合いましょう。一時的な母子分離の決定はお母さんの意思を尊重して行いましょう。ウイルスが感染するリスクを下げるためにお母さんが一時的な母子分離を選択し、母乳育児を希望した場合、搾乳し、可能ならば新型コロナウイルス感染症の重症化のハイリスクhigh-risk for severe illnessでない健康な人に哺乳びんで与えてもらいましょう。

新型コロナウイルス感染症が疑わしいか確認されたお母さんが、病院内での一時的な母子分離を選択しなかった場合、新生児にこのウイルスが感染しないよう、手洗いや新生児から6フィート(訳注:約1.8m)以内にいる時には布マスクをするどの予防措置を講じる必要があります。新生児はお母さんから6フィート(約1.8m)以上離し、できるだけ物理的な障壁(例えば新生児を保育器に入れる)などを行いましょう。

お母さんが病院から退院するが、隔離中止の基準criteria to discontinue isolationに満たない場合、このウイルスに感染するリスクを下げるため、健康な養育者が確保できるなら自宅でも母子分離を続ける選択もあり得ます。健康な養育者が見つからない場合、十分元気で、予防措置(例えば、手洗い、布マスクなど)を行えば、新型コロナウイルス感染症のお母さんは、自分の赤ちゃんの世話をすることができます。

新生児期の母子分離によって、新しくお母さんになった人の中には母乳育児を始めたり続けたりするのが難しくなる人がいるかもしれません。手による頻繁な搾乳や器械(理想的には病院基準の搾乳器)による搾乳は、一時的な母子分離の間、母乳の産生を確立する上で必要です。特に最初の数日間、2−3時間毎(24時間に少なくとも8−10回、夜間も含む)の搾乳は乳汁産生への合図となり、乳管閉塞や乳房への感染を防ぎます。出産後病院では乳汁産生が確立できなかったり、一時的に母乳育児を中断しなくてはならなかったお母さんは、技能を備えた母乳育児支援者に援助してもらうことにより、母乳復帰(リラクテーション)ができるかもしれません。母乳復帰についての追加情報はこちらrelactation へ。

新型コロナウイルス感染症と母乳育児

母乳育児を選んだお母さんへ
  • 母乳は多くの病気に対する予防効果があり、ほとんどの赤ちゃんへの最良の栄養です。詳しくはmore about breastfeedingへ。
  • あなたが、家族や主治医と一緒に、母乳育児を始めるかどうか、どのように始めるか、あるいは、どのように続けるかどうかを決めます。
  • 新型コロナウイルス感染症のお母さんが母乳を通じて赤ちゃんにウイルスを感染させるかはよくわかっておらず、限られたデータではありますが、起こりそうもないと示唆しています。
  • 新型コロナウイルスに感染していて直接授乳を選んだ場合、
    o 直接授乳中は布マスクをつけて、授乳の前には毎回少なくとも20秒石鹸と水で手を洗いましょう。
  • 新型コロナウイルスに感染していて、搾乳を選んだ場合
    • 専用の搾乳器を使う(共用しない)。
    • 搾乳中は布マスクをつけ、搾乳器やボトルの部品に触れる前や搾乳前には少なくとも20秒石鹸と水で手を洗う。 wash your hands
    • 毎回使用後には「搾乳器の適切な洗浄についての勧告」recommendations for proper pump cleaningにしたがって、母乳に接触した部品全てを洗浄する。
    • 可能ならば、新型コロナウイルスに感染しておらず、新型コロナウイルス感染症のハイリスクでないhigh-risk for severe illness 同居人に、搾母乳を赤ちゃんに与えてもらう。
  • 病院外では、親や他の養育者は Discontinuation of Isolation for Persons with COVID-19に書かれている勧告に従う。

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WHO:
母乳育児とCOVID-19 科学的要約 2020年6月23日
Breastfeeding and COVID-19  Scientific Brief
https://www.who.int/news-room/commentaries/detail/breastfeeding-and-covid-19
(全訳)

前書き
母乳育児は、乳幼児の生存、栄養、発達、母体の健康の要である。WHO(世界保健機関)は、生後6か月間は母乳だけで育てることを推奨し、その後適切な補完食と共に、2年かそれ以上、母乳育児を続けることを推奨している。肌と肌の触れあい、母子同室、カンガルーマザーケアは新生児の生存率を大幅に改善し、罹患率を低減し、WHOから推奨されている。
しかし、COVID-19の母親が母乳育児することによってSARS-CoV-2ウイルスを乳児や幼児に感染させうるかどうかについての懸念が提起されている。母子の触れあいと母乳育児に関する推奨は、乳児へのCOVID-19感染の潜在的なリスクだけでなく、母乳育児を行わないことによる罹患率と死亡率、乳児用人工乳の不適切な使用、肌と肌との触れ合いによる保護効果などのリスクを十分に考慮しなければならない。この科学的要約では、COVID-19の母親から子どもに母乳育児によって感染するリスクに関する今までのエビデンスと、母乳育児しないことによる子どもの健康へのリスクに関するエビデンスを検討する。

WHOの推奨
WHOは、COVID-19の疑いがあるか確認されている母親に、母乳育児を開始する、または継続するよう奨励することを推奨している。母親には、母乳育児の利点が感染の潜在的なリスクを大幅に上回ることを助言する必要がある
母親と子どもは、COVID-19の疑いがあるか確認されているかどうかにかかわらず、昼夜を問わず同室して一緒に過ごすことができ、カンガルーマザーケアを含む肌と肌の触れあいを実践することができるようにするべきである。

方法
コクランハンドブックの「介入に関する系統的レビュー」の手順に従って、2020年5月15日までに検索した研究に対して現時点での系統的レビューを行った。対象はCOVID-19の疑いのあるまたは確認された母親とその乳児もしくは幼児を含む研究と特定されたものである5。検索は、Cochrane Library、EMBASE(OVID)、PubMed(MEDLINE)、Web of Science Core Collection(Clarivate Analytics)、およびWHO Global Databaseで行われた。合計12,198件の記録が得られ、重複を削除した後、6945件がスクリーニングされ、その中で、母親がCOVID-19で、母子の記録が本文中に含まれていたものは153件であった

結果
計46組の母子で、母乳中のCOVID-19について検査されていた。すべての母親はCOVID-19で、13名の子どもがCOVID-19陽性であった。43名の母親の母乳はCOVID-19ウイルス陰性で、3名の母親の母乳はRT-PCRによりウイルス粒子が陽性であった。生のウイルスではなくウイルスRNA粒子について母乳が陽性と判定された母親3名の子どものうちの1名は、COVID-19陽性と判定されたが、栄養方法については報告されていない。他の2名の子どもはCOVID-19検査は陰性であった。1名は母乳で育てられ、もう1名の新生児はウイルスRNA粒子が検出されなくなった後で搾母乳を与えられた。COVID-19だった1名の子どもに関して、子どもが感染した経路または感染源、すなわち母乳からなのか感染した母親との密接な接触による飛沫感染なのかは不明である。
1つの出版前論文が、COVID-19の母親からの15検体の母乳のうち12でCOVID-19ウイルスに対する分泌型免疫グロブリンA(sIgA)免疫反応が見つかったと報告した。この結果の、子どもへの影響、期間、COVID-19の予防効果に関する意義については言及されていない。

限界
これまでのところ、授乳方法とCOVID-19感染に関するデータを用いた母子の研究は、症例報告、症例シリーズ、または家族のクラスターの報告に基づいている。コホート研究やケースコントロール研究などの他の研究デザインを含めることが望ましいが、見つからなかった。したがって、授乳方法に基づいて感染のリスクを評価し比較することはできない。
母乳にウイルス粒子が存在した母親3名の子どものうちの1名はCOVID-19だったが、感染経路や感染源については、すなわち母乳を通してなのか、母親もしくは他の感染者との密接な接触によるものなのかについては不明であった。RT-PCRは、母乳などの検体中にあるウイルスの遺伝物質を検出して増幅するが、ウイルスの生存能力や感染力に関する情報を提供するものではない。母乳中の細胞培養で複製可能なCOVID-19ウイルスが存在することの報告や、動物実験での感染性の実証が、母乳から感染する可能性があると見なすために必要である。
母乳中のIgAの存在は、母乳育児が子どもを感染や死から守る方法の1つである。COVID-19ウイルスに対するIgA抗体は、以前COVID-19に感染した母親の母乳に検出されたことがあるが、その程度と分泌期間は、授乳中の子どもをCOVID-19から守ると言うにはまだ十分に研究されていない。

考案
母乳中のCOVID-19ウイルスRNAの検出は、生存能力のある感染性ウイルスを見つけることと同じではない。COVID-19の伝播には、複製可能な感染性のあるウイルスが子どもの標的部位に到達でき、子どもの防御システムに打ち勝つ必要がある。将来、母乳からのCOVID-19ウイルスが細胞培養で複製可能であることが示されたとしても、COVID-19の感染が発生するためには、子どもの標的部位に到達し、子どもの防御システムに打ち勝つ必要があるだろう。
感染リスクという意味合いは、授乳中の母親におけるCOVID-19の有病率や、感染した場合の子どもにおけるCOVID-19の範囲と重症度という観点と、分離して母乳代用品を使用することの不利な影響、新生児や幼児を母親から分離することの不利な影響と比較して組み立てられる必要がある
小児ではCOVID-19のリスクが低いようである。小児のCOVID-19が確認された症例は、経験上ほとんどが軽症または無症候性であった7.8。これは、他の人畜共通感染コロナウイルス(SARS-CoVおよびMERS-CoV)の場合にも当てはまり、小児では成人に比べて罹患が少なく、症状が少なく、重症になることも少ないようである
分泌型IgAは、以前にCOVID-19に感染した母親の母乳中に検出されている。COVID-19に対するsIgAの程度と分泌期間はまだ解明されていないが、Lars A Hansonが1961年に母乳中のsIgAを最初に記載10-12して以来、感染からの防御だけでなく、子どもの神経認知と免疫学的発達を向上させる複数の生理活性成分が母乳で確認されている。
肌と肌の触れあいやカンガルーマザーケアは、母乳育児、体温調節、血糖コントロール、母子の愛着を促進し、低出生体重児の死亡率と重症感染のリスクを減らす13、14。新生児期を過ぎても、母親と子どもが抱き合うことの肯定的な効果として、睡眠パターンの改善、子どもの問題行動の発生率の低下、親との質の高い相互作用があげられている15、16
母乳だけで育てられている乳児に比べて、母乳育児されていない乳児の死亡リスクは14倍高くなる17。0〜23か月のすべての子どもが母乳で最適に育てられていれば、毎年82万人以上の5歳未満の子どもたちの命が救われる可能性がある。母親については、母乳育児は乳がんを予防するし、卵巣がんと2型糖尿病を予防できるかもしれない18。一方で、子どもはCOVID-19のリスクが低いのである。

知識のギャップ
ウイルスが母乳を介して伝播するかどうかはまだ明らかではない。授乳方法による感染のリスクは、母乳育児や母子相互作用の育成という利点に対して定量化、比較化、またはモデル化されていない。

結論
現在のところ、母乳育児によるCOVID-19の垂直感染を裏付けるデータは不十分である。乳児ではCOVID-19感染のリスクは低く、通常は軽症または無症候性であるが、母乳育児を行わないことや母子分離がもたらす影響は重大なものになる可能性がある。この点において、乳児や小児のCOVID-19は、母乳育児が防御している他の感染症に比べて、生存と健康に対する脅威は大幅に低いようである。感染症を予防し、健康と発達を促進するための母乳育児と母子相互作用の育成の利点は、保健サービスなど地域におけるサービス自体が混乱したり制限されている場合には特に重要である。COVID-19が疑われる、または確認された母親とその新生児および幼児の間の接触感染を防ぐためには、感染予防および制御手段の遵守が不可欠である。
利用可能なエビデンスに基づいて、乳児および幼児の母乳育児の開始と継続に関するWHOの推奨は、COVID-19が疑われるか確認された母親にも適用される。

文献
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  2. World Health Organization. Guideline: protecting, promoting and supporting breastfeeding in facilities providing maternity and newborn services. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2017.
  3. World Health Organization. WHO recommendations on interventions to improve preterm birth outcomes. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2015.
  4. World Health Organization. Clinical management of COVID-19: Interim guidance (27 May 2020). Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2020.
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  6. Fox A, Marino J, Amanat F, Krammer F, Hahn-Holbrook J, Zolla-Pazner S, Powell RL. Evidence of a significant secretory-IgA-dominant SARS-CoV-2 immune response in human milk following recovery from COVID-19. medRxiv preprint doi: https://doi.org/10.1101/2020.05.04.20089995.
  7. Wu Z, McGoogan JM. Characteristics of and Important Lessons from the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Outbreak in China: Summary of a Report of 72 314 Cases From the Chinese Center for .Disease Control and Prevention. JAMA. Published online February 24, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2648
  8. Zimmermann P, Curtis N. COVID-19 in Children, Pregnancy and Neonates, The Pediatric Infectious Disease Journal: June 2020 - Volume 39 - Issue 6 - p 469-477 doi: 10.1097/INF.0000000000002700.
  9. Zimmermann P, Curtis N. Coronavirus Infections in Children Including COVID-19: An Overview of the Epidemiology, Clinical Features, Diagnosis, Treatment and Prevention Options in Children. Pediatr Infect Dis J. 2020;39(5):355‐368. doi:10.1097/INF.0000000000002660.
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  14. Conde‐Agudelo A, Díaz‐Rossello JL. Kangaroo mother care to reduce morbidity and mortality in low birthweight infants. Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 8. Art. No.: CD002771. DOI: 10.1002/14651858.CD002771.pub4.
  15. Korja R, Latva R, Lehtonen L. The effects of preterm birth on mother-infant interaction and attachment during the infant's first two years. Acta Obstet Gynecol Scand. 2012;91(2):164-73.
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  17. Sankar, M.J., Sinha, B., Chowdhury, R., Bhandari, N., Taneja, S., Martines, J., Bahl, R., Optimal breastfeeding practices and infant and child mortality: a systematic review and meta-analysis, Acta Paediatric 2015;104:3–13.
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WHOは、この暫定ガイダンスに影響を与える可能性のある変更がないか、状況を注意深くモニタリングし続けます。何らかの要因が変化した場合、WHOはさらなる更新を行います。それ以外の場合、この科学的要約は発行日から2年で期限切れになります。

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日本産科婦人科学会他:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(医療者向け)第4版 2020年6月11日
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20200611_COVID-19.pdf
(分娩方法、母子の隔離、授乳の部分のみを紹介)
現時点で COVID-19 感染のみで帝王切開の適応にすべきとする根拠はありま せん.しかし,施設の感染対策に割くことができる医療資源,肺炎など妊婦さんの全身状態に鑑み,分娩管理時間の短縮を目的とした帝王切開を考慮してください。もちろん経腟分娩の方が早い場合もありますので妊婦さんと医療スタッ フの安心安全を第一にご判断ください。母乳にウイルスが含まれるという報告もありますので,新生児は完全な人工栄養とし,母児双方ともPCR でウイルスが陰性となるまで母体との接触は避けてください。感染が否定できない場合は個室でクベース収容を行ってください。児の管理は新生児科と十分な連携を取ってください。

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ユニセフ:COVID-19パンデミック下における安全な母乳育児―専門家による現指針に従って子どもに栄養を与える方法 2020年5月28日
UNICEF:Breastfeeding safely during the COVID-19 pandemic
How to nourish your child following the current expert guidance.
https://www.unicef.org/coronavirus/breastfeeding-safely-during-covid-19-pandemic

あなたが母親もしくは妊娠中なら、コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの流行下で赤ちゃんにとって何が一番安全なのか質問があるのはごく自然なことです。
母乳育児を支持する科学的根拠は非常にたくさんあります。赤ちゃんと肌と肌を触れ合い早期から母乳だけを与えることは、赤ちゃんの成長を助けます。このウイルスをきっかけに、そうしたことをやめる理由はありません。現在のところ、母乳を与えたり直接授乳をしたりすることによって、感染性のあるCOVID-19のウイルスが赤ちゃんに伝播して感染を起こした例は見つかっていません。
赤ちゃんを産もうとしているなら、安全に母乳を飲ませ、生まれたばかりの赤ちゃんと肌と肌をふれあい、赤ちゃんと同室で過ごせるよう支援されるべきでしょう。
産んだばかりの母親やこれから産む女性からよく受ける質問への回答を紹介しましょう。こうした情報はあなたが健康であってもCOVID-19の兆候や症状があったとしても、あなたと赤ちゃんがもっとも安全に過ごせる助けになることでしょう。

このパンデミックでも直接授乳をするべきでしょうか?

もちろんです。母乳はどこにいる赤ちゃんにも、健康を高め多くの感染症から守る抗体を与えます。母乳中の抗体と生理活性因子は、赤ちゃんがCOVID-19感染症にさらされた場合、COVID-19感染症と闘う可能性があります。
赤ちゃんが生後6カ月未満なら母乳だけをあげましょう。生後6か月を過ぎたら安全で健康的な補完食を与えながら母乳育児を続けましょう。
>> Read our feeding tips for 6 – 12 months old babies

COVID-19は母乳をとおして赤ちゃんにうつりますか?

研究者たちは母乳の検査を続けていますが、今のところ、母乳を与えたり直接授乳をしたりすることによって、感染性のあるCOVID-19のウイルスが赤ちゃんに伝播して感染を起こした例は見つかっていません。
生まれた赤ちゃんを肌と肌の触れあいをしましょう。赤ちゃんを傍におくことで、母乳育児を早期に始めることができ、新生児死亡率を下げます。タイミングがすべて、と言ってもいいほどで、産後1時間以内に母乳育児を始めることが推奨されています。
>> Watch our Mini Parenting Master Class on breastfeeding

COVID-19に感染しているか、またはその疑いがある場合でも直接授乳をするべきでしょうか。

はい。適切な衛生予防策をとって母乳育児を継続しましょう。授乳中は入手できればマスクをし、赤ちゃんに触れる前後に石鹸で手を洗うかアルコール手指消毒剤で手指衛生を行い、触った表面を毎回清潔にし消毒します。乳房は直前に咳をかけた場合だけ洗う必要があります。それ以外は毎回授乳前に乳房を洗う必要はありません。
>> How to best wash your hands to protect against COVID-19

直接授乳できないくらい具合が悪いときはどうしたらいいでしょうか?

直接授乳できないくらい具合が悪いなら、安全に母乳を飲ませる別の方法を見つけてみましょう。母乳をしぼって、清潔なコップかスプーンで飲ませてみましょう。あなたの住んでいる地域で手に入るようならドナー母乳の使用を考えることもできます。どのような選択肢があるのか、母乳育児カウンセラーや保健医療専門家に聞いてみましょう。
母乳をしぼることは、母乳産生を維持するためにも大切です。回復してからまた直接授乳を再開しやすくなります。COVID-19の診断が確定してからもしくは疑われてからどのくらい待てば直接授乳を再開できるのかは決まっていません。
しぼった母乳やドナー母乳の入手が難しければ、文化的に許容できる場合もらい乳(他の女性に直接授乳してもらうこと)を考えましょう。もしくは、適正に調乳でき安全ですぐに入手できるのであれば乳児用ミルクを使うことを考えましょう。

子どもが病気の場合は直接授乳をするべきでしょうか?

お子さんが病気になった場合、直接授乳を続けましょう。お子さんがCOVID-19に罹ったのであれ、別の病気であれ、母乳を飲ませ続けることが大切です。母乳育児は赤ちゃんの免疫システムを強化します。あなたの抗体が母乳を経由して赤ちゃんに移行し、赤ちゃんが感染症と闘うのを助けます。

直接授乳する場合、どのような衛生予防策をとったらいいでしょうか?

手洗いのガイドラインを守りましょう。赤ちゃんに触れる前後に石鹸と水で手を洗う必要があります。アルコール手指消毒剤を使ってもいいです。触った表面を毎回清潔にし消毒することも大切です。
搾乳器、保存容器、授乳用品は、いつものように毎回使った後に洗浄しましょう。
>> See our cleaning tips to keep your family safe during COVID-19
>> Read the latest coronavirus news for parents

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カナダ保健省:
妊娠、出産、赤ちゃんのケアについて:COVID-19流行中におけるお母さんへの助言 2020年5月25日
Public Health Agency of Canada: Pregnancy, childbirth and caring for newborns: Advice for mothers during COVID-19
https://www.canada.ca/en/public-health/services/publications/diseases-conditions/pregnancy-advise-mothers.html

赤ちゃんのケア

できれば、医学的に必要でない限り、あなたと赤ちゃんは家を出るべきではありません。赤ちゃんが生まれると、他の人からCOVID-19がうつるかもしれないので、感染の拡大を防ぐための対策を講じることが重要です。 COVID-19に感染している、または感染していると考えられる場合は、自宅内で自己隔離する必要があります。これには自宅内で他の人と物理的距離をとることが含まれますが、赤ちゃんがいるときは例外です。
あなたが望むなら肌と肌とを触れ合って赤ちゃんを抱くことも、赤ちゃんと同じ部屋にいることもできます。とりわけ母乳育児を確立する期間や絆を結ぶためならば。
あなたに症状がある場合(たとえ症状が軽度であっても)、赤ちゃんにウイルスが広がるのを避けるために可能な限りの予防策をとるべきです:
  • 頻繁に手を洗ってください。特に赤ちゃんや他の子どもに触れる前後に。
  • 適切な咳エチケットを実践してください。
  • 医療用でないマスク、もしくは顔を覆うもの(鼻と口を完全に隙間なく覆うようになっていて、紐または耳かけで頭に固定できるもの)を、赤ちゃんの側(2メートル以内)にいるとき、および特に授乳中には着用してください。
  • 周囲の環境を清潔にし、承認された硬表面消毒剤で消毒してください。
母乳育児には多くの健康上の利点があり、乳児期から小児期にかけて感染症や病気から最も多くの防護作用が得られるため、できれば母乳育児が推奨されます。COVID-19を引き起こすウイルスは母乳からは発見されていません。 母乳育児することで、赤ちゃんは重要な食の安全を受け取ることができます。
COVID-19に感染している、または感染していると考えられる場合は、赤ちゃんに授乳するときに上記の予防策をとってください。 さらに親は次のことも考慮する必要があります。
  • 授乳クッションを使用する場合は、赤ちゃんに授乳するたびに清潔なタオルを枕の上に置いてください。
  • 搾乳器を使用する場合は、使用の前後に注意深く器具を滅菌してください。使用後は毎回、液体石鹸(例えば食器用洗剤と温水)でポンプ/容器を洗ってください。熱湯で10〜15秒間すすぎます。
  • 哺乳びんや搾乳器を共有しないでください。
体調不良のため母乳育児ができない、または赤ちゃんの通常の世話ができない場合は、健康な大人に赤ちゃんの授乳と世話を依頼することをお勧めします。家の中にはCOVID-19ウイルスがいるので、赤ちゃんの世話をする人は、医療用ではないマスクまたは顔を覆うものを着用し、頻繁に手を洗う必要があります。

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WHO母乳育児とCOVID-19 医療従事者向けよくある質問2020年5月12日
WHO:FAQ:Breastfeeding and COVID-19 For health care workers
https://www.who.int/docs/default-source/maternal-health/faqs-breastfeeding-and-covid-19.pdf

序文

このFAQは2020年3月13日の「WHO暫定ガイダンス:COVID-19感染症が疑われる重症急性呼吸器感染(SARI)の臨床管理」を補完するものであり、
www.who.int/publications-detail/clinical-management-of-severe-acute-respiratory-infection-when-novel-coronavirus-(ncov)-infection-is-suspected(母乳育児の項の翻訳https://jalc-net.jp/covid19_jalc_contents.html#L8 )この勧告についての疑問に答えるものである。
この暫定ガイドラインとFAQは以下を反映している。
  1. COVID-19の経母乳感染のリスクに関する入手可能なエビデンス
  2. 母乳育児と肌と肌との触れ合いの感染予防効果
  3. 不適切に人工乳を使用する場合の有害な影響
このFAQはWHOの勧告である「Infant and Young Child Feeding and the Interagency Working Group Operational Guidance on Infant and Young Child Feeding in Emergencies」も参考としている。「方針決定のためにツリー」はこれらの勧告が、産科施設の医療従事者や地域で母親や家族への日々の職務の一環としてどのように実施されるかを示すものである。
www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-breastfeeding

1.COVID-19は母乳育児によって感染しますか?

感染力のあるCOVID-19のウイルスは、今のところ、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳中に1例も見つかっていません。したがって、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親から、COVID-19が直接授乳や搾母乳を与えることにより感染することはありそうにないことを、この事実は示しています。研究者はCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳の検査を続けています。

2.COVID-19が 流行している地域では、母親は授乳すべきですか?

はい。すべての社会経済的状況において、母乳育児は生存率を改善し、生涯における健康と発達のアドバンテージを新生児と乳児に与えます。母乳育児は母親の健康も改善します。それに対し、母乳や直接授乳を通じてのCOVID-19の感染は確認されていません。母乳育児をやめたり避けたりする理由はないのです。

3.母親がCOVID-19の感染が確認された/疑わしい場合であっても、出産後すぐに、赤ちゃんが母親と肌と肌との触れ合いをしたり、直接授乳をしたりするのを今まで通り行ってもいいですか?

はい。カンガルー・マザー・ケアも含めて肌と肌との触れ合いを出生直後から継続して実施することは、新生児の体温調整や他のいろいろな生理学的指標を改善し、新生児の死亡率を減少させます。新生児を母親の近くに寝かせることも、母乳育児の早期開始を可能にし、新生児の死亡率を減少させます。肌と肌との触れ合いと母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。

4.母親にCOVID-19の感染が確認された/疑わしい場合でも、母乳育児を続けるべきですか?

はい。母乳育児が、高所得国も含め新生児、乳児、小児の死亡率を減らし、すべての地理的経済的状況の下で生涯にわたる健康と発達を改善したことを、質の高いエビデンスが示しています。
COVID-19のウイルスが母乳や直接授乳を通じて感染した事例は確認されていません。子どもにCOVID-19の感染が確認された例はわずかで、ほとんどは軽症か無症状でした。
直接授乳中は、母親は、できればマスクをするなどの適切な衛生手段を講じ、COVID-19を含んだ飛沫が乳児に暴露する可能性を減らしましょう。

5.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が母乳育児をする時の衛生手段の勧告はどのようなものですか?

COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親は、
  • 石けんと水で頻繁に手を洗うか手指用アルコール含有消毒剤を使いましょう。特に赤ちゃんに触れる前にはそうしましょう。
  • 授乳中はマスクをしましょう。以下の点が重要です。
    - マスクが湿ったらすぐに取り換えましょう。
    - マスクはすぐに捨てましょう。
    - マスクの再利用はしないようにしましょう。
    - マスクの前面には触らないようにし、後ろから外しましょう。
  • くしゃみや咳はティッシュペーパーの中にして、すぐに捨てましょう。そして手指用アルコール含有消毒剤を使うか石けんと清潔な水でもう一度手を洗いましょう。
  • 定期的に表面をきれいにし、消毒しましょう。

6.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親がマスクを持っていない時でも、直接授乳すべきですか?

はい。母乳育児は疑いなく新生児と乳児の死亡率を減らし、乳児と子どもの生涯にわたる多大な健康と脳の発達にアドバンテージを与えます。COVID-19の症状を呈している母親はマスクをするよう助言されますが、たとえそれができなくても、母乳育児は続けられるべきです。感染症を予防する他の手段、例えば手を洗う、表面をきれいにする、ティッシュペーパーの中に咳やくしゃみをする、なども重要です。
手作りのマスクや布マスクなどは検証されていません。現時点では、これらの使用の可否については勧告することができません。

7.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親は、直接授乳の前や搾乳前に乳房を洗うことが必要ですか?

COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が自分の胸や乳房の上に直接咳をしてしまってすぐに授乳する場合は、授乳前に石けんとぬるま湯で少なくとも20秒やさしく洗いましょう。
直接授乳や搾乳の度毎に乳房を洗う必要はありません。

8.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が直接授乳できない場合、新生児や乳児のベストな栄養方法は何ですか?

新生児や幼い乳児への直接母乳のベストな代替手段は
  • 搾母乳
    - 搾乳に関しては、まずは手による搾乳を伝え、搾乳器によるものは必要な場合のみとしましょう。手と搾乳器は同じように効果的に搾乳できます。
    - 搾乳に際しどちらを選ぶかは、母親の好み、搾乳器などの手に入れやすさ、衛生環境、コストによります。
    - 搾乳は、母親が回復した後母乳育児ができるよう乳汁産生を維持するのにも重要です。
    - 母親や母親を手伝う人は、搾乳の前やポンプやボトルの部品を触る前に手を洗い、使用毎に適切にポンプを洗浄しましょう。(質問10参照)
    - 搾母乳は、できれば、清潔なカップやスプーン(清潔にしやすいため)を使い、病気の症状や兆候がなく赤ちゃんが安心できる人に与えてもらいましょう。新生児や乳児に搾母乳を与える前には、母親や養育者は手を洗いましょう。
  • 母乳バンクの母乳
    - -母親が搾乳できず、母乳バンクから乳汁が手に入るなら、母親が回復するまで母乳バンクの母乳を赤ちゃんに与えることができます。
  • 搾母乳も母乳バンクの母乳も不可能だったり手に入らなかったりした場合は、以下を考慮しましょう。
    - もらい乳(母親以外の女性にによる直接授乳)(質問11参照)
    - 入手可能で、適切に準備することができ、安全で持続可能な場合、人工乳
9.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の搾母乳を与えることは安全ですか?

はい。感染力のあるCOVID-19のウイルスは、今のところ、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳からは1例も検出されていません。COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳を与えることで、ウイルスが感染することはなさそうです。

10.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が自分の赤ちゃんのために搾乳する場合、搾乳器、母乳の保存容器、授乳の用具の取り扱いに追加することはありますか?

COVID19が考慮されなくても、搾乳器、母乳の保存容器、授乳の用具は、毎回の使用後、適切に清潔にしなければなりません。
  • ポンプや容器は毎回の使用後、液体石けん、例えば食器用洗剤と、ぬるま湯で洗います。湯で10-15秒すすぎます。
  • 食洗器を使う場合は、搾乳器の部品は食洗器の一番上の棚に置きます。使用前には取り扱い説明書を参照のこと。
11.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が直接授乳も搾乳もできない場合、もらい乳(母親以外の女性にによる直接授乳)が推奨できますか?

もらい乳(母親以外の女性にによる直接授乳)を選択肢にいれるかどうかは、家族や母親の受け入れ、国のガイドライン、文化的許容度、現実に乳母を頼むことができるか、母親と乳母に支援サービスがあるか、によります。
  • HIVが流行している地域では、乳母となる可能性のある人には、できれば、国のガイドラインに従ってHIVのカウンセリングと迅速な検査を行います。検査ができなければ、可能であれば、HIVのリスクアセスメントを行います。HIVのリスクアセスメントやカウンセリングができない場合、乳母を支援します。授乳の際に、HIV感染を避ける方法をカウンセリングします。
  • 乳母による授乳は、月齢の小さい乳児を優先します。
12.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の病気が重症であるか他の疾患があるために直接授乳が行えない場合、いつ直接授乳を再開できますか?

母親が直接授乳を再開するのは、自身が授乳できるだけ元気になったと感じた時です。COVID-19の感染が確認された/疑わしい状態から、どのくらい待たなければならないかの決まった期間はありません。母乳育児が母親のCOVID-19の臨床経過を変えるというエビデンスはありません。
母親が十分回復するために、全般的な健康と栄養に関する支援を受けられるようにしましょう。また、母乳育児の開始や母乳復帰(リラクテーション)に関しての支援も受けられるようにしましょう。

13.COVID-19の検査結果によって、乳幼児の栄養の勧告は変わりますか?

COVID-19の検査が、乳幼児の栄養における決定にすぐに影響するわけではありません。
しかしながら、COVID-19の確認は、適切で推奨された衛生手段を、感染の可能性のある期間、例えば症状がある間や、症状が始まってから14日間かそれ以上、母親が講じなければいけないことを意味します。

14.COVID-19の感染が確認された/疑わしい授乳中の母親に対し、人工乳の「補足」は勧められますか?

いいえ。COVID-19の感染が確認された/疑わしい授乳中の母親に人工乳の「補足」を伝える必要はありません。「補足」を行うと、母親の乳汁産生量を減らします。授乳中の母親はが、適正な乳汁産生を保証するため、最適な授乳姿勢や吸着に関するカウンセリングや支援を受けられるようにしましょう。赤ちゃんの気持ちに応える授乳や母乳不足感について、また、赤ちゃんの空腹や授乳のサインに応えて授乳回数を増やす方法について、母親が相談できるようにしましょう。

15.授乳したいがCOVID-19を児に感染させるのは怖いという母親に伝えるポイントは何でしょうか?

カウンセリングの一部として、母親や家族のCOVID-19に関する不安について認め、以下のように対応しましょう。
  1. 母乳育児と肌と肌の触れ合いは新生児と乳児の死亡のリスクを有意に減らし、現在のまた生涯にわたる健康と発達に有利であること。母乳育児はまた、母親の乳がんや卵巣がんのリスクを減らすこと。
  2. 新生児や乳児はCOVID-19の感染リスクが低いこと。乳幼児のCOVID-19の感染確認はわずかで、ほとんどは軽症か無症状であること。
  3. 母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ること。
  4. COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親からも、感染性のあるCOVID-19は母乳中には1例も検出されておらず、今のところウイルスが母乳を通じて感染する証拠はないこと。
16.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親には、人工乳のほうが児にとって安全ですか?

いいえ。すべての状況で、新生児や乳児に人工乳を与えることはいつもリスクを伴います。
家庭や地域の状況が危ういときには、人工乳を児に与えることに関連するリスクは増大します。
例えば
  赤ちゃんの健康状態が悪くなった時の医療保健サービスへのアクセスの低下

  清潔な水が手に入りにくくなる

  人工乳の供給が困難になる、供給が保証されなくなる、価格が高騰する、供給の持続が困難になる

  母乳育児の膨大な利点は、COVID-19ウイルスに関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。


17.WHOの母乳育児とCOVID-19に関する勧告は、どの期間に適応となりますか?

このCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳児のケアと栄養についての勧告は、母親が感染の可能性のある期間、例えば症状がある間や、症状が始まってから14日間かそれ以上に適応されます。

18.このCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親と乳児への勧告は、なぜ一般に向けのソーシャル・ディスタンスの勧告と異なるのですか?

成人や年長児がソーシャル・ディスタンスを維持するよう勧告されているのは、COVID-19に感染しているが無症状の人との接触を減らし、結果的にウイルス伝播を減らすためです。
この戦略は、COVID-19の総体的な罹患率を減らし、より重症となる成人の数を減らします。
COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳幼児へのケアと栄養に関するこの勧告の目的は、新生児や乳児の、現在のまた生涯にわたる健康と発達を改善することです。乳児にCOVID-19が起こる可能性や潜在的リスクと、母乳で育てられない場合や人工乳が不適切に用いられた場合の乳児の重症疾患や死亡のリスク、そしてまた、母乳育児や肌と肌との触れ合いの予防効果を、この勧告は考慮しています。
一般的に、小児はCOVID-19の低リスク群です。小児のCOVID-19の感染確認はわずかで、ほとんどは軽症か無症状でした。母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。

19.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳児のために人工乳の無償提供を保健医療施設が受け取っても問題ないでしょうか。

いいえ。人工乳の寄付は求めても受け取ってもいけません。必要であれば、必要量をアセスメントした上で物品を購入します。寄付された人工乳は、品質が様々で、月齢に合っていなかったり、必要量に対して多すぎたり少なすぎたり、外国語のラベルであったり、取り扱いについての必須の事項が守られていなかったり、無差別に配布されたり、必要とするところに届かなかったり、その場限りであったり、リスクを減らすのに余分な時間や資源を要したりすることがよくあります。

20.なぜWHOのCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親への母子接触や母乳育児の勧告は一部の国や専門家組織のものと異なるのですか?

母子接触や母乳育児に関するWHOの勧告は、COVID-19の乳児への感染リスクだけでなく、肌と肌との触れ合いや母乳育児の防御効果とともに、母乳育児をしないことや人工乳を不適切に用いることによる疾病罹患率や死亡率に対する重大なリスクをも十分考慮しています。
他の機関の勧告は肌と肌との触れ合いや母乳育児の重要性を十分考慮せず、COVID-19の感染の予防のみに焦点を当てている可能性があります。
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-breastfeeding

免責
この文書における、質問に対する回答はWHOの出版物やthe Interagency Working Group Operational Guidance on Infant and Young Child Feeding in Emergencies.に基づいています。WHOの暫定ガイダンスは、WHOの世界的な臨床医のネットワークと、SARS、MERS、重症インフルエンザ、COVID-19の患者を治療してきた臨床医により作成されました。
問い合わせは、件名を「COVID-19 clinical question」として、 outbreak@who.int まで。



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Global Breastfeeding Collective:
母乳育児とCOVID-19についての大切なメッセージ 2020年5月8日
Global Breastfeeding Collective: KEY ADVOCACY MESSAGES ON BREASTFEEDING AND COVID-19:
https://www.unicef.org/breastfeeding/files/Key-advocacy-messages-on-BF-and-COVID-19.pdf

すべての人に対するメッセージ
  • 母乳育児で命が助かります。研究によれば、母乳で育てる割合が高くなることで、毎年世界中で82万人以上の子どもの命を救うことができます。
  • 母乳はどこにいる赤ちゃんにも、健康を高め多くの感染症から守る抗体を与えます。母乳中の抗体と生理活性物質は、赤ちゃんがCOVID-19感染症にさらされた場合、COVID-19感染症と闘う可能性があります。
  • 感染性のあるコロナウイルスが母乳中に見つかったことはなく、経母乳感染は確認されていません。
  • COVID-19に罹った子どもは一般的に軽症です。子どもの症状は、発熱、鼻水、咳といった風邪のような症状が報告されています*。
  • 母親と触れ合い早期から母乳だけを与えることは、赤ちゃんの成長を助けます。母乳育児の比類のない利点は、感染の可能性のリスクを上回ります。
COVID-19の疑いもしくは確定した授乳中の母親へのメッセージ

  • 赤ちゃんと触れ合い早期から母乳だけを与えることは、赤ちゃんの成長を助けます。これから赤ちゃんを産もうとしているなら、安全に母乳を飲ませ、生まれたばかりの赤ちゃんと肌と肌をふれあい、赤ちゃんと同室で過ごせるよう支援されるべきでしょう。
  • 適切な衛生予防策をとって安全に直接授乳することができます。授乳中は咳エチケットを行い、入手できればマスクをし、赤ちゃんに触れる前後に手を洗い、触った表面を毎回清潔にし消毒します。
  • 直接授乳できないくらい具合が悪いなら、安全に母乳を飲ませる別の方法があります。搾母乳やあなたの住んでいる地域で手に入るようならドナー母乳を使います。どのような選択肢があるのか、母乳育児カウンセラーや保健医療専門家に聞いてみましょう。病気の間母乳分泌を保つことができなければ、回復してから母乳育児を再開することも可能かもしれません。
  • 母乳育児は子どもの免疫システムを強化します。母親の抗体が母乳を経由して子どもに移行し、子どもが感染症と闘うのを助けます。あなたの赤ちゃんや幼児がCOVID-19やそのほかの病気にかかったら、母乳育児を続けるべきでしょう。
* https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/children.html

保健医療従事者へのメッセージ
  • 母乳育児を支援するためのカウンセリングや技術的支援などの保健サービスは継続する必要があります。ソーシャルディスタンスが提唱され、保健医療従事者が手薄な状況では、必要に応じて遠隔支援(オンライン支援)の選択肢を考えましょう。
  • COVID-19が陽性かどうかにかかわらず、すべての母子が肌と肌の触れあい、カンガルーマザーケアをできるようにしましょう。とりわけ出産直後から母乳育児が確立するまでの期間、昼夜を問わず一緒にいて母子同室ができるように支援すべきです。
  • COVID-19陽性の女性は授乳中必要な衛生予防策を講じて母乳を飲ますように助言されるべきでしょう。授乳中は咳エチケットを行い、入手できればマスクをし、赤ちゃんに触れる前後に手を洗い、触った表面を毎回清潔にし消毒するべきです。
  • COVID-19陽性の女性が直接授乳できないくらい具合が悪いなら、安全に母乳を挙げ与える別の方法をとるように支援することができます。搾母乳や手に入るようならドナー母乳を使います。母乳育児を一時的に中止した場合は、回復してから母乳復帰支援をしましょう。
  • 乳児や幼児がCOVID-19感染症や他の病気の疑い、可能性、確定の場合、母親は母乳育児を継続するようカウンセリングを受けられるようにします。
  • 保健医療従事者は乳児用ミルクを使用する費用とリスクについて母親に知らせましょう。特に清潔な水が手に入らず衛生状態が悪い場合、下痢などの病気に罹るリスクが上がることを伝えましょう。
政府へのメッセージ
  • 政府は、母親もしくはその赤ちゃんがCOVID-19の疑い、あるいは可能性のある、もしくは確定されたかどうかににかかわらず、すべての母親が母乳で育てるための適切なリソースと情報を手に入れる保証をするという重要な役割があります。
  • 政府は、女性が望むだけ母乳を与え、正確で偏りのない情報を手に入れる権利を保証するべきです。それは、独立したモニタリング体制と罰則規定を持つ国内法制によって、「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」と世界保健総会の関連決議を履行し法制化することで実現します。
  • COVID-19のパンデミックにおいては、政府は家族を乳業会社から守るために特別の注意を払うべきです。乳業会社はパニックや伝染への恐怖を利用して、母乳代用品が安全であるという誤った主張をしたり、行き過ぎた営業活動を強化したりします。
  • 政府は母乳代用品や補完食や(哺乳びんなどの)授乳用品の寄付を求めたり受け取ったりするべきではありません。
  • 政府は、医療施設と保健医療専門家が最適な母乳育児カウンセリングと支援を母親、家族、乳児に提供できるように、保健医療専門家の研修にもっと投資をする必要があります。
  • 母乳バンクがある国では、パンデミック中でも機能できるように、政府が保証する必要があります。脆弱な赤ちゃんの命を救う母乳が得られるように、適切な衛生予防策を守って母乳の寄付が安全に行われるようにします。
(後略)

【訳注】 Global Breastfeeding Collectiveは以下の団体の集合体です。
1000 Days, Academy of Breastfeeding Medicine, Action Against Hunger, Alive and Thrive, Bill and Melinda Gates Foundation, CARE, Carolina Global Breastfeeding Institute, Center for Women’s Health and Wellness, Centers for Disease Control and Prevention, Concern Worldwide, Helen Keller International, International Baby Food Action Network, International Lactation Consultant Association, La Leche League International, New Partnership for Africa’s Development, Nutrition International, PATH, Save the Children, UNICEF, United States Agency for International Development, WHO, World Alliance for Breastfeeding Action, World Bank, and World Vision International

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ユニセフプレスリリース:
新型コロナ感染拡大の最中に生まれる赤ちゃん1億1,600万人に支援を 2020年5月7日
UNICEF:Pregnant mothers and babies born during COVID-19 pandemic threatened by strained health systems and disruptions in services
https://www.unicef.org/press-releases/pregnant-mothers-and-babies-born-during-covid-19-pandemic-threatened-strained-health

日本ユニセフ協会サイトに日本語で公開されています。
https://www.unicef.or.jp/news/2020/0112.html

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英国ユニセフ赤ちゃんにやさしい運動:
COVID-19アウトブレイク中における乳児の授乳についての声明 2020年5月14日改訂
UNICEF UK BABY FRIENDLY INITIATIVE:BABY FRIENDLY INITIATIVE STATEMENT ON INFANT FEEDING DURING THE COVID-19 OUTBREAK
https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/infant-feeding-during-the-covid-19-outbreak/

声明

この声明は、コロナウイルス(Covid-19)危機下における乳児栄養に関して最適な実践を支援することを目的としています。英国ユニセフ赤ちゃんにやさしい運動は、医療従事者が赤ちゃん、母親、家族のケアを継続できるように、一連の声明、ガイダンスシート、再教育の資料、リソース、およびよくある質問を作成しました。実践者は、私たちのウェブサイトをチェックして、最新バージョンの資料があること、そしてそれが世界保健機関(WHO)からの最新のアップデートに従っていることを確認することをお勧めします。

母乳育児

母乳育児は赤ちゃんが感染症を発症するリスクを減らすという豊富な証拠があります。ヒトの母乳には、免疫グロブリン、抗ウイルス因子、サイトカイン、白血球など、有害な病原体を破壊し、赤ちゃんの免疫システムを高める働きをする多数の生きた成分が含まれています。現時点では、Covid-19が母乳に移行するという証拠はありません。したがって、母乳と母乳育児が赤ちゃんに与える保護作用と、他の呼吸器感染症のウイルスが経母乳感染を起こすことはほとんどないことを考慮すると、母乳育児の推進、保護、支援を継続するためにできる限りのことをすることが極めて重要です。
母乳育児を容易にするためには、母親と赤ちゃんは可能な限り一緒に過ごし、肌と肌の触れ合いを持ち、赤ちゃんのサインに応じた授乳を行い、必要なときに継続的な支援を利用できるようにする必要があります。
混合栄養の場合は、できる限り多くの母乳を与えられるように支援され、希望するなら母乳のみの栄養に戻るような支援を受けられるように勧めることができます。母親が母乳育児をやめることを検討している場合は、Covid-19アウトブレイク中に母乳育児を継続することの価値について丁寧な話し合いをする価値があります。

人工栄養

親には、搾乳器や哺乳びんなどの洗浄および滅菌に関する現在のガイダンスを引き続き遵守するように勧めます。親には赤ちゃんのサインに応えて哺乳びんで授乳する方法を支援します。それにはpacing feed *や授乳する人の数を制限することも含まれます。(*訳注:赤ちゃんのペースに合わせて哺乳びんで授乳する方法)

Covid-19陽性で赤ちゃんを世話している親のための実用的な情報
親や養育者が感染している場合は、Covid-19の赤ちゃんへの感染を制限するための予防策を講じて下さい。

  • 赤ちゃんに触れる前後に手をよく洗う。
  • 触れたものの表面を定期的に洗って消毒する。
  • 搾乳器、哺乳びん、乳首などの乳児用授乳器具は、使用前後に清拭・洗浄する。
  • 授乳中に乳児に向けて咳やくしゃみをすることを避ける、マスクあるいは他の適切な代替品がある場合はそれを着用したりするなど、呼吸器衛生に努める。
  • 親は「赤ちゃんと一緒に眠ることとSIDS」「赤ちゃんの安全な睡眠**」を参照し、赤ちゃんと一緒に眠ってしまわないよう注意する。
    https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/baby-friendly-resources/sleep-and-night-time-resources/co-sleeping-and-sids/
    ** https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/new-resources-safer-sleep-week/
  • 母乳育児中のお母さんの体調が悪い場合には、直接授乳を継続するほうが搾乳するより簡単でストレスなくできるかもしれません。あるいは誰か健康な人が搾母乳を赤ちゃんに与える方がいいと思うかもしれません。
  • 体調が悪くて、直接授乳も搾乳もできない場合には、回復してから「母乳再開(母乳復帰)」できるよう支援することもできます。可能ならドナーミルクの使用も検討しましょう。
  • 乳児用調製乳または搾母乳をびんで哺乳している場合は、毎回の使用前に器具を熱いせっけん水で洗ってから滅菌してください。
乳児用調製乳へのアクセス

Covid-19流行中に、自己隔離している家族が乳児用調整乳を入手するのに苦労する可能性があり、一部の家族は財政状況が急速に悪化して、乳児用調整乳や赤ちゃん用の食事が購入できなくなっているという懸念があります。 また、在庫が少ないため、店の乳児用調整乳に親がいつでも入手できるとは限らないという懸念もあります。
現段階で、親はステージ1の 「最初の乳児用調整乳」は1歳未満の乳児に使用するように助言されるべきです。(訳注:英国では乳児用調整乳には大まかな月齢向きに複数の製品があります。以下は指定された月齢の製品が入手できない時の注意点として解説されています。日本では「フォローアップミルク」は生後9ヶ月以降の乳児に対する牛乳代替品で、乳児用調整乳ではありません)
  • 「最初の乳児用調整乳」のいつも使っている銘柄が手に入らなくても、すべての製品は法律に準拠して同じ栄養組成を含んでいるため、どの「最初の乳児用調整乳」も使用可能です。
  • 6か月未満の乳児は、ステージ2の「フォローアップミルク」は使用せず、「最初の乳児用調整乳」のみを使用するよう助言されるべきです。
  • 生後6か月以上の乳児で「フォローアップミルク」を使用しているが入手できない場合は、「最初の乳児用調整乳」を使用してください。
  • 「逆流防止ミルク」「コンフォートミルク」などの他のミルクを使用しているが入手できない場合は、「最初の乳児用調整乳」が使用できます。
  • 乳児用調整乳は、常に製造業者の使用方法に従って使ってください。赤ちゃんの健康を危険にさらす可能性があるため、乳児用調整乳を薄めて長く持たせるようなことしないでください。
Covid-19のアウトブレイクが始まって最初の数週間で、ユニバーサルクレジットを申請する家族の数が劇的に増加したという報告があります。 ユニバーサルクレジットを受け取った家族は、ヘルシースタートクーポンを利用できます(スコットランド、ウエールズなどの分離地域ではそれと同等のものがあります)。
家族がクーポンを請求できるようにサポートすると、乳児用調整乳を入手できるようになります。
継続的な供給が保証されるなら、公共サービスが、緊急事態や本当に必要な場合に、乳児用調整乳を配布することは許容されます。通常の乳児の授乳支援と安全保護ポリシーが適用されます。乳児用調整乳を製造または販売する企業が、乳児用調整乳や特定の医療用目的の乳児用食品として販売されている乳児用ミルクを、寄付したり安い価格で提供することは、法に反します。 緊急時でも乳児用調整乳や特定の医療用目的の乳児用食品を調達した場合、購入者が支払う必要があります。地方自治体では、その緊急食糧供給システムの一環として、母乳育児の保護と乳児用調整乳の配布のための明確な方針手順がなければなりません。 詳細については、コロナウイルス危機下での乳児栄養:地方自治体向けのガイドを参照してください。

側にいて慈しむ関係性ができるような支援
授乳方法にかかわらず、親や主な養育者との感情的な愛着に対する赤ちゃんのニーズを継続して考慮することは重要です。赤ちゃんの側にいて、食べ物、愛、快適さのニーズに対応することは、赤ちゃんの健康、幸せ、発達に不可欠です。さらに、これは出産後の母親の精神的な安定を向上させます。

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英国王立産婦人科学会、王立助産師会、小児保健学会、麻酔科学会:
妊娠中の新型コロナウイルス感染症 医療保健従事者のための情報 Ver 9 2020年5月13日
Royal College of Midwives, Royal College of Obstetricians and Gynaecologists, Royal College of Paeditirics and Child Health, Royal College of Anaesthetists.
Coronavirous (COVID-19) Infection in Pregnancy: Information for Health Care Professionals. Version 9. 2020.
https://www.rcog.org.uk/globalassets/documents/guidelines/2020-05-13-coronavirus-covid-19-infection-in-pregnancy.pdf
(3.8.1 Neonatal careと3.8.2 Infant feedingを翻訳)

新生児のケア

妊娠の第3三半期にCOVID-19検査で陽性だった女性の児のケアをどうするかについてのデータは限られている。中国からの文献では、感染した女性と児を14日間分離することが助言されてきた。しかし、感染予防を目的としたルチーンの母子分離の決定は簡単に下すべきではない。母子分離が母乳育児や愛着形成へ影響する可能性があるからである。今日までの限られた科学的知見から、感染した女性と健康な新生児は、新生児への特別な治療が必要でないかぎり、出産直後から一緒にいられるようにすることを私たちは勧める。

より感染しやすい可能性のある児に関しては、個人に合わせたケアをするために、新生児科医と家族も一緒にリスクと利点の話し合いをすることが推奨される。COVID-19陽性の母親から生まれた児はRCPCHガイダンスに沿ったケアを受けるべきである。
https://www.rcpch.ac.uk/resources/covid-19-guidance-paediatric-services

乳児栄養

ある系統的レビューにおいて、母乳中のCOVID-19が陰性であったという13症例が報告されたことは、安心材料である。しかしながら、症例数が少ないことを考慮すると、エビデンスの解釈には注意が必要である。直接授乳の主なリスクは母親と児の濃厚接触であり、感染性の飛沫をお互いに浴びる可能性が高いことである。
現時点でのエビデンスによって、母乳育児の利点は、母乳を介したウイルス感染の潜在的なリスクを上回るということを、われわれは助言する。これは、英国で広く実施されているユニセフの赤ちゃんにやさしい運動によって支持されている見解である。児を抱くことには感染の可能性がある母親との接触というリスクがあることも含め、栄養法の選択におけるリスクと利点を両親と話し合う。
児へのウイルス暴露を減らすため、以下の予防措置を行う。
  • だれか健康な人に児の授乳を依頼することを考慮する
  • 児や搾乳器のポンプやボトルを触る前に手を洗う
  • 授乳中に児に向けて咳やくしゃみをしない
  • 可能なら、授乳中や児のケアの間は耐水性の医療用マスクをつける。
  • 病院で搾乳するときは、専用の搾乳器を用いる
    ○搾乳器を使用するときは、毎回の使用後に勧告に従って洗浄する
  • 児に哺乳びんで人工乳や搾母乳を与える時は、滅菌のガイドライン勧告に厳密に従う。
    https://www.nhs.uk/conditions/pregnancy-and-baby/sterilising-bottles/

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日本小児科学会:
新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて 5月13日版
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

Q4.母乳はやめておいた方がいいですか?

A: 母親が感染している場合は、接触や咳を介して子どもに感染させるリスクがありますので、直接の授乳は避ける必要があります。母乳自体の安全性については現時点では明らかではありませんが、中国からの報告では、感染した女性26名の母乳を調べたところウイルスは検出されなかったとされています。従って、母親が解熱し状態が安定していれば、手洗い等を行った上で搾乳により母乳を与えることは可能と思われます。

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米国CDC:
母乳育児中の女性に対するケア(医療者向け)2020年5月5日改定
CDC: Care for Breastfeeding Women
Interim Guidance on Breastfeeding and Breast Milk Feeds in the Context of COVID-19
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/care-for-breastfeeding-women.html

COVID-19流行中の母乳育児と母乳栄養の暫定ガイダンス
COVID-19に関するガイダンスは、地域の状況が急激に変化するのに対応して、州や地域の保健担当部門により改変されることがある。

キーポイント

Ÿ
  • 母乳はほとんどの乳児にとって最良の栄養源である。COVID-19の母親が母乳を通じてこのウイルスを感染させるかどうかは不明であり、得られるデータは限られているが、感染源となる可能性は低いことが示唆される。
  • Ÿ母乳育児を開始するかどうか、またどのように開始するか、そして、母乳育児を継続するかどうか、またどのように継続するかということは、母親が、自分の家族と医療提供者と協力して決定する。
  • ŸCOVID-19が確認された母親は、このウイルスが児に感染しないようにするために、手指衛生や布で顔を覆うなどすべての可能な予防措置を行う。
この暫定ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における母乳育児中の母親と母乳栄養児のケアを行う医療提供者にむけたものである。この暫定ガイダンスは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2と他のウイルス性呼吸器病原体の伝播についての現在の知見に基づいている。CDCは、追加情報が得られた時点でこの暫定ガイダンスを更新する。出産直後の母乳育児については以下を参照のこと。
https://jalc-net.jp/covid19_jalc_contents.html#L15

SARS-CoV-2の経母乳感染

これらの考察は、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2とインフルエンザやSARSコロナウイルスといった他の重篤な呼吸器疾患の原因となるウイルスの感染についての現時点で入手可能な限定的なエビデンスに基づいている。
母乳はほとんどの乳児にとって最良の栄養源であり、多くの疾患に対する防御因子を提供する。母乳育児や搾母乳を与えることが推奨されないような事例 は稀である。COVID-19の母親が母乳を介してウイルスを感染させるかどうかは不明であるが、手に入る限られたデータでは、感染の可能性は低いと示唆されている。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/contraindications-to-breastfeeding.html
低温殺菌された母乳バンクからの母乳は早産児のケアにおいて重要である。現在のところSARS-CoV-2における低温殺菌の効果に関する情報は入手できていないが、類似のウイルスはこの処理で不活性化される。COVID-19パンデミックにおいて、母乳バンクへの母乳の提供が滞ることがあるかもしれない。病院で母乳バンクの母乳の入手が困難になった場合、使用可能な母乳は、母乳栄養の効果が最も高い早産児を優先する。

COVID-19流行下での母親への母乳育児のガイダンス

母乳育児を開始するかどうか、またどのように開始するか、そして、母乳育児を継続するかどうか、またどのように継続するかということは、母親が、自分の家族と医療提供者と協力して決定する。
COVID-19が、疑わしい、可能性が高い、もしくは確認された 母親は、児にこのウイルスを感染させないためにすべての予防措置を講じるよう**カンセリングを受ける。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/faq-surveillance.html
**https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/if-you-are-sick/index.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcoronavirus%2F2019-ncov%2Fhcp%2Fguidance-prevent-spread.html
母親が児に触れる前に、とりわけ手の汚れが目に見える場合は、石けんと水で手を洗う様に指示する。石けんと水が手に入らない場合、少なくとも60%のアルコールを含有した手指消毒剤を使う。加えて、直接授乳の時には母親は布で顔を覆う。搾乳器や手で搾乳する時、ポンプやボトルの部品に触る前に母親は上に示したように手を清潔にし、顔を布で覆う。母親に搾乳器の適切な洗浄・消毒方法の勧告を教える。可能であれば、COVID-19重症化のハイリスク** ではない健康な人に搾母乳を与えてもらうことを考慮する。
https://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/breastpump.html
**https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/people-at-higher-risk.html
医療従事者や初期対応者といったSARS-CoV-2暴露の潜在的なリスクの高い仕事に就いている母乳育児中の母親は、仕事中に搾乳することに追加の考慮が必要になる可能性がある。これらの母親はSARS-CoV-2感染のリスクがより高いという前提で、上に書かれているのと同じ勧告に従う必要がある。理想的には、雇用主は母乳育児中の被雇用者に搾乳のための、トイレではない個室を与える。妊娠中である、基礎疾患がある、もしくはCOVID-19重症化リスクのある人と同居している、医療従事者のための追加情報は、以下を参照。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/faq.html
SARS-CoV-2は表面に数時間から数日間存在するというエビデンスがある。勤務中に直接授乳したり搾乳したりする前に行う追加の予防手段について、母親と相談する場合、医療提供者は母親の個別の環境について話し合う(例:COVID-19が疑わしい、もしくは確認された人への暴露のレベル、個人防護具の入手しやすさと適正使用について、など)。現時点では、直接授乳や搾乳をする前に乳房を洗浄したり、搾母乳を入れる容器(哺乳びんや母乳バッグ)の外側を消毒するという手順が、SARS-CoV-2感染のリスクを減らすというエビデンスはない。母親は理論的に可能性のある暴露経路を最小限にするために、このような追加手順を考慮するかもしれない。職場の授乳室などの消毒に関する追加情報はこちらから。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/community/disinfecting-building-facility.html

COVID-19が確認された女性の母乳育児中の児
COVID-19が確認された母親の母乳育児中の児はCOVID-19疑いとみなされ、母の自宅隔離 の推奨期間とその後14日間、感染予防管理下に置かれる。同様のアプローチはCOVID-19が確認された別の人と濃厚接触した児にも適応される。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/disposition-in-home-patients.html
母親は、児がCOVID-19が確認された人とハイリスクのコンタクトをしたことを、児の主治医に伝えるように勧められる。

児の定期健診と授乳支援

医療提供者は乳児健診や生後24カ月までに受けるべき予防接種を可能ならば優先するように、勧められる。COVID-19の流行下での、母乳育児に関連する潜在的な課題、体重のチェックや黄疸の視診や検査によるアセスメントの必要性、ソーシャルディスタンスのストレスが存在するので、新生児のフォローアップ外来(訪問)が(遠隔ではなく)直接会って行われるためにできるだけの努力をするべきである。医療提供者は、地域のCOVID-19の疫学や実践環境の元で、患者、養育者、スタッフのSARS-CoV-2の暴露を最小限にする方法を考慮する。追加情報はこちらから https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/infection-control-recommendations.html 医療現場における感染予防と感染制御
遠隔医療(オンライン医療)といった代替手段も、母乳育児中の母子に対する授乳支援を提供する場合に考慮できる。COVID-19が疑わしいか確認された母や児を直接観察すべき授乳の支援者は、個人予防具(PPE)の使用法の勧告を含む、感染予防管理方法の勧告に従う。PPEが利用できない場合、授乳の支援者は自らもの感染暴露のリスクを減じ、母乳育児中の母子を安全にケアすることができるような代替手段を注意深く考慮する。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-hcf.html
Page last reviewed: May 5, 2020

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CDC:妊娠と母乳育児(一般向け)2020年5月4日
CDC: Pregnancy and Breastfeeding(Pregnancy, Breastfeeding, and Caring for Young Children)
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/pregnancy-breastfeeding.html

(一部を翻訳して紹介)

妊娠と赤ちゃんに対する新型コロナウイルス感染症のリスク

妊娠と赤ちゃんに対する新型コロナウイルス感染症のリスクには、まだ分からないことが多いです。
  • 新型コロナウイルス感染症の母子感染の可能性は低いですが、出産後、お母さんや養育者など、感染している人からウイルスに暴露されて新生児が感染することがあります。
  • 発表された報告は限られていますが、出生直後にウイルスが陽性だった赤ちゃんがほんの少しだけいます。でも、その赤ちゃんにウイルスが感染したのが、出産前か、出産時か、出産後かはわかりません。
  • お母さんが妊娠後期に新型コロナ感染症陽性で、早産などの問題があった例が少数報告されています。しかし、その問題がウイルスに関係しているのかはわかりません。
お母さんが新型コロナウイルスの時の母乳育児
  • 母乳は多くの病気に対する防御因子を供給し、ほとんどの赤ちゃんに対する最良の栄養です。もっと母乳育児について知りたい方はこちらへmore about breastfeeding
  • あなたが、あなたの家族、医療者と一緒に、母乳育児を開始するか、続けるか、どうやって行うかを決めます。
  • 新型コロナウイルス感染症のお母さんが母乳を介してウイルスを感染させるかどうか、確実なことはわかりませんが、手に入る限りのデータでは、可能性はなさそうです。
  • あなたが新型コロナウイルス感染症で直接授乳を選んだ場合
    • 授乳中は布で顔を覆って、授乳の前に毎回手を洗う。
  • あなたが新型コロナウイルス感染症で搾乳することを選んだ場合
    • 自分専用の搾乳器を使う。
    • 搾乳中布で顔を覆い、ポンプやボトルの部品に触ったり、搾乳したりする前に手を洗う。
    • 「適切に搾乳器を洗浄するための勧告」に従い、使用ごとに母乳に触れたすべての部分を洗浄する。
    • 可能ならば、健康で、重症化のハイリスクではない人に搾母乳を与えてもらう。

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オーストラリア・ニュージーランド王立産婦人科学会:妊娠中の女性と家族の方へ
2020年4月29日
The Royal Australian and New Zealand College of Obstetricians and Gynaecologists:
A message for pregnant women and their families
https://ranzcog.edu.au/statements-guidelines/covid-19-statement/information-for-pregnant-women

(母乳育児部分のみ翻訳)

9. 新型コロナウイルス感染症と診断されても、母乳育児をすることができますか?

赤ちゃんに母乳育児を希望する方は、支援と励ましを受けましょう。今のところ、このウイルスが母乳の中に移行するという証拠はなく、母乳育児の利点はよく知られており、新型コロナウイルスの経母乳感染の潜在的リスクを上回ります。お母さんが新型コロナウイルス感染症である場合も、画一的に赤ちゃんと離されてはいけません。一般的な衛生手段で予防を高め、授乳の時のマスクも考慮しましょう。

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米国産婦人科学会:
一般向けQ&A 2020年4月16日
https://www.acog.org/patient-resources/faqs/pregnancy/coronavirus-pregnancy-and-breastfeeding

Q:新型コロナウイルスは母乳を通じて赤ちゃんにうつりますか?
A:今のところ、このウイルスは母乳の中には見つかっていません。しかし、病気のお母さんから赤ちゃんに母乳を通じてこのウイルスがうつるかどうかについては、まだ十分な情報がないのです。
母乳は多くの病気から赤ちゃんを守ります。そしてまた、母乳はほとんどの赤ちゃんに最良の栄養です。母乳育児を始めるか、また、続けるかについて、かかりつけの産婦人科医や医療専門家(助産師など)と話し合ってみましょう。家族や医療チームと一緒にどうするか決めることができるでしょう。

Q:赤ちゃんに新型コロナウイルスがうつるのを避けることはできますか?
A:新型コロナウイルス感染症の症状があったり、すでに診断されたりしている場合、赤ちゃんにウイルスがうつらないように以下の手順を行ってみましょう。
   搾乳後はだれか健康な人に母乳を赤ちゃんにあげてもらうこともできます。

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ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル(LLLI)のメディア・リリース(米国ノースカロライナ州)2020年4月16日改訂
(LLLIのメディアリリース改訂版の日本語訳へのリンクあり)
https://llljapan.org/infections2020.html
LLLI: Breastfeeding, Childbirth, and COVID-19
https://www.llli.org/breastfeeding-childbirth-and-covid-19/

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米国家庭医学会:新型コロナウイルス感染症と授乳についての声明
2020年4月15日
AAFP Statement on Breastfeeding and COVID-19
https://www.aafp.org/dam/AAFP/documents/patient_care/public_health/AAFP-COVID-Breastfeeding-Policy.pdf
(以下全文)
母乳は急性および慢性の疾患に対する防御因子を提供する。米国家庭医学会は、特定の医学的な状況を除き、大部分の乳児の栄養として母乳を推奨する。限られたエビデンスであるが、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2は、呼吸器の飛沫で広がり、今のところSARS-CoV-2は母乳中に検出されておらず、近縁のコロナウイルス感染症ウイルスも母乳中に見られていない。よって、米国家庭医学会は母乳育児と親と子のきずなを推進し、親と子を分離することをできる限り避けるよう勧告する。

親が新型コロナウイルスに暴露されたが無症状である場合、母乳育児は合理的な選択である。親はマスクをし、注意深く手指衛生を行うことで、呼吸器の飛沫に児が暴露されるリスクを減らすことができる。

親が新型コロナウイルス感染症の診断を受けたり、ウイルスに暴露されて症状を呈していたりする場合でも、直接授乳や搾母乳を児に与えることは、依然合理的な選択である。マスクや手洗いに加え、直接授乳以外の児との接触を制限したり、搾乳して他の新型コロナウイルス感染症を呈していない家族に与えてもらうことなどは、児の暴露を減らすことになろう。手動や電動の搾乳器で搾乳する場合、使用の度に親はポンプやボトルに触れる前に手を洗い、使用後は搾乳器を消毒する。

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WHO欧州:COVID-19と母乳育児・方針文書 2020年4月
WHO Europe:COVID-19 and breastfeeding Position paper
http://www.euro.who.int/__data/assets/pdf_file/0010/437788/breastfeeding-COVID-19.pdf

(全文を翻訳)
母乳は乳児の栄養源として最良のもので、コロナウイルスの感染が確定している、もしくは疑わしい母親においても同様です。感染している母親が以下に示すような適切な予防措置を講じている限り、赤ちゃんに直接授乳することは可能です。母乳は、呼吸器疾患を予防する抗体や免疫物質を含んでいます。小児の成長、発達、健康に対する重要性とともに、長じての肥満や非伝染性疾患の発症を減らすことに、母乳育児が役立つことを支持するエビデンスは、日々蓄積を続けています。

母乳で育てられている乳児のリスクは何ですか?

今までのところ、COVID-19の原因となるこのウイルスは、母乳の中からは見つかっていません。 しかし、この疾患は新しく、エビデンスは限られた研究に基づいています。このウイルスがどのように伝播するかや母親がこの疾患に罹患している場合の乳児のリスクはどのようなものかについて、公衆衛生の当局は情報を収集し続けています。限定的な研究ですが、COVID-19や他のコロナウイルス感染症(SARSコロナウイルス)の女性において、ウイルスは母乳中には見つかっていません。中国の武漢からの最近の報告では、妊娠中にCOVID-19であった6人の初乳を集め、検査したものがありました。すべての検体からウイルスは見つかりませんでした。しかし、この結果を確認するためにはさらなる研究を必要とします。伝染の一番のリスクは、感染した母親の気道分泌物と考えられています。大切なことは、今まで経験したところでは COVID-19の疾患経過は一般的に乳幼児において重症ではないということです。

リスクにはどのように対応したらよいですか?

WHOの現在のガイダンスでは、COVID-19の女性は、本人が希望すれば、以下の予防措置をとった上で、母乳育児が可能です。
  1. 鼻と口を覆うマスクをつけるなどの、呼吸器の衛生手段を行う。
  2. 赤ちゃんに触れる前後に石けんと水で20秒手を洗う。
  3. 触ったところを定期的にきれいにして消毒する。
母親の側にいることや、早期から母乳だけで育てることはどちらも赤ちゃんの成長を助けます。ですから、母親がCOVID-19に感染していたとしても、赤ちゃんを触ったり抱いたりすること、安全な呼吸器衛生の下での直接授乳、肌と肌とを触れ合わせて抱くこと、母子同室を勧めましょう。一般的に、WHOは、生後6か月間は母乳だけで育て、その後、栄養価が高く、健康的な食物を与えながら、2歳かそれ以上まで母乳育児を続けるよう、母親に勧告しています。

母親が直接授乳できないほど病気が重いときはどうしたらいいですか?

COVID-19のために母親の状態が悪く、赤ちゃんに直接授乳ができないときは、搾乳や母乳復帰(母乳育児の中断や非常に少量の乳汁分泌となった期間のあとで、母乳育児に復帰する過程)、認定された母乳バンクからのドナー母乳の使用に対する支援を受けましょう。

さらなる情報はWHOのウェブサイトへ
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-pregnancy-childbirth-and-breastfeeding

European Academy of Pediatrics
European Board & College Obstetrics and Gynecology
European Confederation of Primary care Pediatricians
European Pediatric Association

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WHO東地中海地域事務所:
新型コロナウイルス感染症アウトブレイク中の母乳育児  2020年4月
WHO EMRO:Breastfeeding advice during the COVID-19 outbreak
http://www.emro.who.int/nutrition/nutrition-infocus/breastfeeding-advice-during-covid-19-outbreak.html
母乳育児は新生児が病気になるのを防ぎ、乳児期や小児期を通じて病気になることから子どもを守るのを助けます。母乳育児は特に感染症に対して効果があります。なぜなら、お母さんから直接に抗体をもらうことによって、免疫が強化されるからです。新型コロナウイルス感染症が確認されるか疑わしい場合、直接授乳をしていたり、肌と肌とのふれあいをしているお母さんに症状があったら、予防措置をしましょう。

母乳育児中のお母さんへ
  • 次のような呼吸器衛生を行いましょう。直接授乳の時にもです。息切れのような呼吸器症状がある場合は、赤ちゃんのそばにいるときはマスクをします。
  • 子どもに触れる前後は石けんや消毒剤で徹底的に手を洗います。
  • 触れた場所を定期的にきれいにし、消毒します。
  • コロナウイルス感染症が重症だったり他の合併症があったりして、赤ちゃんの世話や直接授乳ができないときは、母乳を搾って赤ちゃんに安全にあげましょう。直接授乳も搾乳もできないほど症状が辛かったら、母乳復帰(しばらく授乳を休んで再開すること)、乳母(ほかの女性に赤ちゃんの授乳や世話をお願いすること)、ドナーミルク、といったやり方を探ることもできます。どの方法を用いるかは、文化や受け入れやすさ、利用のしやすさによるでしょう。
医療施設やスタッフ
  • 産科サービスや新生児ケアを提供している施設は、どの部署であっても、どのスタッフであっても、母乳代用品、哺乳びん、人工乳首、おしゃぶりを推進してはいけません。
  • お母さんや赤ちゃんの新型コロナウイルス感染症が疑わしかったり、可能性が高かったり、確認されたりしているかどうかにかかわらず、お母さんと赤ちゃんは一緒にして、肌と肌の触れ合いを行い、夜も昼も同室できるようにしましょう。特に生まれてすぐの母乳育児を確立する時期はそうしましょう。
カウンセリングと心理社会的支援
  • お母さんや赤ちゃんや子どもに、新型コロナウイルス感染症が疑わしかったり確認されたりしたときは、母乳育児のカウンセリングや基本的な心理社会的支援、栄養の実際的な支援を探しましょう。そうすれば適切にトレーニングされた医療の専門家や、地域に根差した母乳育児のピアカウンセラー(訳注:母乳育児の経験のあるカウンセラー)の支援を受けることができる可能性があります。
赤ちゃんの標準的な栄養ガイドライン
  • 生まれて1時間以内に母乳育児を始めましょう。
  • 6か月間は母乳だけ、生後6か月になったら適切で安全な補完食(訳注:離乳食)を始めましょう。
  • 母乳育児は2歳かそれ以上まで続けましょう。

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CDC:産科施設入院中の検討事項 2020年4月4日改定版
CDC:Considerations for Inpatient Obstetric Healthcare Settings
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/inpatient-obstetric-healthcare-guidance.html

改訂の要約(以下を反映:ガイダンスは更新して以下を明らかにしている。)
  • COVID-19が確認された、もしくは疑いのある、妊娠中の女性への訪問者、および、必要な支援をする人に関する検討事項。
  • 入院時にCOVID-19が疑われた妊娠中の女性、および入院中にCOVID-19の症状が出現した妊娠中の女性の検査を優先する
  • COVID-19が疑わしい児を他の健康な児から隔離する
  • COVID-19が確認された、もしくは疑いのある母親と児が一緒にいるのか出生後母子分離するのかはケースバイケースで、母親と医療チームがshared decision-making(情報を共有した上での決定)を用いて決める。

感染の予防と管理に関するこれらの検討事項は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性に入院での産科的ケアを提供している保健医療施設のためのものである。入院での産科ケアには、産科トリアージ、分娩、回復、産後ケアが含まれる。

この情報は感染管理についてのCDCの暫定ガイダンス(より広範囲のもの)を適用する場合に、病院や臨床家の助けになるように作成された。
(Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings).
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/infection-control/control-recommendations.html

産科や新生児の病棟の設備は様々であるため、それぞれの施設ごとにCOVID-19の原因ウイルスの感染予防に必要な空間やスタッフ配置を考慮する。これらの検討事項は以下のものを含む。
COVID-19の感染が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性の適切な隔離;その部署のすべての医療スタッフに対する、感染管理の実施や個人防護具(PPE)の使用や取り扱いの正確な遵守を含む、基本的なものや再教育のトレーニング;ケアのすべての場における充分で適切な個人防護具(PPE)の供給;新生児をCOVID-19のリスクからも守る方法

これらの検討事項はCOVID-19の原因となるウイルス感染についての現時点での入手可能な限定的なエビデンスや、インフルエンザ、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスを含む重症呼吸器感染症の原因となるウイルスに関する知見に基づいている。以下のアプローチは意図的に慎重なものになっている。いずれ追加情報が得られ、産科入院中のヒトーヒト感染予防についての推奨が整うであろう。

入院前の検討事項
  • COVID-19感染が確認されたか疑わしい妊娠中の女性は到着前にそのことを産科施設に連絡する。そうすれば産科施設は適切な感染管理の準備を行うことができる。それは最適な分娩室の準備の選択、感染予防の保証、物品や個人防護具(PPE)が適切に配置されているか、その患者への感染管理のケアにかかわる医療スタッフへの到着前の周知と訓練、である。
  • COVID-19が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性が救急車で到着する場合、運転手は受け入れの救急担当部署や医療施設に連絡を取り、事前に同意した地域または地区の移送手順に従う。追加情報は以下を参照のこと。
    Interim Guidance for Emergency Medical Services (EMS) Systems and 911 Public Safety Answering Points (PSAPs) for COVID-19 in the United States.
  • 医療スタッフは、COVID-19が確認されたか検査中の妊娠中の女性の到着予定を迅速に施設の感染管理部門に連絡する。
入院中
  • 医療施設はCOVID-19感染が確認されたか検査中の妊娠中の女性の入院に関する感染管理の実践勧告を確実に行う。これは下記に合致する。
    Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings
  • 産科ケアを提供するすべての保健医療施設は、全職員が適正にトレーニングされ、感染管理の実践勧告の介入を確実に実施しなければならない。
    個人個人の医療スタッフ全員が感染管理器具の使用法を理解し、遵守できることが保証される。
  • 入院して産科ケアを提供する保健医療施設は、COVID-19が確認されたか検査中の妊娠中の女性への訪問者(訳注パートナー、ドゥーラなども含む)を制限する。
    • 訪問者は妊娠の女性の心地よさやケアに結び付く人(エモーショナル・サポートを提供できる者)に制限する。
      • 市中感染拡大により、施設は訪問者を制限し、必要な一人だけに限定する可能性がある。その一人は入院中ずっと同じである可能性もある。
      • 患者と訪問者の相互作用の代替として、ビデオ通話アプリのようなものが追加の支援者に関しては、奨励できるかもしれない。
    • 分娩室に入室を許可された訪問者は、急性呼吸器疾患の症状の有無をチェックされ、呼吸器症状や発熱がある場合は入室を許可されない。
    • 保健医療施設を訪問する訪問者は、マスク(布のマスクを含む)の使用法と現在の施設訪問方針に従った個人防護具(PPE)の適切な使用法を伝えられる。
      加えて、訪問者は患者の部屋のみを訪れて、新生児室を含む施設の他の場所には行かないよう指示される。
  • 入院時にCOVID-19が疑わしい、もしくは入院中COVID-19が疑われる症状を呈した妊娠中の女性は優先的に検査を受ける。
  • 分娩時にCOVID-19が確認されている女性から生まれた児はCOVID-19疑いの児とみなされる。なので、COVID-19疑いの児は健康な児から隔離され、以下に従ってケアされるべきである。
    Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Suspected or Confirmed COVID-19.

母子接触

母と新生児の肌と肌との触れ合いには多くの利点があることはよく知られている。母親と児のきずなを形成し、母乳育児の可能性を高め、血糖値を安定させ、児の体温を維持する。感染性の呼吸器分泌物に接触することによる出生後の新型コロナウイルスの感染が懸念されるが、乳児の感染のリスクや新型コロナウイルスの臨床的重症度は明らかにされていない。

COVID-19が確認された、もしくは疑わしい母親と児が一緒にいるのか出生後母子分離するのかはケースバイケースで、母親と医療チームがshared decision-making(情報を共有した上での決定)を用いて決める。
この決定における検討事項
  • 母親と児の病態
  • 新型コロナウイルスの検査結果 母親(確認された、疑わしい)と児(児の検査が陽性なら隔離の必要性はなくなる)
  • 直接授乳の希望
  • 隔離か同室かに対する施設の対応能力
  • 退院に際して隔離が維持できるか
  • COVID-19が確認された、もしくは疑わしい母親と児の一時的な母子分離のリスクと利点
母子分離が施行されない場合、母親から児への感染リスクの低減する方法には以下が含まれる。重ねて言うが、shared decision-making(情報を共有した上での決定)を行うこと。
  • 物理的な壁(例:母親と児の間のカーテン)といった工学的な管理も利用し、児を6フィート(訳注:約1.8m)以上母親から離す。
  • 母親が直接授乳を選択した場合、マスクを着用し手指衛生をそれぞれの授乳の前に行う。
  • 母親が母乳育児を選択せず、児をケアする健康な大人が部屋の中にいない場合、COVID-19感染が確認されたか疑わしい母親はマスクを着用し、手指衛生1)をそれぞれの授乳や新生児との濃厚接触の前に実施する。
  • マスクは新生児と接触する際は使用を続ける。これらの実践は、母親が保健医療施設の感染経路別予防策の対象である間は続ける。
COVID-19が確認された、もしくは疑いのある母親と児を、感染のリスクを下げるために一時的に別室にする決定がなされた場合は、以下を考慮する。
母乳育児
  • 一時的な隔離が実施された場合、母乳育児を希望する母親は母乳産生の確立と維持のために搾乳をすることが奨励される。可能であれば、高性能の搾乳器が与えられるべきである。搾乳に先立ち、母親は手指衛生を行う。1)毎回の搾乳終了ごとに、乳汁に触れたすべての部品は徹底的に洗浄し、ポンプ全体は器機の説明書に従い、適切に消毒する。搾母乳は健康な養育者が新生児に与える。
  • 母親のCOVID-19が確認されたか疑わしく、母子同室を行なっていて、母親が直接授乳を希望する場合、母親はマスクを着用し、授乳ごとに手指衛生を行う。
脚注
(1)手指衛生は、アルコール含量60%から95%の手指消毒剤の使用を含み、以下の場合に行う。すべての患者との接触の前後、潜在的な感染物質との接触の前後、手袋を含む個人防護具(PPE)の着衣前と脱衣後。手指衛生は20秒以上の石鹸と水での洗浄でもよい。手指が目に見えて汚染された場合、石鹸と水による洗浄を行ってからアルコール含有手指消毒剤を用いる。

追加情報
  • Evaluating and Reporting Persons Under Investigation (PUI)
  • Resources for Hospitals and Healthcare Professionals Preparing for Patients with Suspected or Confirmed COVID-19
  • Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings
  • World Health Organization Interim Guidance on Clinical Management of Severe Acute Respiratory Infection When Novel Coronavirus (nCoV) Infection Is Suspectedexternal icon

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イタリア新生児学会:
母乳育児と新型コロナウイルス感染症―暫定的に適応する方針文書(欧州新生児周産期学会承認) 2020年4月3日
The Italian Society on Neonatology:Breastfeeding and coronavirus disease‐2019: Ad interim indications of the Italian Society of Neonatology endorsed by the Union of European Neonatal & Perinatal Societies
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/mcn.13010

(抄録より母乳育児部分のみ翻訳)
母親が事前にCOVID-19陽性確認、もしくは検査中であり、分娩時に無症状か非常に軽微な症状であった場合は、母子同室は可能であり、厳密に感染予防の方策を取った上で直接授乳も可能である。一方、COVID-19の母親の病状が重く、新生児のケアができない場合は、児は母子分離の上、新鮮な搾母乳を与える。その搾母乳に低温殺菌は不要である。人乳にはCOVID-19のウイルスは含まれないとされているからである。

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中国:
COVID-19アウトブレイク下の授乳に関する方針(3文献)2020年2~4月
1、Chen D, Yang H, Cao Y, et al. Expert consensus for managing pregnant women and neonates born to mothers with suspected or confirmed novel coronavirus (COVID-19) infection.Int J Gynaecol Obstet. 2020 May;149(2):130-136. doi: 10.1002/ijgo.13146. Epub 2020 Apr 1.(20-Mar-20)
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ijgo.13146

新生児ケア:COVID-19感染妊婦から生まれた新生児の臍帯結紮遅延は推奨されておらず、児は直ちに沐浴して乾かす。SARS-CoV感染妊婦に関する以前の限られたデータでは、母親から胎児への垂直感染の可能性は低いことが示されている。COVID-19の垂直感染については1例が生後30時間の新生児で報告されている。したがって、COVID-19感染が疑われるか診断された母親の新生児は出生後14日間隔離し、感染の臨床症状を注意深く監視する必要がある。母親と新生児は、両方が感染解除されるまでは別々に隔離する必要がある。搾乳する場合は搾乳前に乳房を洗浄し、厳格な手指衛生を行う必要がある。現在COVID-19ウイルスが母乳に存在するかどうかは不明で、母乳育児は推奨されていない。授乳が許可された場合、服薬の調整は必要ない。母親は定期的に搾乳して分泌を確保すること、必要に応じて心理的支援を受ける必要がある。

2、Pediatric Committee, Medical Association of Chinese People's Liberation Army, Editorial Committee of Chinese Journal of Contemporary Pediatrics.
Perinatal and neonatal management plan for prevention and control of SARS-CoV-2 infection (2nd Edition). CJCP 2020, Vol. 22 Issue (3): 195-198, DOI: 10.7499/j.issn.1008-8830.2020.03.003 (Mar-20)
http://www.zgddek.com/EN/abstract/abstract24946.shtml

重症妊婦の新生児治療プロセス:母親は主に感染部門で治療され、新生児は14日間隔離することが推奨される。母乳がSARS-CoV-2核酸検査で陰性であり、母が14日間観察された後母乳育児を検討することができる。
ハイリスク新生児の管理原則:医学的観察のために、14日間単一の部屋に置かれる必要がある(臨床経過、臨床検査などにより、感染を明確に除外できる場合、観察はもっと早く終了できる)。リスクを軽減するために、感染母体の母乳は一定期間使用しない。ドナー乳を使用する場合は、使用前に低温殺菌する必要があるが、母親には搾乳を強く勧める必要がある。

3、Wang L, Shi Y,Xiao T,et al.; on behalf of the Working Committee on Perinatal and Neonatal Management for the Prevention and Control of the 2019 Novel Coronavirus Infection、Chinese expert consensus on the perinatal and neonatal management for the prevention and control of the 2019 novel coronavirus infection (First edition). Ann Transl Med 2020;8(3):47. doi: 10.21037/atm.2020.02.20 (06-Feb-20)
http://atm.amegroups.com/article/view/35751/html

母乳:2019-nCoVの垂直感染の可能性は否定できない。2019-nCoVが確定しているまたは疑われている母親の母乳は児に与えない。 疑われるか診断された母親でも母乳検査で陰性の場合には、児に母乳が与えられるべきである。潜伏期間中にウイルスが乳汁中に排泄される可能性があるため、2019-nCoVのスクリーニング後のドナー乳の使用を検討することができる。


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国際助産師連盟 公式声明:
出産における女性の権利は、コロナウイルスパンデミック中も支持されなければなりません 2020年3月29日
ICM:Women’s Rights in Childbirth Must be Upheld During the Coronavirus Pandemic
https://www.internationalmidwives.org/icm-news/women’s-rights-in-childbirth-must-be-upheld-during-the-coronavirus-pandemic.html

(全訳)
国際助産師連盟(ICM:The International Confederation of Midwives)は、COVID-19パンデミックに際して、女性、赤ちゃん、助産師の人権が侵害されていることを懸念しています。パンデミックに対応して、多くの国で妊娠、出産、産後ケアの管理のための不適切なプロトコルが導入されています。これらのプロトコルは、最新で信頼のおけるエビデンスに基づいておらず、女性と赤ちゃんにとって有害です。
COVID-19パンデミックにおける妊娠中の女性と赤ちゃんのケアに関する、信頼できる情報源からの推奨と最新の研究によるエビデンスに基づいて、ICMは助産師のための助言を作成しました。出産の一連の過程で、女性と赤ちゃんのケアに携わる他の医療専門家や保健サービスのマネージャーのためのものでもあります。妊娠・出産期の女性に対するケアについてのエビデンスが続々と出て来る状況で、コロナウイルスパンデミック中の妊娠と出産のためのプロトコルが、エビデンスに基づいていて、すべての女性と新生児の人権を擁護するものであることが必須です

  1. 妊娠中の女性は、他のすべての成人と同じ予防措置を取る必要があります:定期的かつ徹底的な手洗い、肘への咳やくしゃみ、物理的距離、可能な限り自宅にいること。
  2. すべての女性と新生児は、思いやり、尊厳と敬意をもって扱われる権利を持っています。
  3. すべての女性は、情報を得、同意をし、同意を拒否し、選択と決定を尊重し、支持される権利を有します。これには、分娩と出産の間、一緒に選択する誰かを持つ権利が含まれます。
  4. 最低でも、無症状の出産付き添い人(妊娠している女性のパートナーや母、姉妹、友人など、その女性が出産に立ち会って欲しいと希望する人)が一人、分娩、出産、産後を通してその女性といっしょにいることを許可されるべきです。出産付き添い人による継続的な支援は、自然な経腟分娩を増加させ、分娩時間を短縮し、帝王切開および他の医療介入を減少させます。
  5. 産科適応のない分娩誘発、帝王切開、鉗子分娩などのルチンの医療介入は母親と新生児の合併症の可能性を高め、入院期間を延長させ、病院での人員配置の負担を増大させ、そのすべてがCOVID-19への暴露の可能性を高め、母親と家族にとっての出産に対する肯定的な経験を損ないます。
  6. 現在、疑わしいか確認されたCOVID-19の場合に、女性が経膣分娩できないことを示唆したり、帝王切開がより安全だと示唆したりするエビデンスはありません。女性の出産方法の選択は、本人の臨床的ニーズを考慮しながら、可能な限り希望に沿うようにし、尊重されるべきです。
  7. 保健医療システムが自宅出産を支援できる国では、正常な妊娠経過で、認定助産師の支援を受けられる女性は、適切な救急器具があれば、COVID-19を発症している多くの患者(産科以外の患者であっても)がいる病院よりも、自宅または一次産科ユニット/出産センターで出産する方が安全である可能性があります。
  8. COVID-19は、一部の人の便から検出されており、赤ちゃんへの感染を減らすために、COVID-19の陽性反応を示した妊婦では水中出産は推奨されません。
  9. COVID-19が乳児に経母乳感染するというエビデンスはありません。
  10. 母乳育児中の女性は、呼吸器ウイルスが母乳を介して伝染することを示すエビデンスがないので、母子分離されるべきではありません。母親は、以下の必要な予防措置が適用されている限り、母乳育児を続けることができます。
    1. 症状があっても、母乳育児が可能なほど体調のよい母親は、新生児の近く(授乳中を含む)にいるときはマスクを着用し、接触前後に手を洗い、汚染されたすべての表面を清潔にして消毒する必要があります。
    2. 母親の病気が重く直接授乳ができない場合、清潔なカップやスプーンを用いて新生児に与えられるように、搾乳を行うように勧められ、支援されるべきです。マスクの着用、厳密な手指衛生、搾乳した後の全ての搾乳器具や硬い表面の消毒が不可欠です。
    3. 搾母乳は、すぐに乳児に与えられなければ、後で使用するためにラベルを貼って、保存することができます。疾病予防管理センター(CDC)の推奨によれば、搾母乳をは室温で最大4時間、冷蔵で4日間(ドアポケットに入れない)、冷凍庫保管で6~12ヶ月間保存可能です。
    4. 早産または疾患を持つ新生児は、さらなる医療支援を必要とする場合があります。しかし、すべての新生児は、母親または親とともに居る権利があります。母親は、インフォームドコンセントなしに母子分離されるべきではありません。母親と赤ちゃんは、赤ちゃんが小さい、早産、またはさらなるケアを必要とする病状で生まれた場合でも、常に一緒にいる権利を有します。
  11. 産科サービスは、重要で中核的な保健サービスとして引き続き優先されるべきです。助産師によるケアのひな型の継続は、女性と出産付き添い人に接触する支援者の人数を減らし、院内にCOVID-19が広がる可能性を減らします。助産師によるケアの継続を奨励し、提供する必要があります。
  12. 助産師は、地域社会に拠点を置く場合でも病院に拠点を置く場合でも、妊娠・出産期の女性とその赤ちゃんに重要なサービスを提供する必要不可欠な医療従事者です。コロナウイルスパンデミック中に公衆衛生または一般診療の分野で働くために産科サービスから離れて助産師が働くことは、母親と新生児の合併症を増加させる可能性が高くなるでしょう。
  13. 助産師は、すべての個人防護具(PPE)の十分な入手、衛生的で安全で敬意のある労働環境に対する権利を有します。
  14. 家族計画、緊急避妊、中絶などの性生殖医療は、中核的な保健サービスとして引き続き利用可能であるべきです。
資料
この文書は国際助産師連盟(ICM)によるもので、日本ラクテーション・コンサルタント協会が許可を得て翻訳したものであり(2020年7月17日)、ICMは翻訳の正確さには責任を負いません。

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英国(王立)産婦人科学会:
コロナウイルス感染と妊娠 2020年3月28日
妊婦とその家族に対するインフォーメーション
RCOG:Coronavirus infection and pregnancy:Published: 28/03/2020
Information for pregnant women and their families
https://www.rcog.org.uk/en/guidelines-research-services/guidelines/coronavirus-pregnancy/covid-19-virus-infection-and-pregnancy/

授乳の部分だけを訳しています。
Q、コロナウイルス感染の疑いがある、または確認された場合、赤ちゃんと一緒にいたりSTS(肌と肌とのふれあい)をすることはできますか?
はい、あなたがそうしたいのであれば。赤ちゃんが元気で、新生児病棟でのケアを必要としなければ、出産後も一緒にいられます。
他の国で、コロナウイルスが確認された女性は、14日間赤ちゃんから離れることを勧めているところがあります。しかしそうすることは授乳及びボンディングにネガティブな影響を与える可能性があります。
赤ちゃんのケアを個別に行うために、このリスクと利点について、あなたとあなたの家族と、赤ちゃんのケアをする医師(新生児科医)の間での話し合いがもたれるべきです。
このガイダンスは、今後の情報の変化によって変更される可能性があります。

Q コロナウイルス感染が疑われる場合や確認された場合、赤ちゃんを直接母乳で育てることができますか?
はい。ウイルスが母乳によって運ばれることを示す証拠はありません。母乳育児のよく知られている利点は、母乳を介したコロナウイルス感染の潜在的なリスクを上回っています。
直接授乳の主なリスクは、あなたと赤ちゃんが密接に接触していると、咳やくしゃみによってウイルスに感染した飛沫が飛び散って、出まれた赤ちゃんを感染させることです。
直接母乳で育てることのリスクと利点についての話し合いは、あなたとあなたの家族、そしてあなたの産科チームの間で行われるべきです。
このガイダンスは、今後の情報の変化によって変更される可能性があります。
あなたか、または他の誰かが赤ちゃんに授乳するときは、次の予防策が推奨されます。
  • 赤ちゃんと搾乳器または哺乳ビンに触れる前に、手を洗ってください
  • 授乳中は赤ちゃんの側で咳やくしゃみをすることを避けてください
  • 可能であれば、授乳中はフェイスマスクを着用してください
  • 使用後の搾乳器洗浄に関する推奨事項に従ってください
  • 搾母乳を赤ちゃんに与えるのを、誰か健康な他の人に頼むことを検討してみてください。
赤ちゃんに人工乳または搾母乳を与えることを選択した場合は、滅菌ガイドラインを厳守すること勧めます。病院で搾乳している場合は、自分専用の搾乳器を使用しなくてはなりません。

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日本新生児成育医学会:
新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について第3報 2020年3月23日
http://jsnhd.or.jp/pdf/202000323COVID-19.pdf

(一部を紹介)
出生後の新生児の管理について

現時点において、新生児が新型コロナウイルス感染により重症化するかどうかは明らかではない。しかし、コロナウイルス感染に関連した新生児への感染を防ぐ対応(主に隔離および飛沫・接触感染予防策)をすることが推奨される。
  1. 母親が新型コロナウイルス感染症を発症し分娩に至った、あるいは、感染症症状消 失後まもなく分娩に至った場合
    • 母から子へウイルスの飛沫・接触感染を防ぐために、分娩後より一時的に母と子は分離し、母親は個室隔離、子は保育器隔離またはコホート隔離を行う。児は可能であれば、陰圧管理個室が望ましい。十分なスペースがない場合は、他児との間をパーテーション等で分離する。医療従事者は、フェイスマスクやゴーグル等も使った飛沫・接触感染予防策を十分講じ、ケアや治療を行う。
    • 母児同室の希望がある場合は、母親や家族と十分に話し合い検討する。
    • 児の症状の観察とバイタルサインのモニタリングを行い、院内の感染対策チームや保健所等に連絡し、ウイルス学的検査を検討したのち、適切な対症療法を行う([文献]に新生児呼吸障害に対するコメント、小児例では[文献]に症状、検査、治療が記載されている)。
  2. 母親が分娩後~産院退院までに発症した場合(カンガルーケアや直接授乳などすでに濃厚接触している場合)
    個室にて、直ちに飛沫・接触感染予防策を講じて母子同室による隔離を行う。その際、児を保育器に収容する等の予防策を講じ、母子間の飛沫・接触感染の可能性につき十分注意を払う。可能であれば、陰圧管理個室が望ましい。 (中略)

母乳の取り扱い・直接授乳について

母親かが感染症状を呈している場合は、接触や飛沫を介して児が感染するリスクがある ので、現時点においては、直接授乳は避けることが望ましい。ただし、母乳はできるだ け搾乳し、児に与える。
日本小児科学会は、母親が解熱し状態が安定していれば、手洗い等を行った上で搾乳により母乳を与えることは可能としている[文献]。CDCは母乳を搾乳で与えることを推奨 し母親の十分な飛沫・接触感染対策を行えば、直接授乳も可能としている[文献]。中国か らのエキスパートコンセンサスでは、母乳中のコロナウイルス PCR検査で陰性の確認をしてから母乳を与えることを推奨している[文献]。新型コロナウイルス感染に関連した母乳の情報は現時点で非常に少ない。そのため、今後の知見やデータにより改訂する 必要がある。
現時点で、いつから直接授乳のための母子接触が可能かの明確な基準はなく設けることはできないが、母親の症状が消失し、感染のリスクが低くなったと判断された時から行うことを勧める。

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ILCAの声明:COVID-19 パンデミック中の母乳育児支援 2020年3月 18日
ILCA Statement on Breastfeeding and Lactation Support During the COVID-19 Pandemic
https://lactationmatters.org/2020/03/18/ilca-statement-on-breastfeeding-and-lactation-support-during-the-covid-19-pandemic/
日本語訳は下記
https://ilca.org/wp-content/uploads/2020/04/ILCA-Statement-for-COVID-19_Japanese.pdf
注:ILCA- International Lactation Consultant Association

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WHO:新型コロナウイルス 妊娠・出産・授乳についてのQ&A(一般向け)2020年3月18日

Q&A on COVID-19, pregnancy, childbirth and breastfeeding。
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-pregnancy-childbirth-and-breastfeeding

主に授乳に関する部分だけの日本語訳がこちらにアップされています。
https://www.facebook.com/BonyuikujiNoPolitics/posts/1261910740685451

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WHO暫定ガイダンス:
COVID-19感染症が疑われる重症急性呼吸器感染(SARI)の臨床管理;  2020年3月13日
Translated from “Clinical management of severe acute respiratory infection (SARI) when COVID-19 disease is suspected: interim guidance, 13 March 2020 “. Geneve:
World Health Organization; 2020. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/331446/WHO-2019-nCoV-clinical-2020.4-eng.pdf

訳注:この暫定ガイダンスの翻訳は日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)により行われたもので、WHOの承認を得た正式な訳ではありません。また、この暫定ガイダンスは15の章から成り、様々な介入について「やるべきこと」「やるべきではないこと」「考慮すべきこと」などのシンボルマークがつけられています。JALCは13章のみを翻訳しましたが、13章に述べられた介入は、いずれも「やるべきこと」のマークがついています。
Do: やるべきこと:
この介入は有益である(強く推奨)。もしくは、この介入はベスト・プラクティス・ステートメント(介入が適切であることが予想されるが、利益と害のバランスが不明で、エビデンスの評価が困難なもの)である。
Don’t: やるべきでないこと
この介入は有害であることがわかっている。
Consider: 考慮すべきこと。
この介入は、ある患者には有益かもしれない。もしくは、この介入を考慮する場合には注意が必要かもしれない。

13. COVID-19に感染している母親と乳児のケア:IPC(感染予防と制御)と母乳育児

COVID-19感染が確定した乳児の報告は相対的に少ないが、報告例は軽症として経験されている。垂直感染は報告されていない。COVID-19陽性の6人の母親の羊水、および、帝王切開で出生した新生児の臍帯血と咽頭ぬぐい液は、RT-PCR検査ですべてCOVID-19ウイルス陰性であった。母親の初乳を検査したが、それもすべてCOVID-19ウイルス陰性であった。(68.69)
68. Zhu H, Wang L, Fang C, Peng S, Zhang L, Chang G et al. Clinical analysis of 10 neonates born to mothers with 2019-nCoV pneumonia. Transl Pediatr. 2020;9(1):51-60. Epub 2020/03/11. doi: 10.21037/tp.2020.02.06. PubMed PMID: 32154135; PMCID: PMC7036645.
69. Chen H, Guo J, Wang C, Luo F, Yu X, Zhang W et al. Clinical characteristics and intrauterine vertical transmission potential of COVID-19 infection in nine pregnant women: a retrospective review of medical records. Lancet. 2020;395(10226):809-15. Epub 2020/03/11. doi: 10.1016/S0140-6736(20)30360-3. PubMed PMID: 32151335.

母乳育児は、新生児期以降の乳児期、小児期の疾病罹患率や死亡率を減少させる。感染症についてはとりわけ防御効果が強い。これは、抗体やその他の抗感染因子が直接母乳を介して移行することと、免疫能や免疫記憶が長期にわたって移行することによる。WHOの「新生児の必須ケアと母乳育児」参照 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/107481/e79227.pdf )。
よって、乳児栄養標準ガイドラインにIPC(感染予防と制御)のための適切な予防措置をつけ加えるべきである。

<やるべきこと>
COVID-19感染が疑われるか可能性が高い、もしくは確定した母親から生まれた新生児は、IPCに必要な予防措置を施行した上で乳児栄養標準ガイドラインに沿って栄養する。

<注>母乳育児は生後1時間以内に開始する。生後6か月間は母乳だけで育て、安全で十分な補完食を生後6か月から適切に食べさせながら、2歳かそれ以降まで母乳育児を続ける。量依存性効果があるため、また、より早い時期に母乳育児を始めることがより大きな効果を生むため、母乳育児を生後1時間以内に開始できなかった母親は、母親と児が可能になった時点でできるだけ早く母乳育児を支援されるべきである。これは、母親が帝王切開で出産したり、麻酔を受けたり、医学的に安定しなかったりして、出生後1時間以内に母乳育児が開始できなかった場合にあてはまる。この推奨は2002年の第54回世界保健総会WHA54.2決議としてすべての乳児に最適な栄養を推進するために承認された「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」と一致している。
(英語版: https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42590/9241562218.pdf
日本語版: https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42590/9241562218-jpn.pdf?sequence=49

<やるべきこと>
COVID-19感染が確定していたり疑わしかったりするすべてのケースと同様に、症状のある母親は、母乳育児中であっても、肌と肌とのふれあいを行なっていても、カンガルー・マザー・ケアを行っていても、授乳中を含め、以下のことを行う。
呼吸器衛生(例えば、母親に呼吸器症状があれば、児の側にいるときはマスクをする)を行う、児に触れる前後に手指衛生を行う、症状のある母親が触れた表面を定期的にきれいにし消毒する、などである。

<やるべきこと>
COVID-19感染が確定されたり疑わしかったりする場合であろうとなかろうと、母乳育児のカウンセリング、基礎的な心理社会的支援、実践的な栄養支援をすべての妊娠中の女性と乳幼児のいる母親に行う。

<注1>すべての母親が、母乳育児を開始し、確立し、よくある母乳育児上の困難に対応することができるようになるための、実践的な支援を受けられるようにする。それにIPC手技を含める。この支援は、母乳育児について適切にトレーニングされた保健医療従事者や地域に根差したレイ・カウンセラー(研修を受けた一般人)やピア・カウンセラー(研修を受けた同じ立場の人)が提供する。「ガイドライン:母乳育児の実践を改善するための女性へのカウンセリング」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/280133/9789241550468-eng.pdf )と「WHOガイドライン:母親と新生児へのサービスを提供している施設における母乳育児の推進、保護、支援」( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/259386/9789241550086-eng.pdf )を参照のこと。

<やるべきこと>
COVID-19に感染している母親が重篤であったり他の合併症があったりして、児の世話ができなかったり直接授乳ができなかったりする場合は、搾乳を推奨して支援し、適切なIPC手技を適応しつつ児に安全に搾母乳を与える。

<注>母親があまりに重篤で直接授乳や搾乳ができない場合、母乳復帰、乳母、母乳バンク、適切な母乳代用品の実行可能性を、文化的背景、母親の受容、サービスの利用のしやすさなどを考慮し、検討する。母親と新生児へのサービスを提供している施設のどの部署においてもどのスタッフによっても、母乳代用品や哺乳びんと人工乳首、おしゃぶりのプロモーションはなされるべきではない。保健医療施設とスタッフは、哺乳びんと人工乳首ほか「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」(訳注:日本語版 https://www.jalc-net.jp/dl/International_code.pdf )とその後の世界保健総会の関連決議の適用範囲となっている製品を母乳育児中の児に与えてはならない。この推奨は「WHOガイダンス:母乳代用品の使用が許容できる医学的理由」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/69938/WHO_FCH_CAH_09.01_eng.pdf;jsessionid
=709AE28402D49263C8DF6D50048A0E58?sequence=1
) と矛盾しない。

<やるべきこと>
COVID-19感染が疑わしかったり、可能性が高かったり確認されたりした場合であっても、母親と児が一緒にいられるようにするべきであり、特に出産直後の母乳育児を確立する間、肌と肌との触れ合いを実施し、カンガルー・マザー・ケアを行い、夜も昼も母児同室を行う。

<注>母親と児にサービスを提供する施設にいる間、母乳育児の妨げを最小限にするためには、母親が希望するだけ十分に、頻繁に、長く授乳できるようにするという施設での実践を必要とする。
「WHOガイドライン:母親と新生児にサービスを提供する施設の母乳育児の保護、推進、支援」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/259386/9789241550086-eng.pdf ) を参照のこと。

<やるべきこと>
親や養育者は、児と分離される必要があるかもしれず、児も主養育者と分離される必要があるかもしれないが、適切に訓練された医療従事者や非医療従事者からの精神衛生や心理社会的支援につながるべきである。

<注>産前産後の女性の一般的な精神疾患の有病率の高さと、対象としたプログラムへの受容性を考慮すると、その人たちへの介入はもっと広範囲に実施される必要がある。メンタルヘルスの問題を治療するサービスに加えて、予防するサービスも利用できるようにする。この推奨は「2020緊急事態における精神衛生と心理社会的支援IASC参考団体―COVID-19アウトブレイクの精神衛生と社会心理的側面に対応する短報 version1.1」( https://interagencystandingcommittee.org/system/files/2020-03/
MHPSS%20COVID19%20Briefing%20Note%202%20March%202020-English.pdf
)と「WHOガイドライン:小児期初期の発達の改良」 ( https://www.who.int/publications-detail/improving-early-childhood-development-who-guideline ) と矛盾しない。

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新型コロナウイルス(COVID-19)に対するABMの声明 2020年3月10日
ABM STATEMENT ON CORONAVIRUS 2019 (COVID-19)
ABM: The Academy of Breastfeeding Medicine
https://www.bfmed.org/abm-statement-coronavirus

ご注意ください。
COVID-19感染についての情報は日々更新されています。ABMの勧告は現時点(この声明の発表日)における報告の情報に基づいています。最新のガイダンスはCDCやWHOのような情報源をご参照ください。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/specific-groups/pregnancy-guidance-breastfeeding.html
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019

COVID-19の経母乳感染
COVID-19がどのようにひろがるかについては、不明なことが多い。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/about/transmission.html
人から人への広がりは、インフルエンザや他の呼吸器の病原体が広がるように、主に感染者が咳やくしゃみをした時の呼吸器飛沫によって生じると考えられている。COVID-19 や、こちらもコロナウイルスであるSARSコロナウイルスに感染した女性の限られた報告では、このウイルスは母乳中には検出されていない。しかしながら、COVID-19が経母乳感染するかどうかは不明である。

母乳は多くの疾患に対する防御作用を持つ。母乳育児や搾母乳を与えることが例外的に推奨されない場合は稀である。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/contraindications-to-breastfeeding.html
CDCは、類似のコロナウイルスであるSARSやMARSについては、感染中の母乳育児について特化したガイダンスを発表していない。COVID-19と同様な状況である、母親がインフルエンザに感染している場合について、CDCは、児へのウイルス感染予防策を取りながらの直接授乳や搾母乳を与えることを勧告している。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/maternal-or-infant-illnesses/influenza.html
呼吸器ウイルスの経母乳感染の率が低いことを考慮し、WHOはCOVID-19 に感染した母親も母乳育児ができると宣言している。
https://www.who.int/publications-detail/
home-care-for-patients-with-suspected-novel-coronavirus-(ncov)-infection-presenting-
with-mild-symptoms-and-management-of-contacts

COVID-19 と母乳育児に関する現在のCDCのガイダンスはこちらから。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/specific-groups/pregnancy-guidance-breastfeeding.html

自宅で
COVID-19の感染が確認された、もしくは、COVID-19の検査中で症状のある母親は、児にウイルスを感染させないために、すべての可能な予防措置を講じるようにする。それは、児に触る前には手を洗う、可能ならば授乳中はマスクを着用するなどである。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-prevent-spread.html
手動や電動の搾乳機で搾乳する場合、母親は搾乳機やボトルの部品を触る前に手を洗い、使用後は推奨に従い適切に搾乳機を洗浄する。
https://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/breastpump.html
可能であれば、健康な人に児の世話をしたり搾母乳を与えてもらったりすることを考慮する。

手指衛生は、アルコール含有60%から90%の手指消毒剤の費用を含み、以下の場合に行う:
感染した母親や感染の可能性のある用具の使用の前後、手袋を含む個人防護具(PPE)の着衣前と脱衣後。手指衛生は20秒以上の石鹸と水での洗浄でもよい。手指が目に見えて汚染された場合、石鹸と水による洗浄を行ってからアルコール含有手指消毒剤を用いる。

COVID-19が確認された場合は、他の家族や友人、隣人から隔離(家庭内隔離)されるべきで、乳児も含むが、授乳は例外である。(訳注:家庭内隔離の一例 https://publications.msss.gouv.qc.ca/msss/fichiers/2019/19-210-08A.pdf) 母親が搾乳をして母乳分泌維持をしている場合、理想的には、感染していない大人が児のニーズにあったケアを行い、搾母乳を児に与えることが望ましい。咳や気道分泌物が劇的に改善するまで少なくとも5-7日間は、母親は上に書かれたような厳重な手洗いとマスクの着用を実施する。家庭内隔離をいつ中止するかの決断には、医療保健専門家や医療施設に相談するのが有用かもしれない。

病院で
母乳育児を行うかどうかの選択権は母親と家族にある。
母親が元気で、ウイルスに暴露されただけであったり、軽い症状で検査中だったりした場合、母乳育児は合理的な選択で、母の気道分泌物が児に暴露するのを軽減するのにマスクやガウンを使用することや厳重な手洗いをすることは比較的容易である。

母親がCOV-19に感染している場合は、もっと心配かもしれないが、直接授乳や児に搾母乳を与えることは、依然として合理的である。母親の病状によるが、児の気道分泌物への暴露を制限するためには、さらに注意深く推奨を守るようにする必要があるかもしれない。

母乳育児中の母親と児の同室/異室に関して、病院には選択肢がいくつかある。
  1. 母子同室(母親と児が同じ部屋にいて、部屋に他の患者がいない)
    母親と児のコットは6フィート(訳注:約1.8メートル)以上離す。児に触る前には手を洗い、児に触ったり直接授乳したりする間はマスクを着用するといったウイルス感染予防策を講じる。理想的には、健康な別の大人が児の世話をするために部屋にいることが望ましい。
  2. 一時的な分離
    母親がCOVID-19 感染で状態が悪く、病院での医学的ケアを必要とする場合に行う。母親が母乳育児を予定している場合や、継続を希望する場合は、乳汁分泌の確立や維持のために搾乳を勧める。可能なら、専用の搾乳器を与える。搾乳前には、母親は手指衛生をおこなう。搾乳ごとに母乳に触れるすべての部品は入念に洗浄し、搾乳器全体をマニュアルに従い適切に消毒する。搾乳は健康な養育者が児に新生児に与える。
母親と家族は母乳育児を続けるために、また、母親のCOVID-19による病気の間の搾母乳の使用方法、母乳分泌維持の方法、後から使うための搾母乳の保存方法などについて、追加のガイダンスや支援を必要とするかもしれない。

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UNFPA(国連人口基金)
新型コロナウイルスと妊娠についての声明 2020年3月5日
UNFPA statement on novel coronavirus (COVID-19) and pregnancy
https://www.unfpa.org/press/unfpa-statement-novel-coronavirus-covid-19-and-pregnancy

母乳育児に関する記述の部分の抜粋
母乳育児中の女性は新生児と分離すべきではない。
ユニセフによると、呼吸器のウイルスが経母乳感染することを示すエビデンスはないからである。
下記の必要な予防措置を実施すれば、母親が母乳育児を続けることは可能である。
症状を呈しているが母乳育児を行えるほど状態のよい母親は、児の側にいるとき(授乳中を含む)はマスクを着用し、児と接触する前後(授乳を含む)は手を洗い、汚染された表面はきれいにし、消毒する。
母親が母乳育児ができないほど病状が重い場合は搾乳が推奨され、搾乳された乳汁は、マスクを着用して清潔なカップやスプーンで児に与えることができる。児と接触する前後(授乳を含む)は手を洗い、汚染された表面はきれいにし、消毒する。