===== 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)情報 =====
2020年5月30日改定

米国小児科学会:
COVID-19疑いもしくは確定の母親から出生した乳児の取り扱いに関するFAQ 2020年5月25日
AAP: FAQs: Management of Infants Born to Mothers with Suspected or Confirmed COVID-19 0521revised
https://services.aap.org/en/pages/2019-novel-coronavirus-covid-19-infections/faqs-management-of-infants-born-to-covid-19-mothers/

現在知られている限定的な根拠に基づき、以下の「よくある質問」は、COVID-19が確認された、または、疑われる母親から生まれた新生児の管理に関する初期のガイダンスを提供する。

(一部を紹介)

Q:母親と状態のよい新生児は同室できるか?

A:これは議論の余地のある質問であり、最善の行動方針に関しては専門家の意見も分かれている。 COVID-19陽性の母親に曝されてもほとんどの新生児は元気であるといういくつかの情報があるが、一部は状態が非常に悪化する可能性がある。現時点で新生児へのリスクについてはよくわかっていない。困難ではあるが、新生児が感染する可能性を最小限に抑えるという観点からの最も安全な行動方針は、少なくとも一時的に母と児を分離することである。 これは母親の感染力が弱くなるまでの時間を提供することになるだろう。
一時的な分離は、新生児を母親とは別で、かつ感染していない新生児とも別のエリアに入院させることによって行う。これらの新生児のケアを行う時には、ガウン、手袋、標準的な手順のマスク、および目の保護具(フェイスシールドまたはゴーグル)を使用すべきである。
しかし、母親と児の分離にはマイナス面がある。 臨床看護チームと話し合った後母親が同室を選択した場合、またはその施設が新生児のために別の場所を提供できないために同室が必要になる場合は、特定の手順を行なって出生後のSARS-CoV-2感染のリスクを最小限に抑える必要がある。母親は、可能であれば、児から少なくとも6フィート(約1.8メートル)の距離を保つ必要がある。感染していない介護者が、可能な限り、児に触れるケアを行うよう支援すべきである。母親が児に触れるケアを行う場合には、マスクを着用し手指衛生を行う必要がある。閉鎖式保育器を使用すれば距離を置くことができ、児を呼吸器の飛沫から保護する手段を講じることができる。

Q:新生児に直接授乳することはできるか?

A:米国小児科学会は、乳児栄養の最も優れた選択肢として母乳育児を強く支援している。今までのところ、母乳はSARS-CoV-2の感染源になる可能性は低いと考えられている。母親は適切な乳房と手指の衛生をおこなった後で搾乳し、感染していない養育者が新生児に与えることができる。母親が新生児に直接授乳することを希望する場合は、マスクの使用や乳房と手指の衛生など、予防策を厳守する必要がある。

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米国産婦人科学会:
実践的勧告 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)2020年5月19日改訂
ACOG:Practice Advisory Novel Coronavirus 2019 (COVID-19)
https://www.acog.org/clinical/clinical-guidance/practice-advisory/articles/2020/03/novel-coronavirus-2019

産科病棟における感染予防管理

CDCはConsiderations for Inpatient Obstetric Healthcare Settings ( https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/inpatient-obstetric-healthcare-guidance.html ) を発表した。この検討事項は、産科のトリアージ、分娩から産後の入院など、産科入院中のCOVID-19が確認されたか検査中の妊婦へケアを提供する施設のためのものである。
米国産婦人科学会は医師や産科のケアの専門家に、推奨の完全なリストを読み、慣れることを奨励する。

この推奨のハイライト
  • 保健医療専門家は各自の施設や地域や州の保健当局のCOVID-19検査中の人に対する方針に従う。COVID-19が確認されたか疑わしい患者は、ドアを閉めた個室でケアされる。空気感染隔離室を、エアロゾルを発生する処置を行う患者のために確保しておく。
  • Ÿ出産時にCOVID-19とわかっている患者の児は、COVID-19疑いの児とみなされる。ゆえに、COVID-19疑いの児は検査し、他の健康な児から隔離し、the Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Suspected or Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/infection-control-recommendations.html)に従ってケアを行う。
  • 検査結果が不明(結果が遅れていたり、検査未施行)のCOVID-19疑いの妊婦から生まれた児はCOVID-19疑いの児とはみなさない。
  • 患者から児へのCOVID-19の原因となるウイルスの感染リスクを減らすため、施設は、COVID-19が確認されたか検査中の患者と新生児を、感染経路別予防措置が終了するまで一時的な隔離(部屋を分けるなど)を考慮する可能性がある。米国産婦人科学会は母親を新生児から離すことは、母親の不当なストレスや母乳育児の中断のリスクのみならず、その他のリスクとも関連する可能性があることを認識している。COVID-19が確認されたか疑わしい母親と児の同室を続けるか、出産後母子分離するかはケースバイケースであり、医療チームと母親が話し合って決定する。
  • COVID-19が確認されたか疑わしい産後の母親の退院は地域や州の健康当局や健康システムのガイダンスと併せてCDCのDiscontinuation of Transmission-Based Precautions and Disposition of Patients with COVID-19 in Healthcare Settings (Interim Guidance)(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/disposition-hospitalized-patients.html)に記載されている推奨に従う。
母乳育児

CDCは妊娠と母乳育児(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/specific-groups/pregnancy-guidance-breastfeeding.html)の情報を発表している。 母乳育児や搾母乳を与えることが推奨されない状況は稀である。母乳育児を始めるか、もしくは続けるかどうか、また、その方法については、家族や保健医療の専門家と話し合って母親が決めるべきである。現在のところ、まず懸念されるのはウイルスの経母乳感染ではなく、感染した母親からの直接授乳中の飛沫感染の可能性である。COVID-19が確認された母親や症状を呈している検査中の母親は、児にウイルスを感染させないために、すべての可能な予防措置を講じるようにする。それは乳房(https://services.aap.org/en/pages/2019-novel-coronavirus-covid-19-infections/faqs-management-of-infants-born-to-covid-19-mothers/)や手指の衛生、可能ならば、授乳中はマスクを着用するなどである。手動および電動の搾乳器で搾乳する場合、母親は搾乳器やボトルのすべての部品を触る前に手を洗い、使用後は、毎回、推奨に従い適切に搾乳器を洗浄する。可能であれば、健康な人に搾母乳を与えてもらうことを考慮する。

現在までの限られた症例数の中では、COVID-19に感染した女性の乳汁中にウイルスがみつかったという証拠はない。しかしながら、COVID-19が経母乳感染するかどうか、(すなわち、乳汁中に感染性をもったウイルスが存在するかどうか)はいまだ不明である。

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英国ユニセフ赤ちゃんにやさしい運動:
COVID-19アウトブレイク中における乳児の授乳についての声明 2020年5月14日改訂
UNICEF UK BABY FRIENDLY INITIATIVE:BABY FRIENDLY INITIATIVE STATEMENT ON INFANT FEEDING DURING THE COVID-19 OUTBREAK
https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/infant-feeding-during-the-covid-19-outbreak/

声明

この声明は、コロナウイルス(Covid-19)危機下における乳児栄養に関して最適な実践を支援することを目的としています。英国ユニセフ赤ちゃんにやさしい運動は、医療従事者が赤ちゃん、母親、家族のケアを継続できるように、一連の声明、ガイダンスシート、再教育の資料、リソース、およびよくある質問を作成しました。実践者は、私たちのウェブサイトをチェックして、最新バージョンの資料があること、そしてそれが世界保健機関(WHO)からの最新のアップデートに従っていることを確認することをお勧めします。

母乳育児

母乳育児は赤ちゃんが感染症を発症するリスクを減らすという豊富な証拠があります。ヒトの母乳には、免疫グロブリン、抗ウイルス因子、サイトカイン、白血球など、有害な病原体を破壊し、赤ちゃんの免疫システムを高める働きをする多数の生きた成分が含まれています。現時点では、Covid-19が母乳に移行するという証拠はありません。したがって、母乳と母乳育児が赤ちゃんに与える保護作用と、他の呼吸器感染症のウイルスが経母乳感染を起こすことはほとんどないことを考慮すると、母乳育児の推進、保護、支援を継続するためにできる限りのことをすることが極めて重要です。
母乳育児を容易にするためには、母親と赤ちゃんは可能な限り一緒に過ごし、肌と肌の触れ合いを持ち、赤ちゃんのサインに応じた授乳を行い、必要なときに継続的な支援を利用できるようにする必要があります。
混合栄養の場合は、できる限り多くの母乳を与えられるように支援され、希望するなら母乳のみの栄養に戻るような支援を受けられるように勧めることができます。母親が母乳育児をやめることを検討している場合は、Covid-19アウトブレイク中に母乳育児を継続することの価値について丁寧な話し合いをする価値があります。

人工栄養

親には、搾乳器や哺乳びんなどの洗浄および滅菌に関する現在のガイダンスを引き続き遵守するように勧めます。親には赤ちゃんのサインに応えて哺乳びんで授乳する方法を支援します。それにはpacing feed *や授乳する人の数を制限することも含まれます。(*訳注:赤ちゃんのペースに合わせて哺乳びんで授乳する方法)

Covid-19陽性で赤ちゃんを世話している親のための実用的な情報
親や養育者が感染している場合は、Covid-19の赤ちゃんへの感染を制限するための予防策を講じて下さい。

  • 赤ちゃんに触れる前後に手をよく洗う。
  • 触れたものの表面を定期的に洗って消毒する。
  • 搾乳器、哺乳びん、乳首などの乳児用授乳器具は、使用前後に清拭・洗浄する。
  • 授乳中に乳児に向けて咳やくしゃみをすることを避ける、マスクあるいは他の適切な代替品がある場合はそれを着用したりするなど、呼吸器衛生に努める。
  • 親は「赤ちゃんと一緒に眠ることとSIDS」「赤ちゃんの安全な睡眠**」を参照し、赤ちゃんと一緒に眠ってしまわないよう注意する。
    https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/baby-friendly-resources/sleep-and-night-time-resources/co-sleeping-and-sids/
    ** https://www.unicef.org.uk/babyfriendly/new-resources-safer-sleep-week/
  • 母乳育児中のお母さんの体調が悪い場合には、直接授乳を継続するほうが搾乳するより簡単でストレスなくできるかもしれません。あるいは誰か健康な人が搾母乳を赤ちゃんに与える方がいいと思うかもしれません。
  • 体調が悪くて、直接授乳も搾乳もできない場合には、回復してから「母乳再開(母乳復帰)」できるよう支援することもできます。可能ならドナーミルクの使用も検討しましょう。
  • 乳児用調製乳または搾母乳をびんで哺乳している場合は、毎回の使用前に器具を熱いせっけん水で洗ってから滅菌してください。
乳児用調製乳へのアクセス

Covid-19流行中に、自己隔離している家族が乳児用調整乳を入手するのに苦労する可能性があり、一部の家族は財政状況が急速に悪化して、乳児用調整乳や赤ちゃん用の食事が購入できなくなっているという懸念があります。 また、在庫が少ないため、店の乳児用調整乳に親がいつでも入手できるとは限らないという懸念もあります。
現段階で、親はステージ1の 「最初の乳児用調整乳」は1歳未満の乳児に使用するように助言されるべきです。(訳注:英国では乳児用調整乳には大まかな月齢向きに複数の製品があります。以下は指定された月齢の製品が入手できない時の注意点として解説されています。日本では「フォローアップミルク」は生後9ヶ月以降の乳児に対する牛乳代替品で、乳児用調整乳ではありません)
  • 「最初の乳児用調整乳」のいつも使っている銘柄が手に入らなくても、すべての製品は法律に準拠して同じ栄養組成を含んでいるため、どの「最初の乳児用調整乳」も使用可能です。
  • 6か月未満の乳児は、ステージ2の「フォローアップミルク」は使用せず、「最初の乳児用調整乳」のみを使用するよう助言されるべきです。
  • 生後6か月以上の乳児で「フォローアップミルク」を使用しているが入手できない場合は、「最初の乳児用調整乳」を使用してください。
  • 「逆流防止ミルク」「コンフォートミルク」などの他のミルクを使用しているが入手できない場合は、「最初の乳児用調整乳」が使用できます。
  • 乳児用調整乳は、常に製造業者の使用方法に従って使ってください。赤ちゃんの健康を危険にさらす可能性があるため、乳児用調整乳を薄めて長く持たせるようなことしないでください。
Covid-19のアウトブレイクが始まって最初の数週間で、ユニバーサルクレジットを申請する家族の数が劇的に増加したという報告があります。 ユニバーサルクレジットを受け取った家族は、ヘルシースタートクーポンを利用できます(スコットランド、ウエールズなどの分離地域ではそれと同等のものがあります)。
家族がクーポンを請求できるようにサポートすると、乳児用調整乳を入手できるようになります。
継続的な供給が保証されるなら、公共サービスが、緊急事態や本当に必要な場合に、乳児用調整乳を配布することは許容されます。通常の乳児の授乳支援と安全保護ポリシーが適用されます。乳児用調整乳を製造または販売する企業が、乳児用調整乳や特定の医療用目的の乳児用食品として販売されている乳児用ミルクを、寄付したり安い価格で提供することは、法に反します。 緊急時でも乳児用調整乳や特定の医療用目的の乳児用食品を調達した場合、購入者が支払う必要があります。地方自治体では、その緊急食糧供給システムの一環として、母乳育児の保護と乳児用調整乳の配布のための明確な方針手順がなければなりません。 詳細については、コロナウイルス危機下での乳児栄養:地方自治体向けのガイドを参照してください。

側にいて慈しむ関係性ができるような支援
授乳方法にかかわらず、親や主な養育者との感情的な愛着に対する赤ちゃんのニーズを継続して考慮することは重要です。赤ちゃんの側にいて、食べ物、愛、快適さのニーズに対応することは、赤ちゃんの健康、幸せ、発達に不可欠です。さらに、これは出産後の母親の精神的な安定を向上させます。

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英国王立産婦人科学会、王立助産師会、小児保健学会、麻酔科学会:
妊娠中の新型コロナウイルス感染症 医療保健従事者のための情報 Ver 9 2020年5月13日
Royal College of Midwives, Royal College of Obstetricians and Gynaecologists, Royal College of Paeditirics and Child Health, Royal College of Anaesthetists.
Coronavirous (COVID-19) Infection in Pregnancy: Information for Health Care Professionals. Version 9. 2020.
https://www.rcog.org.uk/globalassets/documents/guidelines/2020-05-13-coronavirus-covid-19-infection-in-pregnancy.pdf
(3.8.1 Neonatal careと3.8.2 Infant feedingを翻訳)

新生児のケア

妊娠の第3三半期にCOVID-19検査で陽性だった女性の児のケアをどうするかについてのデータは限られている。中国からの文献では、感染した女性と児を14日間分離することが助言されてきた。しかし、感染予防を目的としたルチーンの母子分離の決定は簡単に下すべきではない。母子分離が母乳育児や愛着形成へ影響する可能性があるからである。今日までの限られた科学的知見から、感染した女性と健康な新生児は、新生児への特別な治療が必要でないかぎり、出産直後から一緒にいられるようにすることを私たちは勧める。

より感染しやすい可能性のある児に関しては、個人に合わせたケアをするために、新生児科医と家族も一緒にリスクと利点の話し合いをすることが推奨される。COVID-19陽性の母親から生まれた児はRCPCHガイダンスに沿ったケアを受けるべきである。
https://www.rcpch.ac.uk/resources/covid-19-guidance-paediatric-services

乳児栄養

ある系統的レビューにおいて、母乳中のCOVID-19が陰性であったという13症例が報告されたことは、安心材料である。しかしながら、症例数が少ないことを考慮すると、エビデンスの解釈には注意が必要である。直接授乳の主なリスクは母親と児の濃厚接触であり、感染性の飛沫をお互いに浴びる可能性が高いことである。
現時点でのエビデンスによって、母乳育児の利点は、母乳を介したウイルス感染の潜在的なリスクを上回るということを、われわれは助言する。これは、英国で広く実施されているユニセフの赤ちゃんにやさしい運動によって支持されている見解である。児を抱くことには感染の可能性がある母親との接触というリスクがあることも含め、栄養法の選択におけるリスクと利点を両親と話し合う。
児へのウイルス暴露を減らすため、以下の予防措置を行う。
  • だれか健康な人に児の授乳を依頼することを考慮する
  • 児や搾乳器のポンプやボトルを触る前に手を洗う
  • 授乳中に児に向けて咳やくしゃみをしない
  • 可能なら、授乳中や児のケアの間は耐水性の医療用マスクをつける。
  • 病院で搾乳するときは、専用の搾乳器を用いる
    ○搾乳器を使用するときは、毎回の使用後に勧告に従って洗浄する
  • 児に哺乳びんで人工乳や搾母乳を与える時は、滅菌のガイドライン勧告に厳密に従う。
    https://www.nhs.uk/conditions/pregnancy-and-baby/sterilising-bottles/

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日本小児科学会:
新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて 5月13日版
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

Q4.母乳はやめておいた方がいいですか?

A: 母親が感染している場合は、接触や咳を介して子どもに感染させるリスクがありますので、直接の授乳は避ける必要があります。母乳自体の安全性については現時点では明らかではありませんが、中国からの報告では、感染した女性26名の母乳を調べたところウイルスは検出されなかったとされています。従って、母親が解熱し状態が安定していれば、手洗い等を行った上で搾乳により母乳を与えることは可能と思われます。

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米国CDC:
母乳育児中の女性に対するケア(医療者向け)2020年5月5日改定
CDC: Care for Breastfeeding Women
Interim Guidance on Breastfeeding and Breast Milk Feeds in the Context of COVID-19
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/care-for-breastfeeding-women.html

COVID-19流行中の母乳育児と母乳栄養の暫定ガイダンス
COVID-19に関するガイダンスは、地域の状況が急激に変化するのに対応して、州や地域の保健担当部門により改変されることがある。

キーポイント

Ÿ
  • 母乳はほとんどの乳児にとって最良の栄養源である。COVID-19の母親が母乳を通じてこのウイルスを感染させるかどうかは不明であり、得られるデータは限られているが、感染源となる可能性は低いことが示唆される。
  • Ÿ母乳育児を開始するかどうか、またどのように開始するか、そして、母乳育児を継続するかどうか、またどのように継続するかということは、母親が、自分の家族と医療提供者と協力して決定する。
  • ŸCOVID-19が確認された母親は、このウイルスが児に感染しないようにするために、手指衛生や布で顔を覆うなどすべての可能な予防措置を行う。
この暫定ガイダンスは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における母乳育児中の母親と母乳栄養児のケアを行う医療提供者にむけたものである。この暫定ガイダンスは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2と他のウイルス性呼吸器病原体の伝播についての現在の知見に基づいている。CDCは、追加情報が得られた時点でこの暫定ガイダンスを更新する。出産直後の母乳育児については以下を参照のこと。
https://jalc-net.jp/covid19_jalc_contents.html#L15

SARS-CoV-2の経母乳感染

これらの考察は、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2とインフルエンザやSARSコロナウイルスといった他の重篤な呼吸器疾患の原因となるウイルスの感染についての現時点で入手可能な限定的なエビデンスに基づいている。
母乳はほとんどの乳児にとって最良の栄養源であり、多くの疾患に対する防御因子を提供する。母乳育児や搾母乳を与えることが推奨されないような事例 は稀である。COVID-19の母親が母乳を介してウイルスを感染させるかどうかは不明であるが、手に入る限られたデータでは、感染の可能性は低いと示唆されている。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/contraindications-to-breastfeeding.html
低温殺菌された母乳バンクからの母乳は早産児のケアにおいて重要である。現在のところSARS-CoV-2における低温殺菌の効果に関する情報は入手できていないが、類似のウイルスはこの処理で不活性化される。COVID-19パンデミックにおいて、母乳バンクへの母乳の提供が滞ることがあるかもしれない。病院で母乳バンクの母乳の入手が困難になった場合、使用可能な母乳は、母乳栄養の効果が最も高い早産児を優先する。

COVID-19流行下での母親への母乳育児のガイダンス

母乳育児を開始するかどうか、またどのように開始するか、そして、母乳育児を継続するかどうか、またどのように継続するかということは、母親が、自分の家族と医療提供者と協力して決定する。
COVID-19が、疑わしい、可能性が高い、もしくは確認された 母親は、児にこのウイルスを感染させないためにすべての予防措置を講じるよう**カンセリングを受ける。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/faq-surveillance.html
**https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/if-you-are-sick/index.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcoronavirus%2F2019-ncov%2Fhcp%2Fguidance-prevent-spread.html
母親が児に触れる前に、とりわけ手の汚れが目に見える場合は、石けんと水で手を洗う様に指示する。石けんと水が手に入らない場合、少なくとも60%のアルコールを含有した手指消毒剤を使う。加えて、直接授乳の時には母親は布で顔を覆う。搾乳器や手で搾乳する時、ポンプやボトルの部品に触る前に母親は上に示したように手を清潔にし、顔を布で覆う。母親に搾乳器の適切な洗浄・消毒方法の勧告を教える。可能であれば、COVID-19重症化のハイリスク** ではない健康な人に搾母乳を与えてもらうことを考慮する。
https://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/breastpump.html
**https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/people-at-higher-risk.html
医療従事者や初期対応者といったSARS-CoV-2暴露の潜在的なリスクの高い仕事に就いている母乳育児中の母親は、仕事中に搾乳することに追加の考慮が必要になる可能性がある。これらの母親はSARS-CoV-2感染のリスクがより高いという前提で、上に書かれているのと同じ勧告に従う必要がある。理想的には、雇用主は母乳育児中の被雇用者に搾乳のための、トイレではない個室を与える。妊娠中である、基礎疾患がある、もしくはCOVID-19重症化リスクのある人と同居している、医療従事者のための追加情報は、以下を参照。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/faq.html
SARS-CoV-2は表面に数時間から数日間存在するというエビデンスがある。勤務中に直接授乳したり搾乳したりする前に行う追加の予防手段について、母親と相談する場合、医療提供者は母親の個別の環境について話し合う(例:COVID-19が疑わしい、もしくは確認された人への暴露のレベル、個人防護具の入手しやすさと適正使用について、など)。現時点では、直接授乳や搾乳をする前に乳房を洗浄したり、搾母乳を入れる容器(哺乳びんや母乳バッグ)の外側を消毒するという手順が、SARS-CoV-2感染のリスクを減らすというエビデンスはない。母親は理論的に可能性のある暴露経路を最小限にするために、このような追加手順を考慮するかもしれない。職場の授乳室などの消毒に関する追加情報はこちらから。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/community/disinfecting-building-facility.html

COVID-19が確認された女性の母乳育児中の児
COVID-19が確認された母親の母乳育児中の児はCOVID-19疑いとみなされ、母の自宅隔離 の推奨期間とその後14日間、感染予防管理下に置かれる。同様のアプローチはCOVID-19が確認された別の人と濃厚接触した児にも適応される。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/disposition-in-home-patients.html
母親は、児がCOVID-19が確認された人とハイリスクのコンタクトをしたことを、児の主治医に伝えるように勧められる。

児の定期健診と授乳支援

医療提供者は乳児健診や生後24カ月までに受けるべき予防接種を可能ならば優先するように、勧められる。COVID-19の流行下での、母乳育児に関連する潜在的な課題、体重のチェックや黄疸の視診や検査によるアセスメントの必要性、ソーシャルディスタンスのストレスが存在するので、新生児のフォローアップ外来(訪問)が(遠隔ではなく)直接会って行われるためにできるだけの努力をするべきである。医療提供者は、地域のCOVID-19の疫学や実践環境の元で、患者、養育者、スタッフのSARS-CoV-2の暴露を最小限にする方法を考慮する。追加情報はこちらから https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/infection-control-recommendations.html 医療現場における感染予防と感染制御
遠隔医療(オンライン医療)といった代替手段も、母乳育児中の母子に対する授乳支援を提供する場合に考慮できる。COVID-19が疑わしいか確認された母や児を直接観察すべき授乳の支援者は、個人予防具(PPE)の使用法の勧告を含む、感染予防管理方法の勧告に従う。PPEが利用できない場合、授乳の支援者は自らもの感染暴露のリスクを減じ、母乳育児中の母子を安全にケアすることができるような代替手段を注意深く考慮する。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-hcf.html
Page last reviewed: May 5, 2020

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CDC:妊娠と母乳育児(一般向け)2020年5月4日
CDC: Pregnancy and Breastfeeding(Pregnancy, Breastfeeding, and Caring for Young Children)
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/need-extra-precautions/pregnancy-breastfeeding.html

(一部を翻訳して紹介)

妊娠と赤ちゃんに対する新型コロナウイルス感染症のリスク

妊娠と赤ちゃんに対する新型コロナウイルス感染症のリスクには、まだ分からないことが多いです。
  • 新型コロナウイルス感染症の母子感染の可能性は低いですが、出産後、お母さんや養育者など、感染している人からウイルスに暴露されて新生児が感染することがあります。
  • 発表された報告は限られていますが、出生直後にウイルスが陽性だった赤ちゃんがほんの少しだけいます。でも、その赤ちゃんにウイルスが感染したのが、出産前か、出産時か、出産後かはわかりません。
  • お母さんが妊娠後期に新型コロナ感染症陽性で、早産などの問題があった例が少数報告されています。しかし、その問題がウイルスに関係しているのかはわかりません。
お母さんが新型コロナウイルスの時の母乳育児
  • 母乳は多くの病気に対する防御因子を供給し、ほとんどの赤ちゃんに対する最良の栄養です。もっと母乳育児について知りたい方はこちらへmore about breastfeeding
  • あなたが、あなたの家族、医療者と一緒に、母乳育児を開始するか、続けるか、どうやって行うかを決めます。
  • 新型コロナウイルス感染症のお母さんが母乳を介してウイルスを感染させるかどうか、確実なことはわかりませんが、手に入る限りのデータでは、可能性はなさそうです。
  • あなたが新型コロナウイルス感染症で直接授乳を選んだ場合
    • 授乳中は布で顔を覆って、授乳の前に毎回手を洗う。
  • あなたが新型コロナウイルス感染症で搾乳することを選んだ場合
    • 自分専用の搾乳器を使う。
    • 搾乳中布で顔を覆い、ポンプやボトルの部品に触ったり、搾乳したりする前に手を洗う。
    • 「適切に搾乳器を洗浄するための勧告」に従い、使用ごとに母乳に触れたすべての部分を洗浄する。
    • 可能ならば、健康で、重症化のハイリスクではない人に搾母乳を与えてもらう。

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オーストラリア・ニュージーランド王立産婦人科学会:妊娠中の女性と家族の方へ
2020年4月29日
The Royal Australian and New Zealand College of Obstetricians and Gynaecologists:
A message for pregnant women and their families
https://ranzcog.edu.au/statements-guidelines/covid-19-statement/information-for-pregnant-women

(母乳育児部分のみ翻訳)

9. 新型コロナウイルス感染症と診断されても、母乳育児をすることができますか?

赤ちゃんに母乳育児を希望する方は、支援と励ましを受けましょう。今のところ、このウイルスが母乳の中に移行するという証拠はなく、母乳育児の利点はよく知られており、新型コロナウイルスの経母乳感染の潜在的リスクを上回ります。お母さんが新型コロナウイルス感染症である場合も、画一的に赤ちゃんと離されてはいけません。一般的な衛生手段で予防を高め、授乳の時のマスクも考慮しましょう。

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WHO:母乳育児とCOVID-19医療者向け よくある質問 2020年4月28日
WHO:FREQUENTLY ASKED QUESTIONS:Breastfeeding and COVID-19 For health care workers
https://www.who.int/docs/default-source/maternal-health/faqs-breastfeeding-and-covid-19.pdf

序文
このFAQは2020年3月13日の「WHO暫定ガイダンス:COVID-19感染症が疑われる重症急性呼吸器感染(SARI)の臨床管理」を補完するものであり、この勧告についての疑問に答えるものである。
https://www.who.int/publications-detail/clinical-management-of-severe-acute-respiratory-infection-when-novel-coronavirus-(ncov)-infection-is-suspected
(母乳育児の項の翻訳 https://jalc-net.jp/covid19_jalc_contents.html#L8

この暫定ガイドラインとFAQは以下を反映している。
i. COVID-19の経母乳感染のリスクに関する入手可能なエビデンス
ii 母乳育児と肌と肌との触れ合いの感染予防効果
iii 不適切に人工乳を使用する場合の有害な影響
このFAQはWHOの勧告である「Infant and Young Child Feeding and the Interagency Working Group Operational Guidance on Infant and Young Child Feeding in Emergencies」も参考としている。「方針決定のためにツリー」はこれらの勧告が、産科施設の医療従事者や地域で母親や家族への日々の職務の一環としてどのように実施されるかを示すものである。
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-breastfeeding

1.COVID-19は母乳育児によって感染しますか?

COVID-19のウイルスは、今のところ、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳中に1例も見つかっていません。したがって、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親から、COVID-19が直接授乳や搾母乳を与えることにより感染することはありそうにないことを、この事実は示しています。研究者はCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳の検査を続けています。

2.COVID-19が 流行している地域では、母親は授乳すべきですか?

はい。すべての社会経済的状況において、母乳育児は生存率を改善し、生涯における健康と発達のアドバンテージを新生児と乳児に与えます。母乳育児は母親の健康も改善します。それに対し、母乳や直接授乳を通じてのCOVID-19の感染は確認されていません。母乳育児をやめたり避けたりする理由はないのです。

3.母親がCOVID-19の感染が確認された/疑わしい場合であっても、出産後すぐに、赤ちゃんが母親と肌と肌との触れ合いをしたり、直接授乳をしたりするのを今まで通り行ってもいいですか?

はい。カンガルー・マザー・ケアも含めて肌と肌との触れ合いを出生直後から継続して実施することは、新生児の体温調整や他のいろいろな生理学的指標を改善し、新生児の死亡率を減少させます。新生児を母親の近くに寝かせることも、母乳育児の早期開始を可能にし、新生児の死亡率を減少させます。肌と肌との触れ合いと母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。

4.母親にCOVID-19の感染が確認された/疑わしい場合でも、母乳育児を続けるべきですか?

はい。COVID-19のウイルスが母乳や直接授乳を通じて感染した事例は確認されていません。直接授乳中は、母親は、できればマスクをするなどの適切な衛生手段を講じ、COVID-19を含んだ飛沫が乳児に暴露する可能性を減らしましょう。母親や家族には、子どもにCOVID-19の感染が確認された例はわずかで、ほとんどは軽症か無症状だったことを伝えましょう。それに対し、母乳育児が、高所得国も含め新生児、乳児、小児の死亡率を減らし、すべての地理的経済的状況の下で生涯にわたる健康と発達を改善したことに関しては、質の高いエビデンスがあります。

5.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が母乳育児をする時の衛生手段の勧告はどのようなものですか?

COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親は、
  • 石けんと水で頻繁に手を洗うか手指用アルコール含有消毒剤を使いましょう。特に赤ちゃんに触れる前にはそうしましょう。
  • 授乳中はマスクをしましょう。以下の点が重要です。
    - マスクが湿ったらすぐに取り換えましょう。
    - マスクはすぐに捨てましょう。
    - マスクの再利用はしないようにしましょう。
    - マスクの前面には触らないようにし、後ろから外しましょう。
  • くしゃみや咳はティッシュペーパーの中にして、すぐに捨てましょう。そして手指用アルコール含有消毒剤を使うか石けんと清潔な水でもう一度手を洗いましょう。
  • 定期的に表面をきれいにし、消毒しましょう。
6.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親がマスクを持っていない時でも、直接授乳すべきですか?

はい。母乳育児は疑いなく新生児と乳児の死亡率を減らし、乳児と子どもの生涯にわたる多大な健康と脳の発達にアドバンテージを与えます。COVID-19の症状を呈している母親はマスクをするよう助言されますが、たとえそれができなくても、母乳育児は続けられるべきです。感染症を予防する他の手段、例えば手を洗う、表面をきれいにする、ティッシュペーパーの中に咳やくしゃみをする、なども重要です。
手作りのマスクや布マスクなどは検証されていません。現時点では、これらの使用の可否については勧告することができません。

7.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親は、直接授乳の前や搾乳前に乳房を洗うことが必要ですか?

COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が自分の胸や乳房の上に直接咳をしてしまってすぐに授乳する場合は、授乳前に石けんとぬるま湯で少なくとも20秒やさしく洗いましょう。
直接授乳や搾乳の度毎に乳房を洗う必要はありません。

8.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が直接授乳できない場合、新生児や乳児のベストな栄養方法は何ですか?

新生児や幼い乳児への直接母乳のベストな代替手段は
  • 搾母乳
    - 搾乳に関しては、まずは手による搾乳を伝え、搾乳器によるものは必要な場合のみとしましょう。手と搾乳器は同じように効果的に搾乳できます。
    - 搾乳に際しどちらを選ぶかは、母親の好み、搾乳器などの手に入れやすさ、衛生環境、コストによります。
    - 搾乳は、母親が回復した後母乳育児ができるよう乳汁産生を維持するのにも重要です。
    - 母親や母親を手伝う人は、搾乳の前やポンプやボトルの部品を触る前に手を洗い、使用毎に適切にポンプを洗浄しましょう。(質問10参照)
    - 搾母乳は、できれば、清潔なカップやスプーン(清潔にしやすいため)を使い、病気の症状や兆候がなく赤ちゃんが安心できる人に与えてもらいましょう。新生児や乳児に搾母乳を与える前には、母親や養育者は手を洗いましょう。
  • 母乳バンクの母乳
    - 母親が搾乳できず、母乳バンクから乳汁が手に入るなら、母親が回復するまで母乳バンクの母乳を赤ちゃんに与えることができます。
  • 搾母乳も母乳バンクの母乳も不可能だったり手に入らなかったりした場合は、以下を考慮しましょう。
    - 乳母(質問11参照)
    - 入手可能で、適切に準備することができ、安全で持続可能な場合、人工乳
9.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の搾母乳を与えることは安全ですか?

はい。COVID-19のウイルスは、今のところ、COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳からは1例も検出されていません。COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の母乳を与えることで、ウイルスが感染することはなさそうです。

10.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が自分の赤ちゃんのために搾乳する場合、搾乳器、母乳の保存容器、授乳の用具の取り扱いに追加することはありますか?

COVID19が考慮されなくても、搾乳器、母乳の保存容器、授乳の用具は、毎回の使用後、適切に清潔にしなければなりません。
  • ポンプや容器は毎回の使用後、液体石けん、例えば食器用洗剤と、ぬるま湯で洗います。湯で10-15秒すすぎます。
  • 食洗器を使う場合は、搾乳器の部品は食洗器の一番上の棚に置きます。使用前には取り扱い説明書を参照のこと。
11.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親が直接授乳も搾乳もできない場合、乳母が推奨できますか?

乳母を選択肢にいれるかどうかは、家族や母親の受け入れ、国のガイドライン、文化的許容度、現実に乳母を頼むことができるか、母親と乳母に支援サービスがあるか、によります。
  • HIVが流行している地域では、乳母となる可能性のある人には、できれば、国のガイドラインに従ってHIVのカウンセリングと迅速検査を行います。検査ができなければ、可能であれば、HIVのリスクアセスメントを行います。HIVのリスクアセスメントやカウンセリングができない場合、乳母を支援します。授乳の際に、HIV感染を避ける方法をカウンセリングします。
  • 乳母による授乳は、月齢の小さい乳児を優先します。
12.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の病気が重症であるか他の疾患があるために直接授乳が行えない場合、いつ直接授乳を再開できますか?

母親が直接授乳を再開するのは、自身が授乳できるだけ元気になったと感じた時です。COVID-19の感染が確認された/疑わしい状態から、どのくらい待たなければならないかの決まった期間はありません。母乳育児が母親のCOVID-19の臨床経過を変えるというエビデンスはありません。
母親が十分回復するために、全般的な健康と栄養に関する支援を受けられるようにしましょう。また、母乳育児の開始や母乳復帰(リラクテーション)に関しての支援も受けられるようにしましょう。

13.COVID-19の検査結果によって、乳幼児の栄養の勧告は変わりますか?

COVID-19の検査が、乳幼児の栄養における決定にすぐに影響するわけではありません。
しかしながら、COVID-19の確認は、適切で推奨された衛生手段を、感染の可能性のある期間、例えば症状がある間や、症状が始まってから14日間かそれ以上、母親が講じなければいけないことを意味します。

14.COVID-19の感染が確認された/疑わしい授乳中の母親に対し、人工乳の「補足」は勧められますか?
いいえ。COVID-19の感染が確認された/疑わしい授乳中の母親に人工乳の「補足」を伝える必要はありません。「補足」を行うと、母親の乳汁産生量を減らします。授乳中の母親はが、適正な乳汁産生を保証するため、最適な授乳姿勢や吸着に関するカウンセリングや支援を受けられるようにしましょう。赤ちゃんの気持ちに応える授乳や母乳不足感について、また、赤ちゃんの空腹や授乳のサインに応えて授乳回数を増やす方法について、母親が相談できるようにしましょう。

15.授乳したいがCOVID-19を児に感染させるのは怖いという母親に伝えるポイントは何でしょうか?

カウンセリングの一部として、母親や家族のCOVID-19に関する不安について認め、以下のように対応しましょう。
  1. COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親からも、COVID-19は母乳中には1例も検出されておらず、今のところウイルスが母乳を通じて感染する証拠はないこと。
  2. 新生児や乳児はCOVID-19の感染リスクが低いこと。乳幼児のCOVID-19の感染確認はわずかで、ほとんどは軽症か無症状であること。
  3. 母乳育児と肌と肌の触れ合いは新生児と乳児の死亡のリスクを有意に減らし、現在のまた生涯にわたる健康と発達に有利であること。母乳育児はまた、母親の乳がんや卵巣がんのリスクを減らすこと。
  4. 母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ること。

16.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親には、人工乳のほうが児にとって安全ですか?

いいえ。すべての状況で、新生児や乳児に人工乳を与えることはいつもリスクを伴います。家庭や地域の状況が危ういときには、人工乳を与えることに関連するリスクは増大します。
例えば、
  赤ちゃんの健康状態が悪くなった時の医療保健サービスへのアクセスの低下
  清潔な水が手に入りにくくなる
  人工乳の供給が困難になる、供給が保証されなくなる、価格が高騰する、供給の持続が困難になる
母乳育児の膨大な利点は、COVID-19ウイルスに関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。

17.WHOの母乳育児とCOVID-19に関する勧告は、どの期間に適応となりますか?

このCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳児のケアと栄養についての勧告は、母親が感染の可能性のある期間、例えば症状がある間や、症状が始まってから14日間かそれ以上に適応されます。

18.このCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親と乳児への勧告は、なぜ一般向けのソーシャル・ディスタンスの勧告と異なるのですか?

成人や年長児がソーシャル・ディスタンスを維持するよう勧告されているのは、COVID-19に感染しているが無症状の人との接触を減らし、結果的にウイルス伝播を減らすためです。
この戦略は、COVID-19の総体的な罹患率を減らし、より重症となる成人の数を減らします。
COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳幼児へのケアと栄養に関するこの勧告の目的は、新生児や乳児の、現在のまた生涯にわたる健康と発達を改善することです。乳児にCOVID-19が起こる可能性や潜在的リスクと、母乳で育てられない場合や人工乳が不適切に用いられた場合の乳児の重症疾患や死亡のリスク、そしてまた、母乳育児や肌と肌との触れ合いの予防効果を、この勧告は考慮しています。
一般的に、小児はCOVID-19の低リスク群です。小児のCOVID-19の感染確認はわずかで、ほとんどは軽症か無症状でした。母乳育児の膨大な利点は、COVID-19に関連する疾患と感染の潜在的なリスクを大きく上回ります。

19.COVID-19の感染が確認された/疑わしい母親の乳児のために人工乳の無償提供を保健医療施設が受け取っても問題ないでしょうか。

いいえ。人工乳の寄付は求めても受け取ってもいけません。必要であれば、必要量をアセスメントした上で物品を購入します。寄付された人工乳は、品質が様々で、月齢に合っていなかったり、必要量に対して多すぎたり少なすぎたり、外国語のラベルであったり、取り扱いについての必須の事項が守られていなかったり、無差別に配布されたり、必要とするところに届かなかったり、その場限りであったり、リスクを減らすのに余分な時間や資源を要したりすることがよくあります。

20.なぜWHOのCOVID-19の感染が確認された/疑わしい母親への母子接触や母乳育児の勧告は一部の国や専門家組織のものと異なるのですか?

母子接触や母乳育児に関するWHOの勧告は、COVID-19の乳児への感染リスクだけでなく、肌と肌との触れ合いや母乳育児の防御効果とともに、母乳育児をしないことや人工乳を不適切に用いることによる疾病罹患率や死亡率に対する重大なリスクをも十分考慮しています。
他の機関の勧告は肌と肌との触れ合いや母乳育児の重要性を十分考慮せず、COVID-19の感染の予防のみに焦点を当てている可能性があります。
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-and-breastfeeding

免責
この文書における、質問に対する回答はWHOの出版物やthe Interagency Working Group Operational Guidance on Infant and Young Child Feeding in Emergencies.に基づいています。WHOの暫定ガイダンスは、WHOの世界的な臨床医のネットワークと、SARS、MERS、重症インフルエンザ、COVID-19の患者を治療してきた臨床医により作成されました。
問い合わせは、件名を「COVID-19 clinical question」として、 outbreak@who.int まで。



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カナダ保健省:妊娠、出産、赤ちゃんのケアについて:
COVID-19流行中におけるお母さんへの助言 2020年4月20日
Public Health Agency of Canada: Pregnancy, childbirth and caring for newborns: Advice for mothers during COVID-19
https://www.canada.ca/en/public-health/services/publications/diseases-conditions/pregnancy-advise-mothers.html

妊娠
COVID-19は新しい病気で、妊娠中の女性にどのような影響が出るかは、まだわかっていません。今のところ、妊娠中の女性のCOVID-19が重症になるリスクが高いという証拠はありません。そして今のところ、お腹の中の赤ちゃんがCOVID-19によって悪影響を受ける可能性があるという証拠もありません。
妊娠期間を通じて、女性は体が変化し、ウイルス性呼吸器感染症などの他の病気のリスクが増大する可能性があります。そのため、妊娠中の女性が病気にならないように以下の予防策を講じることが重要です。特に、重症な合併症を起こすリスクが高い女性は気をつけましょう。
  • 重要な受診の予定を除いて、できるだけ家にいてください。
  • かかりつけ医、産科医または助産師に電話やオンライン診療の予約ができるかどうか、相談してください。
  • 不必要な訪問者が家に来ることを避けてください。
  • せっけんと水で少なくとも20秒間頻繁に手を洗うか、できない場合は、アルコール入りの手指消毒剤を使用してください。
  • 物理的な距離を空けるよう努め、他の人から少なくとも2メートルの距離を保ってください。
  • 自分の口、鼻、目を触れないでください。
  • 混雑した場所やピーク時間を避けてください。買い物は必需品のみにしてください。
  • 公共交通機関での移動は避けてください。
カナダ国外に旅行したことがある場合、または過去14日間にCOVID-19に罹患あるいは、その疑いがある人と濃厚接触した場合は、自己隔離をする必要があります。COVID-19と診断された場合、またはCOVID-19の検査結果を待っている場合は、自宅で隔離する必要があります。

出産
今のところ、母親が妊娠第三半期にCOVID-19に罹患しても、出産による母子感染の証拠はありません。
  • 病院や出産センターで出産する予定の場合は、その施設の方針について確認しましょう。
    • ほとんどの病院と出産センターでは、面会制限をしているか、もしくは面会禁止の方針としています。
    • ほとんどの場合、サポートのために許可されるのは1人だけです。
    • あなたをサポートするためのひとは面会者とは見なされません。
  • 自宅で出産する予定の場合は、助産師と次のことを話し合っておきます:
    • パンデミックの最中、あなたの州または地域で自宅分娩が依然として選選択できるかどうか、そして、
    • 家庭環境が安全であることを保証するために講じるべき予防策。
  • COVID-19に罹患している場合は、望ましいバースプランについて医療提供者と相談してください。バースプランはあなたの希望、医療提供者の安全、および産科の推奨事項に基づいて個別化されている必要があります。
  • 医療提供者は、必要に応じて、周産期(出産直前)、新生児期(出産後)、感染症および集中治療の専門医に相談します。
赤ちゃんのケア
COVID-19に感染している、または感染している可能性がある場合は、できるだけ自分の家にいる必要があります:
これには、赤ちゃん以外の人と、家の中で物理的距離をとることが含まれます。
希望があれば、赤ちゃんと同じ部屋で一緒に過ごすことができます。特に母乳育児を確立して絆を結ぶ時期には。ただし、ウイルスが赤ちゃんにうつるのを防ぐために、可能な限りの予防策を講じる必要があります、それには以下のものが含まれます:
  • 赤ちゃんや他の子供に触れる前後には特に、ご自身の手を頻繁に洗ってください。
  • 赤ちゃんを含む他の人と密接に接触することを避けられない場合、あなたの周りの人々を守るため医療用マスク、ない場合は、非医療用マスクまたはフェイスカバー(つまり、鼻と口を隙間なく完全に覆い、ひもまたは耳かけで頭に固定されている)をつけましょう。
  • 周囲の環境を清潔にし、承認された硬表面消毒剤で消毒してください。
母乳育児は、乳児期および小児期を通じて赤ちゃんの感染や病気のリスクを低下させます。 COVID-19を引き起こすウイルスは母乳からは証明されていません。
  • 母乳育児の利点と他の呼吸器ウイルスの伝染に母乳が関与する可能性はわずかだということを考慮すると、母乳育児は継続できます。
  • ただし、母親がCOVID-19に感染している、または感染している可能性がある場合、授乳中は常に医療用マスクを着用するか、できない場合は非医療用マスクまたはフェイスカバーを着用し、赤ちゃんに毛布またはタオルでくるむことを検討してください。
  • 母親は、赤ちゃんとの密接な接触の前後に、適切な呼吸器衛生と手指衛生を守る必要があります。

体調不良のために母乳育児ができない、または赤ちゃんの通常の世話ができない場合は、次のことをお勧めします:
  • 健康な成人に、赤ちゃんの授乳とケアを依頼します。人によっては症状がなくてもCOVID-19をうつす場合があります。
  • 誰かがCOVID-19に感染しているもしくは感染している可能性のある家で赤ちゃんを世話するときは、非医療用のマスクまたはフェイスカバーを着用して、赤ちゃんや周りの人を保護してください。
  • 赤ちゃんには人工乳または搾母乳を与えてください。
  • 搾乳器を使用している場合は、使用前毎に器具を注意深く滅菌してください。
  • 哺乳びんや搾乳器を共有しないでください。
  • 2メートルの物理的な距離が確保できない場合、他の健康な家族に非医療用マスクの着用を依頼します。

訪問者
物理的距離をとっている期間は、訪問者を制限または避ける必要があります。うっかり自分や家族の誰かをウイルスにさらしたくはないでしょう。あなたもしくはあなたの子どもがCOVID-19に感染しているか感染しているかもしれない場合、訪問者を受け入れないことが特に重要です。

メンタルヘルス
COVID-19のため、子どもから離される必要があるかもしれない親や養育者、および主な養育者から離される必要があるかもしれない子どもは、メンタルヘルスと心理社会的なサポートのために適切に訓練された医療従事者または非医療従事者に相談する必要があります。地元の公衆衛生局に問い合わせてください。
COVID-19について懸念がある場合は、かかりつけ医、産科医または助産師に相談してください。

リソース 略

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米国産婦人科学会:
一般向けQ&A 2020年4月16日
https://www.acog.org/patient-resources/faqs/pregnancy/coronavirus-pregnancy-and-breastfeeding

Q:新型コロナウイルスは母乳を通じて赤ちゃんにうつりますか?
A:今のところ、このウイルスは母乳の中には見つかっていません。しかし、病気のお母さんから赤ちゃんに母乳を通じてこのウイルスがうつるかどうかについては、まだ十分な情報がないのです。
母乳は多くの病気から赤ちゃんを守ります。そしてまた、母乳はほとんどの赤ちゃんに最良の栄養です。母乳育児を始めるか、また、続けるかについて、かかりつけの産婦人科医や医療専門家(助産師など)と話し合ってみましょう。家族や医療チームと一緒にどうするか決めることができるでしょう。

Q:赤ちゃんに新型コロナウイルスがうつるのを避けることはできますか?
A:新型コロナウイルス感染症の症状があったり、すでに診断されたりしている場合、赤ちゃんにウイルスがうつらないように以下の手順を行ってみましょう。
   搾乳後はだれか健康な人に母乳を赤ちゃんにあげてもらうこともできます。

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ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル(LLLI)のメディア・リリース(米国ノースカロライナ州)2020年4月16日改訂
(LLLIのメディアリリース改訂版の日本語訳へのリンクあり)
https://llljapan.org/infections2020.html
LLLI: Breastfeeding, Childbirth, and COVID-19
https://www.llli.org/breastfeeding-childbirth-and-covid-19/

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米国家庭医学会:新型コロナウイルス感染症と授乳についての声明
2020年4月15日
AAFP Statement on Breastfeeding and COVID-19
https://www.aafp.org/dam/AAFP/documents/patient_care/public_health/AAFP-COVID-Breastfeeding-Policy.pdf
(以下全文)
母乳は急性および慢性の疾患に対する防御因子を提供する。米国家庭医学会は、特定の医学的な状況を除き、大部分の乳児の栄養として母乳を推奨する。限られたエビデンスであるが、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2は、呼吸器の飛沫で広がり、今のところSARS-CoV-2は母乳中に検出されておらず、近縁のコロナウイルス感染症ウイルスも母乳中に見られていない。よって、米国家庭医学会は母乳育児と親と子のきずなを推進し、親と子を分離することをできる限り避けるよう勧告する。

親が新型コロナウイルスに暴露されたが無症状である場合、母乳育児は合理的な選択である。親はマスクをし、注意深く手指衛生を行うことで、呼吸器の飛沫に児が暴露されるリスクを減らすことができる。

親が新型コロナウイルス感染症の診断を受けたり、ウイルスに暴露されて症状を呈していたりする場合でも、直接授乳や搾母乳を児に与えることは、依然合理的な選択である。マスクや手洗いに加え、直接授乳以外の児との接触を制限したり、搾乳して他の新型コロナウイルス感染症を呈していない家族に与えてもらうことなどは、児の暴露を減らすことになろう。手動や電動の搾乳器で搾乳する場合、使用の度に親はポンプやボトルに触れる前に手を洗い、使用後は搾乳器を消毒する。

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WHO欧州:COVID-19と母乳育児・方針文書 2020年4月
WHO Europe:COVID-19 and breastfeeding Position paper
http://www.euro.who.int/__data/assets/pdf_file/0010/437788/breastfeeding-COVID-19.pdf

(全文を翻訳)
母乳は乳児の栄養源として最良のもので、コロナウイルスの感染が確定している、もしくは疑わしい母親においても同様です。感染している母親が以下に示すような適切な予防措置を講じている限り、赤ちゃんに直接授乳することは可能です。母乳は、呼吸器疾患を予防する抗体や免疫物質を含んでいます。小児の成長、発達、健康に対する重要性とともに、長じての肥満や非伝染性疾患の発症を減らすことに、母乳育児が役立つことを支持するエビデンスは、日々蓄積を続けています。

母乳で育てられている乳児のリスクは何ですか?

今までのところ、COVID-19の原因となるこのウイルスは、母乳の中からは見つかっていません。 しかし、この疾患は新しく、エビデンスは限られた研究に基づいています。このウイルスがどのように伝播するかや母親がこの疾患に罹患している場合の乳児のリスクはどのようなものかについて、公衆衛生の当局は情報を収集し続けています。限定的な研究ですが、COVID-19や他のコロナウイルス感染症(SARSコロナウイルス)の女性において、ウイルスは母乳中には見つかっていません。中国の武漢からの最近の報告では、妊娠中にCOVID-19であった6人の初乳を集め、検査したものがありました。すべての検体からウイルスは見つかりませんでした。しかし、この結果を確認するためにはさらなる研究を必要とします。伝染の一番のリスクは、感染した母親の気道分泌物と考えられています。大切なことは、今まで経験したところでは COVID-19の疾患経過は一般的に乳幼児において重症ではないということです。

リスクにはどのように対応したらよいですか?

WHOの現在のガイダンスでは、COVID-19の女性は、本人が希望すれば、以下の予防措置をとった上で、母乳育児が可能です。
  1. 鼻と口を覆うマスクをつけるなどの、呼吸器の衛生手段を行う。
  2. 赤ちゃんに触れる前後に石けんと水で20秒手を洗う。
  3. 触ったところを定期的にきれいにして消毒する。
母親の側にいることや、早期から母乳だけで育てることはどちらも赤ちゃんの成長を助けます。ですから、母親がCOVID-19に感染していたとしても、赤ちゃんを触ったり抱いたりすること、安全な呼吸器衛生の下での直接授乳、肌と肌とを触れ合わせて抱くこと、母子同室を勧めましょう。一般的に、WHOは、生後6か月間は母乳だけで育て、その後、栄養価が高く、健康的な食物を与えながら、2歳かそれ以上まで母乳育児を続けるよう、母親に勧告しています。

母親が直接授乳できないほど病気が重いときはどうしたらいいですか?

COVID-19のために母親の状態が悪く、赤ちゃんに直接授乳ができないときは、搾乳や母乳復帰(母乳育児の中断や非常に少量の乳汁分泌となった期間のあとで、母乳育児に復帰する過程)、認定された母乳バンクからのドナー母乳の使用に対する支援を受けましょう。

さらなる情報はWHOのウェブサイトへ
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-pregnancy-childbirth-and-breastfeeding

European Academy of Pediatrics
European Board & College Obstetrics and Gynecology
European Confederation of Primary care Pediatricians
European Pediatric Association

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UNCEF Coronavirus disease (COVID-19): What parents should know
https://www.unicef.org/stories/novel-coronavirus-outbreak-what-parents-should-know

問: コロナウイルスに感染したお母さんが母乳を与えても大丈夫ですか?

答:ウイルスが蔓延している地域やリスクのある地域に住んでいて、発熱、咳、呼吸困難のあるすべてのお母さんは、早く医療機関にかかって、医師からの指示に従いましょう。
母乳育児の利点と、他の呼吸器疾患を起こすウイルスの感染が母乳経由で起こることはほとんどないことから、感染したお母さんは必要な予防策を行いながら、母乳育児を続けることができます。
症状があっても授乳できるくらい元気なお母さんは、子どもの側にいるときは(授乳中を含め)マスクをつけ、子どもに触れる前後(授乳するときも含みます)は手を洗いましょう。そして汚染された表面はきれいにし、除菌しましょう。これはCOVID-19に感染していることが確認された人、および疑いのある人だれでもが、子どもを含む他の人と接触する場合に行うべきことです。
お母さんの具合が悪くて授乳できない場合は、上記の感染予防策を行いながら、搾乳して清潔なカップやスプーンで子どもに与えるようにしましょう。

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WHO東地中海地域事務所:
新型コロナウイルス感染症アウトブレイク中の母乳育児  2020年4月
WHO EMRO:Breastfeeding advice during the COVID-19 outbreak
http://www.emro.who.int/nutrition/nutrition-infocus/breastfeeding-advice-during-covid-19-outbreak.html
母乳育児は新生児が病気になるのを防ぎ、乳児期や小児期を通じて病気になることから子どもを守るのを助けます。母乳育児は特に感染症に対して効果があります。なぜなら、お母さんから直接に抗体をもらうことによって、免疫が強化されるからです。新型コロナウイルス感染症が確認されるか疑わしい場合、直接授乳をしていたり、肌と肌とのふれあいをしているお母さんに症状があったら、予防措置をしましょう。

母乳育児中のお母さんへ
  • 次のような呼吸器衛生を行いましょう。直接授乳の時にもです。息切れのような呼吸器症状がある場合は、赤ちゃんのそばにいるときはマスクをします。
  • 子どもに触れる前後は石けんや消毒剤で徹底的に手を洗います。
  • 触れた場所を定期的にきれいにし、消毒します。
  • コロナウイルス感染症が重症だったり他の合併症があったりして、赤ちゃんの世話や直接授乳ができないときは、母乳を搾って赤ちゃんに安全にあげましょう。直接授乳も搾乳もできないほど症状が辛かったら、母乳復帰(しばらく授乳を休んで再開すること)、乳母(ほかの女性に赤ちゃんの授乳や世話をお願いすること)、ドナーミルク、といったやり方を探ることもできます。どの方法を用いるかは、文化や受け入れやすさ、利用のしやすさによるでしょう。
医療施設やスタッフ
  • 産科サービスや新生児ケアを提供している施設は、どの部署であっても、どのスタッフであっても、母乳代用品、哺乳びん、人工乳首、おしゃぶりを推進してはいけません。
  • お母さんや赤ちゃんの新型コロナウイルス感染症が疑わしかったり、可能性が高かったり、確認されたりしているかどうかにかかわらず、お母さんと赤ちゃんは一緒にして、肌と肌の触れ合いを行い、夜も昼も同室できるようにしましょう。特に生まれてすぐの母乳育児を確立する時期はそうしましょう。
カウンセリングと心理社会的支援
  • お母さんや赤ちゃんや子どもに、新型コロナウイルス感染症が疑わしかったり確認されたりしたときは、母乳育児のカウンセリングや基本的な心理社会的支援、栄養の実際的な支援を探しましょう。そうすれば適切にトレーニングされた医療の専門家や、地域に根差した母乳育児のピアカウンセラー(訳注:母乳育児の経験のあるカウンセラー)の支援を受けることができる可能性があります。
赤ちゃんの標準的な栄養ガイドライン
  • 生まれて1時間以内に母乳育児を始めましょう。
  • 6か月間は母乳だけ、生後6か月になったら適切で安全な補完食(訳注:離乳食)を始めましょう。
  • 母乳育児は2歳かそれ以上まで続けましょう。

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日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会/日本産婦人科感染症学会:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(医療者向け)第3版 2020年4月7日
http://jsidog.kenkyuukai.jp/images/sys/information/
20200414113425-0CC09573DD8A6ED051C0E8DE7F5C73BA573029CE9C51E8D695C26F8E23ABE31A.pdf


栄養の部分のみを記載します。9ページに記載があります。
「母乳にウイルスが含まれるという報告はありませんが、直接哺乳時の飛沫感染、搾乳器による接触感染のリスクがありますので新生児は完全な人工栄養とし、母児双方ともPCRでウイルスが陰性となるまでで母体との接触は避けてください。感染が否定できない場合は個室でクベース収容を行ってください。児の管理は新生児科と十分な連携を取ってください。」

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CDC:産科施設入院中の検討事項 2020年4月4日改定版
CDC:Considerations for Inpatient Obstetric Healthcare Settings
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/inpatient-obstetric-healthcare-guidance.html

改訂の要約(以下を反映:ガイダンスは更新して以下を明らかにしている。)
  • COVID-19が確認された、もしくは疑いのある、妊娠中の女性への訪問者、および、必要な支援をする人に関する検討事項。
  • 入院時にCOVID-19が疑われた妊娠中の女性、および入院中にCOVID-19の症状が出現した妊娠中の女性の検査を優先する
  • COVID-19が疑わしい児を他の健康な児から隔離する
  • COVID-19が確認された、もしくは疑いのある母親と児が一緒にいるのか出生後母子分離するのかはケースバイケースで、母親と医療チームがshared decision-making(情報を共有した上での決定)を用いて決める。

感染の予防と管理に関するこれらの検討事項は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性に入院での産科的ケアを提供している保健医療施設のためのものである。入院での産科ケアには、産科トリアージ、分娩、回復、産後ケアが含まれる。

この情報は感染管理についてのCDCの暫定ガイダンス(より広範囲のもの)を適用する場合に、病院や臨床家の助けになるように作成された。
(Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings).
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/infection-control/control-recommendations.html

産科や新生児の病棟の設備は様々であるため、それぞれの施設ごとにCOVID-19の原因ウイルスの感染予防に必要な空間やスタッフ配置を考慮する。これらの検討事項は以下のものを含む。
COVID-19の感染が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性の適切な隔離;その部署のすべての医療スタッフに対する、感染管理の実施や個人防護具(PPE)の使用や取り扱いの正確な遵守を含む、基本的なものや再教育のトレーニング;ケアのすべての場における充分で適切な個人防護具(PPE)の供給;新生児をCOVID-19のリスクからも守る方法

これらの検討事項はCOVID-19の原因となるウイルス感染についての現時点での入手可能な限定的なエビデンスや、インフルエンザ、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスを含む重症呼吸器感染症の原因となるウイルスに関する知見に基づいている。以下のアプローチは意図的に慎重なものになっている。いずれ追加情報が得られ、産科入院中のヒトーヒト感染予防についての推奨が整うであろう。

入院前の検討事項
  • COVID-19感染が確認されたか疑わしい妊娠中の女性は到着前にそのことを産科施設に連絡する。そうすれば産科施設は適切な感染管理の準備を行うことができる。それは最適な分娩室の準備の選択、感染予防の保証、物品や個人防護具(PPE)が適切に配置されているか、その患者への感染管理のケアにかかわる医療スタッフへの到着前の周知と訓練、である。
  • COVID-19が確認されたり検査中であったりする妊娠中の女性が救急車で到着する場合、運転手は受け入れの救急担当部署や医療施設に連絡を取り、事前に同意した地域または地区の移送手順に従う。追加情報は以下を参照のこと。
    Interim Guidance for Emergency Medical Services (EMS) Systems and 911 Public Safety Answering Points (PSAPs) for COVID-19 in the United States.
  • 医療スタッフは、COVID-19が確認されたか検査中の妊娠中の女性の到着予定を迅速に施設の感染管理部門に連絡する。
入院中
  • 医療施設はCOVID-19感染が確認されたか検査中の妊娠中の女性の入院に関する感染管理の実践勧告を確実に行う。これは下記に合致する。
    Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings
  • 産科ケアを提供するすべての保健医療施設は、全職員が適正にトレーニングされ、感染管理の実践勧告の介入を確実に実施しなければならない。
    個人個人の医療スタッフ全員が感染管理器具の使用法を理解し、遵守できることが保証される。
  • 入院して産科ケアを提供する保健医療施設は、COVID-19が確認されたか検査中の妊娠中の女性への訪問者(訳注パートナー、ドゥーラなども含む)を制限する。
    • 訪問者は妊娠の女性の心地よさやケアに結び付く人(エモーショナル・サポートを提供できる者)に制限する。
      • 市中感染拡大により、施設は訪問者を制限し、必要な一人だけに限定する可能性がある。その一人は入院中ずっと同じである可能性もある。
      • 患者と訪問者の相互作用の代替として、ビデオ通話アプリのようなものが追加の支援者に関しては、奨励できるかもしれない。
    • 分娩室に入室を許可された訪問者は、急性呼吸器疾患の症状の有無をチェックされ、呼吸器症状や発熱がある場合は入室を許可されない。
    • 保健医療施設を訪問する訪問者は、マスク(布のマスクを含む)の使用法と現在の施設訪問方針に従った個人防護具(PPE)の適切な使用法を伝えられる。
      加えて、訪問者は患者の部屋のみを訪れて、新生児室を含む施設の他の場所には行かないよう指示される。
  • 入院時にCOVID-19が疑わしい、もしくは入院中COVID-19が疑われる症状を呈した妊娠中の女性は優先的に検査を受ける。
  • 分娩時にCOVID-19が確認されている女性から生まれた児はCOVID-19疑いの児とみなされる。なので、COVID-19疑いの児は健康な児から隔離され、以下に従ってケアされるべきである。
    Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Suspected or Confirmed COVID-19.

母子接触

母と新生児の肌と肌との触れ合いには多くの利点があることはよく知られている。母親と児のきずなを形成し、母乳育児の可能性を高め、血糖値を安定させ、児の体温を維持する。感染性の呼吸器分泌物に接触することによる出生後の新型コロナウイルスの感染が懸念されるが、乳児の感染のリスクや新型コロナウイルスの臨床的重症度は明らかにされていない。

COVID-19が確認された、もしくは疑わしい母親と児が一緒にいるのか出生後母子分離するのかはケースバイケースで、母親と医療チームがshared decision-making(情報を共有した上での決定)を用いて決める。
この決定における検討事項
  • 母親と児の病態
  • 新型コロナウイルスの検査結果 母親(確認された、疑わしい)と児(児の検査が陽性なら隔離の必要性はなくなる)
  • 直接授乳の希望
  • 隔離か同室かに対する施設の対応能力
  • 退院に際して隔離が維持できるか
  • COVID-19が確認された、もしくは疑わしい母親と児の一時的な母子分離のリスクと利点
母子分離が施行されない場合、母親から児への感染リスクの低減する方法には以下が含まれる。重ねて言うが、shared decision-making(情報を共有した上での決定)を行うこと。
  • 物理的な壁(例:母親と児の間のカーテン)といった工学的な管理も利用し、児を6フィート(訳注:約1.8m)以上母親から離す。
  • 母親が直接授乳を選択した場合、マスクを着用し手指衛生をそれぞれの授乳の前に行う。
  • 母親が母乳育児を選択せず、児をケアする健康な大人が部屋の中にいない場合、COVID-19感染が確認されたか疑わしい母親はマスクを着用し、手指衛生1)をそれぞれの授乳や新生児との濃厚接触の前に実施する。
  • マスクは新生児と接触する際は使用を続ける。これらの実践は、母親が保健医療施設の感染経路別予防策の対象である間は続ける。
COVID-19が確認された、もしくは疑いのある母親と児を、感染のリスクを下げるために一時的に別室にする決定がなされた場合は、以下を考慮する。
母乳育児
  • 一時的な隔離が実施された場合、母乳育児を希望する母親は母乳産生の確立と維持のために搾乳をすることが奨励される。可能であれば、高性能の搾乳器が与えられるべきである。搾乳に先立ち、母親は手指衛生を行う。1)毎回の搾乳終了ごとに、乳汁に触れたすべての部品は徹底的に洗浄し、ポンプ全体は器機の説明書に従い、適切に消毒する。搾母乳は健康な養育者が新生児に与える。
  • 母親のCOVID-19が確認されたか疑わしく、母子同室を行なっていて、母親が直接授乳を希望する場合、母親はマスクを着用し、授乳ごとに手指衛生を行う。
脚注
(1)手指衛生は、アルコール含量60%から95%の手指消毒剤の使用を含み、以下の場合に行う。すべての患者との接触の前後、潜在的な感染物質との接触の前後、手袋を含む個人防護具(PPE)の着衣前と脱衣後。手指衛生は20秒以上の石鹸と水での洗浄でもよい。手指が目に見えて汚染された場合、石鹸と水による洗浄を行ってからアルコール含有手指消毒剤を用いる。

追加情報
  • Evaluating and Reporting Persons Under Investigation (PUI)
  • Resources for Hospitals and Healthcare Professionals Preparing for Patients with Suspected or Confirmed COVID-19
  • Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Patients with Confirmed Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) or Persons Under Investigation for COVID-19 in Healthcare Settings
  • World Health Organization Interim Guidance on Clinical Management of Severe Acute Respiratory Infection When Novel Coronavirus (nCoV) Infection Is Suspectedexternal icon

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イタリア新生児学会:
母乳育児と新型コロナウイルス感染症―暫定的に適応する方針文書(欧州新生児周産期学会承認) 2020年4月3日
The Italian Society on Neonatology:Breastfeeding and coronavirus disease‐2019: Ad interim indications of the Italian Society of Neonatology endorsed by the Union of European Neonatal & Perinatal Societies
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/mcn.13010

(抄録より母乳育児部分のみ翻訳)
母親が事前にCOVID-19陽性確認、もしくは検査中であり、分娩時に無症状か非常に軽微な症状であった場合は、母子同室は可能であり、厳密に感染予防の方策を取った上で直接授乳も可能である。一方、COVID-19の母親の病状が重く、新生児のケアができない場合は、児は母子分離の上、新鮮な搾母乳を与える。その搾母乳に低温殺菌は不要である。人乳にはCOVID-19のウイルスは含まれないとされているからである。

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中国:
COVID-19アウトブレイク下の授乳に関する方針(3文献)2020年2~4月
1、Chen D, Yang H, Cao Y, et al. Expert consensus for managing pregnant women and neonates born to mothers with suspected or confirmed novel coronavirus (COVID-19) infection.Int J Gynaecol Obstet. 2020 May;149(2):130-136. doi: 10.1002/ijgo.13146. Epub 2020 Apr 1.(20-Mar-20)
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ijgo.13146

新生児ケア:COVID-19感染妊婦から生まれた新生児の臍帯結紮遅延は推奨されておらず、児は直ちに沐浴して乾かす。SARS-CoV感染妊婦に関する以前の限られたデータでは、母親から胎児への垂直感染の可能性は低いことが示されている。COVID-19の垂直感染については1例が生後30時間の新生児で報告されている。したがって、COVID-19感染が疑われるか診断された母親の新生児は出生後14日間隔離し、感染の臨床症状を注意深く監視する必要がある。母親と新生児は、両方が感染解除されるまでは別々に隔離する必要がある。搾乳する場合は搾乳前に乳房を洗浄し、厳格な手指衛生を行う必要がある。現在COVID-19ウイルスが母乳に存在するかどうかは不明で、母乳育児は推奨されていない。授乳が許可された場合、服薬の調整は必要ない。母親は定期的に搾乳して分泌を確保すること、必要に応じて心理的支援を受ける必要がある。

2、Pediatric Committee, Medical Association of Chinese People's Liberation Army, Editorial Committee of Chinese Journal of Contemporary Pediatrics.
Perinatal and neonatal management plan for prevention and control of SARS-CoV-2 infection (2nd Edition). CJCP 2020, Vol. 22 Issue (3): 195-198, DOI: 10.7499/j.issn.1008-8830.2020.03.003 (Mar-20)
http://www.zgddek.com/EN/abstract/abstract24946.shtml

重症妊婦の新生児治療プロセス:母親は主に感染部門で治療され、新生児は14日間隔離することが推奨される。母乳がSARS-CoV-2核酸検査で陰性であり、母が14日間観察された後母乳育児を検討することができる。
ハイリスク新生児の管理原則:医学的観察のために、14日間単一の部屋に置かれる必要がある(臨床経過、臨床検査などにより、感染を明確に除外できる場合、観察はもっと早く終了できる)。リスクを軽減するために、感染母体の母乳は一定期間使用しない。ドナー乳を使用する場合は、使用前に低温殺菌する必要があるが、母親には搾乳を強く勧める必要がある。

3、Wang L, Shi Y,Xiao T,et al.; on behalf of the Working Committee on Perinatal and Neonatal Management for the Prevention and Control of the 2019 Novel Coronavirus Infection、Chinese expert consensus on the perinatal and neonatal management for the prevention and control of the 2019 novel coronavirus infection (First edition). Ann Transl Med 2020;8(3):47. doi: 10.21037/atm.2020.02.20 (06-Feb-20)
http://atm.amegroups.com/article/view/35751/html

母乳:2019-nCoVの垂直感染の可能性は否定できない。2019-nCoVが確定しているまたは疑われている母親の母乳は児に与えない。 疑われるか診断された母親でも母乳検査で陰性の場合には、児に母乳が与えられるべきである。潜伏期間中にウイルスが乳汁中に排泄される可能性があるため、2019-nCoVのスクリーニング後のドナー乳の使用を検討することができる。


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英国(王立)産婦人科学会:
コロナウイルス感染と妊娠 2020年3月28日
妊婦とその家族に対するインフォーメーション
RCOG:Coronavirus infection and pregnancy:Published: 28/03/2020
Information for pregnant women and their families
https://www.rcog.org.uk/en/guidelines-research-services/guidelines/coronavirus-pregnancy/covid-19-virus-infection-and-pregnancy/

授乳の部分だけを訳しています。
Q、コロナウイルス感染の疑いがある、または確認された場合、赤ちゃんと一緒にいたりSTS(肌と肌とのふれあい)をすることはできますか?
はい、あなたがそうしたいのであれば。赤ちゃんが元気で、新生児病棟でのケアを必要としなければ、出産後も一緒にいられます。
他の国で、コロナウイルスが確認された女性は、14日間赤ちゃんから離れることを勧めているところがあります。しかしそうすることは授乳及びボンディングにネガティブな影響を与える可能性があります。
赤ちゃんのケアを個別に行うために、このリスクと利点について、あなたとあなたの家族と、赤ちゃんのケアをする医師(新生児科医)の間での話し合いがもたれるべきです。
このガイダンスは、今後の情報の変化によって変更される可能性があります。

Q コロナウイルス感染が疑われる場合や確認された場合、赤ちゃんを直接母乳で育てることができますか?
はい。ウイルスが母乳によって運ばれることを示す証拠はありません。母乳育児のよく知られている利点は、母乳を介したコロナウイルス感染の潜在的なリスクを上回っています。
直接授乳の主なリスクは、あなたと赤ちゃんが密接に接触していると、咳やくしゃみによってウイルスに感染した飛沫が飛び散って、出まれた赤ちゃんを感染させることです。
直接母乳で育てることのリスクと利点についての話し合いは、あなたとあなたの家族、そしてあなたの産科チームの間で行われるべきです。
このガイダンスは、今後の情報の変化によって変更される可能性があります。
あなたか、または他の誰かが赤ちゃんに授乳するときは、次の予防策が推奨されます。
  • 赤ちゃんと搾乳器または哺乳ビンに触れる前に、手を洗ってください
  • 授乳中は赤ちゃんの側で咳やくしゃみをすることを避けてください
  • 可能であれば、授乳中はフェイスマスクを着用してください
  • 使用後の搾乳器洗浄に関する推奨事項に従ってください
  • 搾母乳を赤ちゃんに与えるのを、誰か健康な他の人に頼むことを検討してみてください。
赤ちゃんに人工乳または搾母乳を与えることを選択した場合は、滅菌ガイドラインを厳守すること勧めます。病院で搾乳している場合は、自分専用の搾乳器を使用しなくてはなりません。

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日本新生児成育医学会:
新型コロナウイルス感染症に対する出生後早期の新生児への対応について第3報 2020年3月23日
http://jsnhd.or.jp/pdf/202000323COVID-19.pdf

(一部を紹介)
出生後の新生児の管理について

現時点において、新生児が新型コロナウイルス感染により重症化するかどうかは明らかではない。しかし、コロナウイルス感染に関連した新生児への感染を防ぐ対応(主に隔離および飛沫・接触感染予防策)をすることが推奨される。
  1. 母親が新型コロナウイルス感染症を発症し分娩に至った、あるいは、感染症症状消 失後まもなく分娩に至った場合
    • 母から子へウイルスの飛沫・接触感染を防ぐために、分娩後より一時的に母と子は分離し、母親は個室隔離、子は保育器隔離またはコホート隔離を行う。児は可能であれば、陰圧管理個室が望ましい。十分なスペースがない場合は、他児との間をパーテーション等で分離する。医療従事者は、フェイスマスクやゴーグル等も使った飛沫・接触感染予防策を十分講じ、ケアや治療を行う。
    • 母児同室の希望がある場合は、母親や家族と十分に話し合い検討する。
    • 児の症状の観察とバイタルサインのモニタリングを行い、院内の感染対策チームや保健所等に連絡し、ウイルス学的検査を検討したのち、適切な対症療法を行う([文献]に新生児呼吸障害に対するコメント、小児例では[文献]に症状、検査、治療が記載されている)。
  2. 母親が分娩後~産院退院までに発症した場合(カンガルーケアや直接授乳などすでに濃厚接触している場合)
    個室にて、直ちに飛沫・接触感染予防策を講じて母子同室による隔離を行う。その際、児を保育器に収容する等の予防策を講じ、母子間の飛沫・接触感染の可能性につき十分注意を払う。可能であれば、陰圧管理個室が望ましい。 (中略)

母乳の取り扱い・直接授乳について

母親かが感染症状を呈している場合は、接触や飛沫を介して児が感染するリスクがある ので、現時点においては、直接授乳は避けることが望ましい。ただし、母乳はできるだ け搾乳し、児に与える。
日本小児科学会は、母親が解熱し状態が安定していれば、手洗い等を行った上で搾乳により母乳を与えることは可能としている[文献]。CDCは母乳を搾乳で与えることを推奨 し母親の十分な飛沫・接触感染対策を行えば、直接授乳も可能としている[文献]。中国か らのエキスパートコンセンサスでは、母乳中のコロナウイルス PCR検査で陰性の確認をしてから母乳を与えることを推奨している[文献]。新型コロナウイルス感染に関連した母乳の情報は現時点で非常に少ない。そのため、今後の知見やデータにより改訂する 必要がある。
現時点で、いつから直接授乳のための母子接触が可能かの明確な基準はなく設けることはできないが、母親の症状が消失し、感染のリスクが低くなったと判断された時から行うことを勧める。

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ILCAの声明:COVID-19 パンデミック中の母乳育児支援 2020年3月 18日
ILCA Statement on Breastfeeding and Lactation Support During the COVID-19 Pandemic
https://lactationmatters.org/2020/03/18/ilca-statement-on-breastfeeding-and-lactation-support-during-the-covid-19-pandemic/
日本語訳は下記
https://ilca.org/wp-content/uploads/2020/04/ILCA-Statement-for-COVID-19_Japanese.pdf
注:ILCA- International Lactation Consultant Association

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WHO:新型コロナウイルス 妊娠・出産・授乳についてのQ&A(一般向け)2020年3月18日

Q&A on COVID-19, pregnancy, childbirth and breastfeeding。
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/q-a-on-covid-19-pregnancy-childbirth-and-breastfeeding

主に授乳に関する部分だけの日本語訳がこちらにアップされています。
https://www.facebook.com/BonyuikujiNoPolitics/posts/1261910740685451

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WHO暫定ガイダンス:
COVID-19感染症が疑われる重症急性呼吸器感染(SARI)の臨床管理;  2020年3月13日
Translated from “Clinical management of severe acute respiratory infection (SARI) when COVID-19 disease is suspected: interim guidance, 13 March 2020 “. Geneve:
World Health Organization; 2020. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/331446/WHO-2019-nCoV-clinical-2020.4-eng.pdf

訳注:この暫定ガイダンスの翻訳は日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)により行われたもので、WHOの承認を得た正式な訳ではありません。また、この暫定ガイダンスは15の章から成り、様々な介入について「やるべきこと」「やるべきではないこと」「考慮すべきこと」などのシンボルマークがつけられています。JALCは13章のみを翻訳しましたが、13章に述べられた介入は、いずれも「やるべきこと」のマークがついています。
Do: やるべきこと:
この介入は有益である(強く推奨)。もしくは、この介入はベスト・プラクティス・ステートメント(介入が適切であることが予想されるが、利益と害のバランスが不明で、エビデンスの評価が困難なもの)である。
Don’t: やるべきでないこと
この介入は有害であることがわかっている。
Consider: 考慮すべきこと。
この介入は、ある患者には有益かもしれない。もしくは、この介入を考慮する場合には注意が必要かもしれない。

13. COVID-19に感染している母親と乳児のケア:IPC(感染予防と制御)と母乳育児

COVID-19感染が確定した乳児の報告は相対的に少ないが、報告例は軽症として経験されている。垂直感染は報告されていない。COVID-19陽性の6人の母親の羊水、および、帝王切開で出生した新生児の臍帯血と咽頭ぬぐい液は、RT-PCR検査ですべてCOVID-19ウイルス陰性であった。母親の初乳を検査したが、それもすべてCOVID-19ウイルス陰性であった。(68.69)
68. Zhu H, Wang L, Fang C, Peng S, Zhang L, Chang G et al. Clinical analysis of 10 neonates born to mothers with 2019-nCoV pneumonia. Transl Pediatr. 2020;9(1):51-60. Epub 2020/03/11. doi: 10.21037/tp.2020.02.06. PubMed PMID: 32154135; PMCID: PMC7036645.
69. Chen H, Guo J, Wang C, Luo F, Yu X, Zhang W et al. Clinical characteristics and intrauterine vertical transmission potential of COVID-19 infection in nine pregnant women: a retrospective review of medical records. Lancet. 2020;395(10226):809-15. Epub 2020/03/11. doi: 10.1016/S0140-6736(20)30360-3. PubMed PMID: 32151335.

母乳育児は、新生児期以降の乳児期、小児期の疾病罹患率や死亡率を減少させる。感染症についてはとりわけ防御効果が強い。これは、抗体やその他の抗感染因子が直接母乳を介して移行することと、免疫能や免疫記憶が長期にわたって移行することによる。WHOの「新生児の必須ケアと母乳育児」参照 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/107481/e79227.pdf )。
よって、乳児栄養標準ガイドラインにIPC(感染予防と制御)のための適切な予防措置をつけ加えるべきである。

<やるべきこと>
COVID-19感染が疑われるか可能性が高い、もしくは確定した母親から生まれた新生児は、IPCに必要な予防措置を施行した上で乳児栄養標準ガイドラインに沿って栄養する。

<注>母乳育児は生後1時間以内に開始する。生後6か月間は母乳だけで育て、安全で十分な補完食を生後6か月から適切に食べさせながら、2歳かそれ以降まで母乳育児を続ける。量依存性効果があるため、また、より早い時期に母乳育児を始めることがより大きな効果を生むため、母乳育児を生後1時間以内に開始できなかった母親は、母親と児が可能になった時点でできるだけ早く母乳育児を支援されるべきである。これは、母親が帝王切開で出産したり、麻酔を受けたり、医学的に安定しなかったりして、出生後1時間以内に母乳育児が開始できなかった場合にあてはまる。この推奨は2002年の第54回世界保健総会WHA54.2決議としてすべての乳児に最適な栄養を推進するために承認された「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」と一致している。
(英語版: https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42590/9241562218.pdf
日本語版: https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42590/9241562218-jpn.pdf?sequence=49

<やるべきこと>
COVID-19感染が確定していたり疑わしかったりするすべてのケースと同様に、症状のある母親は、母乳育児中であっても、肌と肌とのふれあいを行なっていても、カンガルー・マザー・ケアを行っていても、授乳中を含め、以下のことを行う。
呼吸器衛生(例えば、母親に呼吸器症状があれば、児の側にいるときはマスクをする)を行う、児に触れる前後に手指衛生を行う、症状のある母親が触れた表面を定期的にきれいにし消毒する、などである。

<やるべきこと>
COVID-19感染が確定されたり疑わしかったりする場合であろうとなかろうと、母乳育児のカウンセリング、基礎的な心理社会的支援、実践的な栄養支援をすべての妊娠中の女性と乳幼児のいる母親に行う。

<注1>すべての母親が、母乳育児を開始し、確立し、よくある母乳育児上の困難に対応することができるようになるための、実践的な支援を受けられるようにする。それにIPC手技を含める。この支援は、母乳育児について適切にトレーニングされた保健医療従事者や地域に根差したレイ・カウンセラー(研修を受けた一般人)やピア・カウンセラー(研修を受けた同じ立場の人)が提供する。「ガイドライン:母乳育児の実践を改善するための女性へのカウンセリング」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/280133/9789241550468-eng.pdf )と「WHOガイドライン:母親と新生児へのサービスを提供している施設における母乳育児の推進、保護、支援」( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/259386/9789241550086-eng.pdf )を参照のこと。

<やるべきこと>
COVID-19に感染している母親が重篤であったり他の合併症があったりして、児の世話ができなかったり直接授乳ができなかったりする場合は、搾乳を推奨して支援し、適切なIPC手技を適応しつつ児に安全に搾母乳を与える。

<注>母親があまりに重篤で直接授乳や搾乳ができない場合、母乳復帰、乳母、母乳バンク、適切な母乳代用品の実行可能性を、文化的背景、母親の受容、サービスの利用のしやすさなどを考慮し、検討する。母親と新生児へのサービスを提供している施設のどの部署においてもどのスタッフによっても、母乳代用品や哺乳びんと人工乳首、おしゃぶりのプロモーションはなされるべきではない。保健医療施設とスタッフは、哺乳びんと人工乳首ほか「母乳代用品のマーケティングに関する国際規準」(訳注:日本語版 https://www.jalc-net.jp/dl/International_code.pdf )とその後の世界保健総会の関連決議の適用範囲となっている製品を母乳育児中の児に与えてはならない。この推奨は「WHOガイダンス:母乳代用品の使用が許容できる医学的理由」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/69938/WHO_FCH_CAH_09.01_eng.pdf;jsessionid
=709AE28402D49263C8DF6D50048A0E58?sequence=1
) と矛盾しない。

<やるべきこと>
COVID-19感染が疑わしかったり、可能性が高かったり確認されたりした場合であっても、母親と児が一緒にいられるようにするべきであり、特に出産直後の母乳育児を確立する間、肌と肌との触れ合いを実施し、カンガルー・マザー・ケアを行い、夜も昼も母児同室を行う。

<注>母親と児にサービスを提供する施設にいる間、母乳育児の妨げを最小限にするためには、母親が希望するだけ十分に、頻繁に、長く授乳できるようにするという施設での実践を必要とする。
「WHOガイドライン:母親と新生児にサービスを提供する施設の母乳育児の保護、推進、支援」 ( https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/259386/9789241550086-eng.pdf ) を参照のこと。

<やるべきこと>
親や養育者は、児と分離される必要があるかもしれず、児も主養育者と分離される必要があるかもしれないが、適切に訓練された医療従事者や非医療従事者からの精神衛生や心理社会的支援につながるべきである。

<注>産前産後の女性の一般的な精神疾患の有病率の高さと、対象としたプログラムへの受容性を考慮すると、その人たちへの介入はもっと広範囲に実施される必要がある。メンタルヘルスの問題を治療するサービスに加えて、予防するサービスも利用できるようにする。この推奨は「2020緊急事態における精神衛生と心理社会的支援IASC参考団体―COVID-19アウトブレイクの精神衛生と社会心理的側面に対応する短報 version1.1」( https://interagencystandingcommittee.org/system/files/2020-03/
MHPSS%20COVID19%20Briefing%20Note%202%20March%202020-English.pdf
)と「WHOガイドライン:小児期初期の発達の改良」 ( https://www.who.int/publications-detail/improving-early-childhood-development-who-guideline ) と矛盾しない。

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新型コロナウイルス(COVID-19)に対するABMの声明 2020年3月10日
ABM STATEMENT ON CORONAVIRUS 2019 (COVID-19)
ABM: The Academy of Breastfeeding Medicine
https://www.bfmed.org/abm-statement-coronavirus

ご注意ください。
COVID-19感染についての情報は日々更新されています。ABMの勧告は現時点(この声明の発表日)における報告の情報に基づいています。最新のガイダンスはCDCやWHOのような情報源をご参照ください。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/specific-groups/pregnancy-guidance-breastfeeding.html
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019

COVID-19の経母乳感染
COVID-19がどのようにひろがるかについては、不明なことが多い。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/about/transmission.html
人から人への広がりは、インフルエンザや他の呼吸器の病原体が広がるように、主に感染者が咳やくしゃみをした時の呼吸器飛沫によって生じると考えられている。COVID-19 や、こちらもコロナウイルスであるSARSコロナウイルスに感染した女性の限られた報告では、このウイルスは母乳中には検出されていない。しかしながら、COVID-19が経母乳感染するかどうかは不明である。

母乳は多くの疾患に対する防御作用を持つ。母乳育児や搾母乳を与えることが例外的に推奨されない場合は稀である。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/contraindications-to-breastfeeding.html
CDCは、類似のコロナウイルスであるSARSやMARSについては、感染中の母乳育児について特化したガイダンスを発表していない。COVID-19と同様な状況である、母親がインフルエンザに感染している場合について、CDCは、児へのウイルス感染予防策を取りながらの直接授乳や搾母乳を与えることを勧告している。
https://www.cdc.gov/breastfeeding/breastfeeding-special-circumstances/maternal-or-infant-illnesses/influenza.html
呼吸器ウイルスの経母乳感染の率が低いことを考慮し、WHOはCOVID-19 に感染した母親も母乳育児ができると宣言している。
https://www.who.int/publications-detail/
home-care-for-patients-with-suspected-novel-coronavirus-(ncov)-infection-presenting-
with-mild-symptoms-and-management-of-contacts

COVID-19 と母乳育児に関する現在のCDCのガイダンスはこちらから。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/specific-groups/pregnancy-guidance-breastfeeding.html

自宅で
COVID-19の感染が確認された、もしくは、COVID-19の検査中で症状のある母親は、児にウイルスを感染させないために、すべての可能な予防措置を講じるようにする。それは、児に触る前には手を洗う、可能ならば授乳中はマスクを着用するなどである。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-prevent-spread.html
手動や電動の搾乳機で搾乳する場合、母親は搾乳機やボトルの部品を触る前に手を洗い、使用後は推奨に従い適切に搾乳機を洗浄する。
https://www.cdc.gov/healthywater/hygiene/healthychildcare/infantfeeding/breastpump.html
可能であれば、健康な人に児の世話をしたり搾母乳を与えてもらったりすることを考慮する。

手指衛生は、アルコール含有60%から90%の手指消毒剤の費用を含み、以下の場合に行う:
感染した母親や感染の可能性のある用具の使用の前後、手袋を含む個人防護具(PPE)の着衣前と脱衣後。手指衛生は20秒以上の石鹸と水での洗浄でもよい。手指が目に見えて汚染された場合、石鹸と水による洗浄を行ってからアルコール含有手指消毒剤を用いる。

COVID-19が確認された場合は、他の家族や友人、隣人から隔離(家庭内隔離)されるべきで、乳児も含むが、授乳は例外である。(訳注:家庭内隔離の一例 https://publications.msss.gouv.qc.ca/msss/fichiers/2019/19-210-08A.pdf) 母親が搾乳をして母乳分泌維持をしている場合、理想的には、感染していない大人が児のニーズにあったケアを行い、搾母乳を児に与えることが望ましい。咳や気道分泌物が劇的に改善するまで少なくとも5-7日間は、母親は上に書かれたような厳重な手洗いとマスクの着用を実施する。家庭内隔離をいつ中止するかの決断には、医療保健専門家や医療施設に相談するのが有用かもしれない。

病院で
母乳育児を行うかどうかの選択権は母親と家族にある。
母親が元気で、ウイルスに暴露されただけであったり、軽い症状で検査中だったりした場合、母乳育児は合理的な選択で、母の気道分泌物が児に暴露するのを軽減するのにマスクやガウンを使用することや厳重な手洗いをすることは比較的容易である。

母親がCOV-19に感染している場合は、もっと心配かもしれないが、直接授乳や児に搾母乳を与えることは、依然として合理的である。母親の病状によるが、児の気道分泌物への暴露を制限するためには、さらに注意深く推奨を守るようにする必要があるかもしれない。

母乳育児中の母親と児の同室/異室に関して、病院には選択肢がいくつかある。
  1. 母子同室(母親と児が同じ部屋にいて、部屋に他の患者がいない)
    母親と児のコットは6フィート(訳注:約1.8メートル)以上離す。児に触る前には手を洗い、児に触ったり直接授乳したりする間はマスクを着用するといったウイルス感染予防策を講じる。理想的には、健康な別の大人が児の世話をするために部屋にいることが望ましい。
  2. 一時的な分離
    母親がCOVID-19 感染で状態が悪く、病院での医学的ケアを必要とする場合に行う。母親が母乳育児を予定している場合や、継続を希望する場合は、乳汁分泌の確立や維持のために搾乳を勧める。可能なら、専用の搾乳器を与える。搾乳前には、母親は手指衛生をおこなう。搾乳ごとに母乳に触れるすべての部品は入念に洗浄し、搾乳器全体をマニュアルに従い適切に消毒する。搾乳は健康な養育者が児に新生児に与える。
母親と家族は母乳育児を続けるために、また、母親のCOVID-19による病気の間の搾母乳の使用方法、母乳分泌維持の方法、後から使うための搾母乳の保存方法などについて、追加のガイダンスや支援を必要とするかもしれない。

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UNFPA(国連人口基金)
新型コロナウイルスと妊娠についての声明 2020年3月5日
UNFPA statement on novel coronavirus (COVID-19) and pregnancy
https://www.unfpa.org/press/unfpa-statement-novel-coronavirus-covid-19-and-pregnancy

母乳育児に関する記述の部分の抜粋
母乳育児中の女性は新生児と分離すべきではない。
ユニセフによると、呼吸器のウイルスが経母乳感染することを示すエビデンスはないからである。
下記の必要な予防措置を実施すれば、母親が母乳育児を続けることは可能である。
症状を呈しているが母乳育児を行えるほど状態のよい母親は、児の側にいるとき(授乳中を含む)はマスクを着用し、児と接触する前後(授乳を含む)は手を洗い、汚染された表面はきれいにし、消毒する。
母親が母乳育児ができないほど病状が重い場合は搾乳が推奨され、搾乳された乳汁は、マスクを着用して清潔なカップやスプーンで児に与えることができる。児と接触する前後(授乳を含む)は手を洗い、汚染された表面はきれいにし、消毒する。